週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

居酒屋の「行列たい焼き」

 

自家製の「あんこ暦」では、大寒はたい焼きが輝く季節である。

 

少々熱くてもフーフー言いながらほおばる。これがたまらない。

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麻布十番浪花家総本店」、人形町「柳屋」、四谷「わかば」が東京ご三家と言われるが、上野「根津のたい焼き」や吉祥寺「天音(あまね)」などトップ集団に入ってもおかしくないたい焼き屋がどんどん誕生している。いずれも一匹ずつ焼く一丁焼き。いわゆる天然もの。

 

私はそこに下高井戸のたい焼き専門店「たつみや」を加えたい。行列のすごさも四谷「わかば」並み。

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知る人ぞ知る、居酒屋のたい焼きで、この店の存在を教えてくれたのが、和菓子にうるさい京都の畏友「あんじい」だった。ストーンズの「アンジー」ではなく、あんこ好きの「あんじい」。以前この近くに居を構えていたらしい。

 

ドヤ顔のたい焼きで、ミック・ジャガーもこの迫力には一歩退くかもしれない。

 

寒風のなかを40分近く並んで何とかゲット。一匹140円(税込み)なり。

 

隣が居酒屋「たつみ本店」で、経営者は同じ一族らしい。

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一丁焼きではなく、珍しい4連焼きだが、清楚な美女が見事な手つきで焼いていた。特注の金型で、最後にじゅじゅじゅとプレスする。女性スタッフが3~4人ほど。

 

北海道十勝産小豆を使った自家製あんこがつややかで、それだけでこの店のレベルが見て取れる。

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イートインがないので、近くで隙間を見つけて、そこで賞味することにした。

 

ご三家よりも焼き色がかなり濃い。黒糖を加えているのかもしれない。

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注文するときに「羽根は付けたままで」とお願いしたので、その大きさがかくの如し。ついエリマキトカゲを連想してしまった。「天音」よりも存在感がある。

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皮は表面がパリッと固めに焼かれていて、むしろベルギーワッフルのよう。

 

たっぷりと入った中のつぶしあんが秀逸。

 

かなり甘めで小豆の風味がこってりしていて、しかもつぶつぶ感もある。

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計算されたアクセントのあるつぶしあんで、その食感は絶妙と表現したくなる。

 

塩気が強めなのも大きな特徴。四谷「わかば」に近い味わい。

 

尻尾まであんこが詰まっていて、これも好感。

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創業年は不明だが、居酒屋「たつみ」が昭和55年(1980年)なので、その前後だと思う。

 

行列が一向に収まらない。砂糖は浪花家やわかばと同じ上白糖かと思ったら「いえ、中ざら糖です」とか。それだけ聞くのが精いっぱいだった。

 

自家製あんこのコクと艶はその効果かもしれない。ちなみに冷めても美味かった。

 

その後、隣の居酒屋で飲み会となった。そこで「サービスです」と出されたのがユニークな「揚げたいやき」だった。さらに油で揚げたもの。悪くはないが、個人的には揚げない方が美味いと思う。

 

所在地 東京・世田谷区赤堤5-31-1

最寄駅 京王線高井戸駅西口下車 歩約5分

 

 

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