週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

幻の羊羹「ひしや」再開していた❣

 

あんこの神様はやっぱりいる?

 

私にとっての最近のビッグあんこニュース。

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約6年かけて修復した日光東照宮陽明門(12月から再修復とか)を見た帰り、渋滞のクルマの中から、ふと左手を見ると、まさかの光景が佇んでいた。

 

閉店したはずの「ひしや」が開いていた。

 

日光に来るたびに「本日休店中です」の木札の前で、「休店ではなく廃業したんだな」とほとんどあきらめていた店。

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何しろこの期間約10年! 「休店」の域をはるかに超えている。

 

 

私にとっては本物の幻の羊羹・・・になりかけていた。

 

これがその幻の煉り羊羹。

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あわててファミレスの駐車場に何とかクルマを止めて、駆け足で戻り、再開を確認してから、ふうーとひと呼吸してから飛び込み、1棹ゲットした(興奮しすぎ)。

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お代は昔のまま1棹1500円(税別)。

 

店内は依然と変わらない。タイムスリップ感。

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マスク姿の4代目の女将さんがいて、少しだけ取材することができた。

 

10年ではなく、休んでいた期間は「いろいろあって8年です」

 

いろいろの中には4代目のご病気(息子さんの5代目も)があったようだ。

 

まずは8年ぶりのその幻の羊羹を見ていただきたい。

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昔と同じ、竹皮包み。

 

竹皮を取りにかかる。

 

表面がまだら状にうっすらと糖化していて(わざと3日ほどそのまま置いておいたので)、小倉色の美しい煉り羊羹が横たわっていた。

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窓からの光を吸い取って、それが奥の方で凝縮している、変な例えだが、そう言いたくなる感覚。横から見ると、表面に近い部分にかすかに透明感がある。

 

「これだこれだ」

 

学生時代に片想いだったお方に偶然再会した気分、かな。

 

1本(1棹)の長さは180ミリ×55ミリ×20ミリ。重さは約280グラム。

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さて、味わいは?

 

表面のかすかなじゃりじゃり感と煉りの部分のきれいなコクと余韻が絶妙につながっている。

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甘すぎず、しつこすぎず。

 

繊細な手の匂いのする、きれいな味わい。以前のまま。

 

上質で、雑味がない。

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「ひしや」の創業は明治元年(1868年)。現在5代目が継いでいる。代々の手作業を守り続け、煉り羊羹一本勝負で、凄いのは1日1釜分しか作らない(作れない)。

 

同じような作り方(1日1釜)をしている東京・吉祥寺「小ざさ(おざさ)」が1釜(約150本分)と言われているので、ここも同じくらいの本数ではないか。

 

ゆえに休店前には午前中で「本日分の販売は終了しました」の木札がさがることも多かった。

 

羊羹職人が手作業で精魂詰めて作ると、このくらいの本数(棹数)になるのかもしれない。

 

今、それが目の前にある。

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材料は小豆と砂糖と寒天のみ。小豆は北海道産、砂糖は「上白糖です」。寒天は聞き逃した。

 

昔、東京・三鷹に住んでいた時に早朝から並んで、「小ざさ」の煉り羊羹をゲットしたことがある。

 

舌の記憶では、その味とほとんど同じ味わい。

 

想像だが、惜しまれながら廃業した本郷三丁目にあった加賀藩御用達だった「藤むら羊羹」の煉り羊羹もこんな味わいだったのではないか? (私が行ったときにはすでに廃業後だった。グヤジイ)

 

さて、再び「ひしや」の煉り羊羹。

 

そのまま竹皮包みしていることもあり、賞味期限がフツーの煉り羊羹よりも短く、約10日間。

 

なので、約半分だけ残して、そのぎりぎり10日目にどう変化しているか、味わうことにした。

 

〈10日後の変化〉

 ごらんの通り、さらに糖化が進んでいた。

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包丁で切ると、糖化の厚みは約0.6ミリ~1ミリくらい。

 

シーラカンスの出会ったような、ある種不思議な、ときめき。

 

だが、中の煉り本体はほとんど同じだった。あえていうと、コクと深味がほんの少し増した感じかな。

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変わらない雑味のなさが素晴らしい。

 

表面のじゃりじゃりした歯触りと柔らかな煉りが絶妙にコラボしている。

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目をつむると、きれいな小豆の呉(中の部分)がいい羊羹職人の手で見事な蝶に変身しているイメージが脳内によぎった(ホントです)。

 

竹皮に包まれた煉り羊羹は全国にもないわけではないが、ここまでピュアに手作りこだわった煉り羊羹はやはり希少だと思う。

 

8年ぶりの再開を素直に喜びたい。

 

「ひしや羊羹本舗」

所在地 栃木・日光市上鉢石町1040

最寄り駅 日光駅東武日光線JR日光線)から歩約20分

 

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幻の羊羹「ひしや」再開していた❣

 

あんこの神様はやっぱりいる?

 

私にとっての最近のビッグあんこニュース。

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約6年かけて修復した日光東照宮陽明門(12月から再修復とか)を見た帰り、渋滞のクルマの中から、ふと左手を見ると、まさかの光景が佇んでいた。

 

閉店したはずの「ひしや」が開いていた。

 

日光に来るたびに「本日休店中です」の木札の前で、「休店ではなく廃業したんだな」とほとんどあきらめていた店。

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何しろこの期間約10年! 「休店」の域をはるかに超えている。

 

 

私にとっては本物の幻の羊羹・・・になりかけていた。

 

これがその幻の煉り羊羹。

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あわててファミレスの駐車場に何とかクルマを止めて、駆け足で戻り、再開を確認してから、ふうーとひと呼吸してから飛び込み、1棹ゲットした(興奮しすぎ)。

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お代は昔のまま1棹1500円(税別)。

 

店内は依然と変わらない。タイムスリップ感。

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マスク姿の4代目の女将さんがいて、少しだけ取材することができた。

 

10年ではなく、休んでいた期間は「いろいろあって8年です」

 

いろいろの中には4代目のご病気(息子さんの5代目も)があったようだ。

 

まずは8年ぶりのその幻の羊羹を見ていただきたい。

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昔と同じ、竹皮包み。

 

竹皮を取りにかかる。

 

表面がまだら状にうっすらと糖化していて(わざと3日ほどそのまま置いておいたので)、小倉色の美しい煉り羊羹が横たわっていた。

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窓からの光を吸い取って、それが奥の方で凝縮している、変な例えだが、そう言いたくなる感覚。横から見ると、表面に近い部分にかすかに透明感がある。

 

「これだこれだ」

 

学生時代に片想いだったお方に偶然再会した気分、かな。

 

1本(1棹)の長さは180ミリ×55ミリ×20ミリ。重さは約280グラム。

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さて、味わいは?

 

表面のかすかなじゃりじゃり感と煉りの部分のきれいなコクと余韻が絶妙につながっている。

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甘すぎず、しつこすぎず。

 

繊細な手の匂いのする、きれいな味わい。以前のまま。

 

上質で、雑味がない。

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「ひしや」の創業は明治元年(1868年)。現在5代目が継いでいる。代々の手作業を守り続け、煉り羊羹一本勝負で、凄いのは1日1釜分しか作らない(作れない)。

 

同じような作り方(1日1釜)をしている東京・吉祥寺「小ざさ(おざさ)」が1釜(約150本分)と言われているので、ここも同じくらいの本数ではないか。

 

ゆえに休店前には午前中で「本日分の販売は終了しました」の木札がさがることも多かった。

 

羊羹職人が手作業で精魂詰めて作ると、このくらいの本数(棹数)になるのかもしれない。

 

今、それが目の前にある。

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材料は小豆と砂糖と寒天のみ。小豆は北海道産、砂糖は「上白糖です」。寒天は聞き逃した。

 

昔、東京・三鷹に住んでいた時に早朝から並んで、「小ざさ」の煉り羊羹をゲットしたことがある。

 

舌の記憶では、その味とほとんど同じ味わい。

 

想像だが、惜しまれながら廃業した本郷三丁目にあった加賀藩御用達だった「藤むら羊羹」の煉り羊羹もこんな味わいだったのではないか? (私が行ったときにはすでに廃業後だった。グヤジイ)

 

さて、再び「ひしや」の煉り羊羹。

 

そのまま竹皮包みしていることもあり、賞味期限がフツーの煉り羊羹よりも短く、約10日間。

 

なので、約半分だけ残して、そのぎりぎり10日目にどう変化しているか、味わうことにした。

 

〈10日後の変化〉

 ごらんの通り、さらに糖化が進んでいた。

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包丁で切ると、糖化の厚みは約0.6ミリ~1ミリくらい。

 

シーラカンスの出会ったような、ある種不思議な、ときめき。

 

だが、中の煉り本体はほとんど同じだった。あえていうと、コクと深味がほんの少し増した感じかな。

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変わらない雑味のなさが素晴らしい。

 

表面のじゃりじゃりした歯触りと柔らかな煉りが絶妙にコラボしている。

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目をつむると、きれいな小豆の呉(中の部分)がいい羊羹職人の手で見事な蝶に変身しているイメージが脳内によぎった(ホントです)。

 

竹皮に包まれた煉り羊羹は全国にもないわけではないが、ここまでピュアに手作りこだわった煉り羊羹はやはり希少だと思う。

 

8年ぶりの再開を素直に喜びたい。

 

「ひしや羊羹本舗」

所在地 栃木・日光市上鉢石町1040

最寄り駅 日光駅東武日光線JR日光線)から歩約20分

 

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パンと和菓子が合体「奇跡のあんぱん群」

 

編集長「ふふふ今回は特にすごいぞ。北関東のパン王国・那須で出会った本格的ベーカリーのあんぱん、ビックリだったよ。あんぱんだけで6種類~8種類も作っている。それもオリジナル」

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あん子「バレてます(笑)、『パン工房ドリーム』でしょ。パン好きなら知ってますよ。天然酵母のパンやプレミアム食パンなど、近くに御用邸もあり、皇室関係にもファンがいるって話よ」

 

編集長「『パン香房ベル・フルール』とかね。『ペニーレイン』も有名だけど。その他にもいいパン屋さんが多い。でも、ことあんぱんにかけては、この『ドリーム』が凄すぎると思うな。那須街道沿いに派手な『全国1位のパン屋さん』の看板に好奇心がむくむく。正直に言うと、この手の宣伝は苦手だな、と半信半疑で細い道を500メートルほど奥へと入っていったら、あったんだよ、夢の世界が(笑)」

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あん子「前口上はそのくらいにして、早く夢のあんぱんがどんなものか、先に行ってくださいな。今回は4種類、選んだんでしょ?」

 

編集長「わかったよ、ではアンビリーバボーなあんぱん群の中から選んだ4種類、花道から登場してもらうことにしよう」

 

【本日のセンター】

はんなり和菓子あんぱん(1本 税込み980円)

那須あんぱん(1個 同350円)

四角いあんぱん「未来」(同 260円)

 

今回は一つ選ぶのは無理と判断。なので、この三つを変則的にセンターに置くことに致しました。

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まずは「はんなり和菓子あんぱん」。大きな長方形でとてもあんぱんには見えない。175ミリ×90ミリ×厚さは40ミリ。重さは約460グラム。こんがりきつね色の焼き色、アーモンドがちょこんと3個。ほお~が三つほど。

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レンジで20秒ほど温める。焼き立てに近い感触になると思う。切ると、中からつぶあんと半月状の栗が現れた。何というチャレンジ、従来の発想ではない。

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確かにパンと和菓子のコラボ。

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北海道産小麦を使ったパンはやや固めで香ばしい。中のあんこが素晴らしい。北海道十勝産小豆を使用。さらに取材したら、わざわざ京都の製餡所から特注で取り寄せているとか。

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「はんなり」の意味がわかった。糖度は45度(他のあんぱんもほぼ同じ糖度)で、甘さは抑え気味。好みにもよるが、つまり絶妙な甘さ。小豆の風味がきれい。

 

ちょこんと乗ったアーモンドが小さなアクセントになっていて、芸が細かい。

 

続いて「新那須あんぱん」(下の写真右側、左は四角いあんぱん未来)。

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これは実に不思議なあんぱんで、淡いきつね色の焼き色、メープルの香りが味わいを深めている。

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パン生地はふわり感としっとり感が融合していて、中のあんこがすごい。十勝産大納言小豆を使用、とろりとした鹿の子のよう。食べると、抑えられた甘さと蜜煮された大納言のふっくらした風味がふわりと広がる。

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絶妙という言葉がぴったりくる美味さで、パンと和菓子の見事な恋愛と言いたくなる。

 

四角いあんぱん「未来」は形といい、白っぽい焼き色といい、中のやわらく炊かれたあんこ(小豆あんとこしあんブレンド)が素晴らしい。それが、これでもかとぎっしり。

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確かに未来を感じさせる、進化系のあんぱんかもしれない。

 

しっとりとしたパン生地、つぶあんのボリューム・・・コスパ的にも私的にはこれが一番来た。初めて体験する食感。ねっとり感とほどよい甘さ。

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あんぱんを超えたあんぱん。

 

あんこが自家製だったら、もっといいのだが、こういうユニークな試みもこのレベルまで来ると、脱帽するしかない。パン王国ならではのありえないチャレンジだと思う。

 

「パン工房ドリーム」の創業は1996年(平成8年)。今回初めて「全国一」の理由を聞いたら「お取り寄せパン部門でずっと1位を取っているんですよ」とか。

 

今回は番外にした「元祖那須あんぱん」(下の写真)は創業当時からのもの。つぶあんと栗のあんぱん。へそにはクルミ。1個330円(税込み)。これが一番、見慣れたあんぱんに近い。他のパンも含めて、全体的には強気の価格設定だが、満足感が十分にあると思う。

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製法などは「企業秘密」で踏み込めなかった(当然ですが)。

 

パン王国・那須はホント奥が深い。

 

今回はご紹介できなかったが「20歳のあんぱん」とか「60歳のあんぱん」などもある。意味不明だが(笑)。

 

こういう遊び心もある本格的なパン屋さんが林の奥に存在していること。コロナ禍を忘れさせてくれる、至福のひとときだった。

 

個人的には東京・浅草の「あんですMATOBA」よりも驚いた。

 

ドリームとはベタだが、よくぞ付けたり。

 

・パン工房ドリーム

所在地 栃木・那須郡那須町湯本460-1

 

 

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あんこ極楽、小田原宿「粒あんころ餅」

 

あんこ餅あんころ餅

 

この違いがよくわからない。ほとんど同じものだと思うが、語感的には「あんころ」に惹かれる。コロコロ転がるイメージで、どこかユーモラス、日本昔話に出てくるよう。

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一説では「あんころ」は餡衣餅(あんころももち)から転じた、つまり餅をあんこで衣のように包んだ餅、というわけだが、そうなると、伊勢の赤福やおはぎまでも広い意味であんころ餅一家に入るかもしれない。

 

「あんころ餅」を商品名にしているのは、石川・白山市にある「圓八(えんぱち)」が知られるが、江戸時代から続く老舗で、3年ほど前、本店を取材したら、竹皮に包まれた小粒のあんころ餅だった。

 

素朴なこしあんに包まれた柔らかな粒餅が9個ほど。竹皮の香りがうっすらと滲み込んでいて、江戸時代にタイムスリップした気分になった。甘さを抑えたクセの強い味わいだった。

 

さて、本題。

 

あんこ旅の途中で、久しぶりに小田原宿に立ち寄った。東海道五十三次の歴史はダテではない。かまぼこやういろうも魅力的だが、この城下町にはいい和菓子屋も多い。

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豆大福で知られる「小田原伊勢屋」もその一つ。

 

ここで出会ったのが粒あんころ餅」だった。あんこ餅ではなく、粒あんころ餅(1パック税込み378円)。

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胸がピコピコときめいた。

 

だが、私のイメージするあんころ餅ではなく、とろりとした粒あんがちぎり餅(4~5個ほど)の上に乗っかっていた。

 

これはこれでそそられる。

 

豆大福(同183円)や珍しいフルーツ羊羹と一緒にゲットし、せかせかと近くにある歴史的な建造物「小田原宿なりわい交流館」の一角で食べることにした。

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「添加物は使ってないので、お早めに、今日中にお召し上がりください」(女性スタッフ)

 

プラスチックの容器が圓八本店に比べると、情緒がないが、実用的ではある。

 

直球勝負がくすぐられる。

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上から見ると、あんこの海!(絶景かな)

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粒あんはテカリがすごく、かなり甘い。この濃厚は水飴も加えているのかもしれない。

 

餅は杵でしっかり搗いた餅で、柔らかく、きめが細かい。

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こってりした粒あんがよく絡む。塩気は感じない。

 

口の中があっという間にあんこ極楽になる。たまらない。

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個人的にはあんころ餅というより、これはあんこ餅だと思う。

 

1パックぺろりと平らげると、さすがに抹茶が欲しくなった。

 

小田原「伊勢屋」は創業が昭和10年(1935年)。現在3代目。「昔ながらの手作り」が売りで、定番の豆大福は創業時と同じ製法を続けている。

 

一息ついてから、人気の豆大福にも手を伸ばす。

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餅の柔らかさと赤えんどう豆の存在感がとてもいい。

 

中のあんこはつぶしあんで、こちらは甘さが控えめ。

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素朴な小豆の風味が口いっぱいに広がる。

 

店主の手の匂いのする、これは上質な豆大福だと思う。

 

食べ終えてから、再訪問。餡作りについて尋ねると、毎日銅釜で炊き、北海道産小豆を使用、上白糖で練り上げているそう。

 

フルーツ羊羹もこの店の売りの一つだが、今回はそこまで手が伸びなかった。残念。

 

「小田原伊勢屋本店」

所在地 神奈川・小田原市本町3-6-22

最寄り駅 JR小田原駅から歩約12分

 

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6代目の「いが饅頭」とみたらし

 

編集長「饅頭オリンピックがあったら、北埼玉のいがまんじゅうは規格外部門で推したいね」

 

あん子秘密のケンミンショーなどで、日本の饅頭ファンをびっくりさせたあの饅頭ね。饅頭をお赤飯で包むなんて、フツーはあり得ない(笑)」

 

編集長「羽生、加須、鴻巣、行田など埼玉でも北東に位置するエリアで昔から縁起物として作られていた郷土菓子で、お赤飯で包むのは魔除けの意味もあると思うよ。コロナ変異種も裸足で逃げ出す(笑)」

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あん子「それで? 今日はそのいがまんじゅうが主役?」

 

編集長「いい店は一杯あるけど、羽生市ですごい店を見つけたんだ。創業が慶応元年(1865年)、現在6代目。店構えは田舎の和菓子屋さんって感じだけど、作ってる和菓子のレベルが驚きだった。あるんだよ、こういう隠れた名店が」

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あん子「また始まった、と言いたいところだけど、饅頭ばかりでなく、だんご・大福類、最中類、煉り切りまで6代目が一人で作っているのが驚きよね」

 

編集長「あんこもすべて自家製。しかも安い。今回は結局2回行って、じっくり話を聞いたら、素材選びも田舎の和菓子屋レベルではなかった。『菓子司 まつのや』の看板が銀色に渋く輝いて見えたよ」

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あん子「私はこしあん入りみたらし団子に感動したけど、今回はセンターに何を置くのか迷うわね」

 

編集長レモン水まんじゅうも新しいチャレンジとして押したいし、黒糖饅頭『うさぶろうまんじゅう』もかなりのレベルだった。迷ったけど、珍しいという意味で今回はいがまんじゅうにしたよ」

 

あん子「饅頭オリンピックを意識したというわけね(笑)。ではよーい、スタート!」

 

【本日のセンター】

いがまんじゅうvsこしあん入りみたらし団子

 

10年ほど前「いがまんじゅう」を初めて見たとき、あまりのミスマッチぶりに引いてしまったが、ダメモトで食べてみたら、お赤飯と饅頭が意外にマッチしていることに二度ビックリした。

 

以来、これまで8~10軒のいがまんじゅうを食べたが、店によって見た目も味わいも微妙に違うことがわかった。

 

最も感動したのは鴻巣市(旧川里地区)の「一福菓子店」のものだった。

 

見事なお赤飯が裏側までびっしり付いていて、しかもデカい。中の饅頭も素朴に上質で、あんこは北海道産小豆を使った自家製こしあんだった。甘さが抑えられていて、ご高齢ゆえか店主の作る数は限られていて、それもあってか、午前中で売り切れてしまうことも多かった。

 

だが、平成29年、惜しまれながら閉店してしまった。

 

で、本題。この「まつのや」のいがまんじゅうである。

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1個130円(税込み)。重さは110グラムほど。「一福菓子店」ほどデカくはないが、見事でつややかなお赤飯にまずほお~となってしまった。裏側までびっしりと覆われ、手抜きが見えない。

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地場のもち米を使った、蒸かし立ての柔らかな食感とささげの風味に「一福菓子店」以来のときめきがよみがえった。

 

中の饅頭はもちろん自家製で、北海道産小豆を炊いたこしあんは甘さがほどよく抑えられていて、「うんめえ」と方言がつい漏れてしまった(ホントです)。

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素朴というより洗練されたいがまんじゅう。

 

取材時、6代目の口からあんこへのこだわりを聞いて、ちょっと驚く。

 

ほぼ毎日作るあんこは6種類ほど。砂糖はザラメが中心。

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使う小豆も和菓子によって使い分け、北海道産豊祝小豆や雅(みやび)など、暖簾のある京都などの老舗和菓子屋が使うレベルと遜色がない。

 

ローカルの老舗(あまり高い値段は付けられない)の心意気さえ感じる。

 

もう一品。こしあん入りみたらし団子は餅の柔らかさが尋常ではない。

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1本80円(税込み)。コスパ、すご。

 

うるち米地場の彩のかがやきを使い、みたらしの甘辛が絶妙。中はこしあん(自家製)で、きれいな小豆の風味が来る。雑味がない。

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添加物ゼロなので、日持ちがしないが、残りを翌日食べたら、十分に美味かった。

 

あん子こしあん入りのみたらし団子は最近は珍しくないけど、これは私の中ではトップ3に入るかな。とにかく団子の柔らかさがマックスね。この値段でよくやってると思うわ」

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編集長「6代目は東京の製菓学校を出て、店を継いでいる。地元を盛り上げようと一生懸命で、黒糖饅頭の『うさぶろうまんじゅう』渋沢栄一とともに幕末パリ万博に行った清水卯三郎(羽生出身の商人)の名前を冠している。渋沢栄一がブームになる以前から作っているんだ。これも掛け値なしに超が付く美味さ。饅頭オリンピックがあったら、ホント埼玉代に押したいよ」

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【本日のサブ】

・レモン水まんじゅう(税込み140円)

〈寸評〉冷蔵庫に30分、冷やしてから食べた。葛粉を使ったプルプルした半透明の皮の奥にレモン色のあんこ。目にも涼しい。北海道産白いんげんのあんこにレモンの搾り汁を加えたもの。レモンの酸味がさわやか。6代目のアイデア生菓子。

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・水まんじゅう(同)

〈寸評〉夏の定番だが、私的にはオーソドックスな味わい。こしあんのみずみずしさ。レモン水まんじゅうほどの意外性はないが、ファンも多い。

 

「菓子司 まつのや」

所在地 埼玉・羽生市中央4-8-19

最寄り駅 東武伊勢崎線羽生駅から歩約7分

 

 

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「松ヶ枝餅」5レンジャー食べ比べ

 

編集長「北の後は南のあんこ! 今回は九州・福岡からお取り寄せしたよ」

 

あん子「わかった、編集長の大好きな太宰府天満宮梅ヶ枝餅でしょ?

 

編集長「惜しい! 梅ヶ枝餅ではなくて、松ヶ枝餅(まつがえもち)。外見も中身もそっくり。言われなければ、梅が枝餅だよ」

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あん子「梅と松の違いだけ? そんな餅があるなんて知らなかったわ」

 

編集長「正直に言うと、私も知らなかった。でも、調べてみたら、梅ヶ枝餅より古いんだよ。太宰府天満宮ではなく、もっと古い宮地嶽神社の門前で売られている、まあ地元の人に言わせれば、梅が枝餅のルーツだとか。ちょっとびっくり」

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あん子「で、お取り寄せしたのは?」

 

編集長「門前には8軒ほど店舗があるようだけど、その中でもクール便(冷凍便)に対応している『宮地館(みやじかん)』を選んだ。イニエスタに敬意を表して、楽天から取り寄せてみたよ」

 

あん子「意味わかんない。イニエスタが戸惑うわよ。で、特徴は?」

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編集長「これが凄いんだよ。定番の松ヶ枝餅(白)だけでなく、抹茶餅、ごま餅、よもぎ餅、それにさくら餅の5種類松ヶ枝餅5レンジャーと呼びたくなる。たぶん宮地館だけだよ。梅ヶ枝餅にはこんな5種類ものバラエティーさはない。古くて斬新と言えなくもない」

 

あん子目からあんこってわけね(笑)。どれどれ実食と行ってみましょう」

 

【本日のセンター】

つぶあんとの相性が松!抹茶餅の絶妙

 

5種類×2=計10個。冷凍便で届いたものを電子レンジで約40秒ほどチンしてみた。さらにオーブントースターで約7~8分。

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表面がこんがりと焼け、門前で買うのとほとんど同じ松ヶ枝餅を試食してみた。

 

定番の松ヶ枝餅(白)米粉と餅粉の配合や食感が梅が枝餅と変わらない印象で、中の自家製つぶあんも濃厚素朴な風味で、目隠しテストをしたら、10人中8~9人は「梅が枝餅でしょ?」と答えると思う。

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私がこれまで食べた梅ヶ枝餅の中では「小山田茶店(元祖といわれる)と似た味わい。

 

特に素朴なあんこ、だと思う。どこか野暮ったさが残る。

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つぶつぶ感がはっきりしていて、甘さがやや控えめ。塩気もある。

 

餅の存在感が私がこれまで食べた梅が枝餅よりあると思う(1~2ミリの違いだが)。

 

宮地館は創業が1939年(昭和14年)。80年ちょっとの歴史で、現在3代目。

 

なので、思ったほどの歴史はないが、松ヶ枝餅自体の歴史は少なくとも江戸時代まで遡るようだ(一説には平安時代説もある)。

 

宗像大社の大社餅もほとんど同じ系統の焼き餅なので、梅ヶ枝餅文化圏」が福岡の広い範囲で昔から存在していた、と考えるのが近いかもしれない。

 

タイムマシンでもない限り、元祖がどこかは今のところ不明としかいようがない(笑)。

 

さて、本題。

 

5種類の中で個人的にもっとも気に入ったのは、実は抹茶餅だった。

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抹茶の清冽な香りが濃厚なつぶあんに絶妙に合っていると思う。

 

ふっくらと炊かれたつぶあん塩気もほんのりと来る。

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気になって、宮地館に電話取材したら、抹茶は上質の八女茶(やめちゃ)を使っています」とか。福岡の銘茶。

 

風味がきれいなはずだよ。

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つぶあんのこだわりも添加物ゼロの自家製で、北海道十勝産小豆を使用し、砂糖は上白糖。創業当時からの製法を継承しているとか。

 

とろみと柔らかなつぶつぶ感。

 

八女抹茶餅のさわやかなパリパリ感と中のもちもち感が昔ながらのあんこの素朴を引き立てている、そんな感じかな。

 

【本日のサブ】

・ごま餅

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〈寸評〉黒ゴマが表面をびっしりと覆っていて、これがゴマ好きにはたまらない。中のつぶあんは5種類とも同じだが、焼かれた黒ゴマの風味が全体を覆っている。つぶあんがやや甘めに感じた。

 

よもぎ

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〈寸評〉口に入れたとたん、よもぎの香りが広がる。オーブントースターで焼くことでよもぎ餅と中のつぶあんがいい具合に蕩ける。

 

・さくら餅

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〈寸評〉塩漬けした桜の葉は地場産。餅もうっすらとピンク色で、8月下旬だというのに、春の予感を漂わせる。京都は道明寺、東京は小麦粉、福岡・福津は餅粉と米粉つぶあんとの相性も悪くない。

 

【本日のお取り寄せ】

今回は楽天市場から注文しました。

5種類10個入り   2600円(送料込み)

 

「宮地館」

所在地 福岡・福津市宮司元町2-1

 

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驚きの創作羊羹「りぶれ」か「頂」か

 

編集長「東北に行く予定が緊急事態宣言延長で足止め食らっちゃったよ。地方から見れば首都圏はコロナ密集地帯だからね。でも、お取り寄せという手がある(笑)」

 

あん子「もったいぶっちゃって(笑)。山形の『乃し梅本舗 佐藤屋』の不思議系羊羹でしょ? 情報が遅すぎるわよ」

 

編集長「バレたか。以前、会津若松の老舗「長門屋」の『羊羹ファンタジア』を取り上げたけど、あまりに斬新で、驚いた。今回もうわさには聞いていたけど、江戸文政年間創業の老舗が伝統を守りつつ、とんでもない羊羹を作っていたんだね。みちのく老舗の底力を感じさせられるよ」

 

あん子「京都好きの編集長も驚いた(笑)。羊羹というより洋羹って感じね。洋の字が違う、和洋折衷の傑作かもね。和菓子だけの発想を超えてる」

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編集長8代目が面白い職人さんで、ちょっとびっくりさせることが好きらしいよ。洋酒入りの黒糖羊羹とはちみつ漬けのレモンを閉じ込めた錦玉羹(きんぎょくかん)を2層仕立てにするとはね。その名も『りぶれ』スペイン語で自由という意味だよ」

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あん子「7年くらい前に日本橋三越『全国銘菓展』でデビューしたんでしょ? メディアでもちょっとした注目を集めて、東北に佐藤屋あり、ってなったのよね」

 

編集長「よく勉強したね(笑)。でも私が気に入ったのはそれよりも『頂(いただき)』の方だよ。白あんをベースにした淡いブルーと道明寺粉の白がきれい。淡白で上品な創作ようかんなんだよ。こっちをセンターにしたい」

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あん子「また対決にしたいんでしょ? 大人の濃密すぎる味vs淡白できれいな味。創作ようかん対決ってわけね」

 

【本日のセンター】

〈青コーナー〉

新選組か山形カラーか?空色の創作ようかん

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1本税込み1000円。宅配便で届いた翌日に開けてみたら、きれいな紙箱から美しい2層羊羹が現れた。おおって感じ。

 

青というより空色。それに白い雲を表す白。山形の山々をイメージしているようだ。

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1本のサイズは約150ミリ×35ミリ×35ミリ。重量は約230グラム。

 

8代目が熱烈なモンテディオ山形のサポーターで、そのチームカラー青のイメージもあるとか。遊び心がおもろ

 

北海道産白いんげんをベースに青く着色している。

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包丁で切ると、その美しさは目でも楽しむ和菓子の伝統を受け継いでいるのがわかる。

 

食感は白練り羊羹そのもので、むしろ淡白な味わい。

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ほのかに柚子(ゆず)の香りもする。

 

上段の白は地場の道明寺粉を蒸し上げたもので、雑味のない餅粉の香りが空色の羊羹とよく合っている。

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余韻がきれいでなぜか心まで洗われるよう。

 

職人のレベルの高さがわかる一品。

 

ちなみに見出しの新選組うんぬんは正しくはない。色と模様が少し似ていただけ。ついちょっと遊んでしまった。

 

〈赤コーナー〉

山形というよりアルゼンチン? あまりに官能的な創作ようかん

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「りぶれ」は1本税込み1200円。今回のお取り寄せはこの「りぶれ」と「頂」、それに「いしずえ」(3個入り 同1000円)の3品。

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どう見ても主役は「りぶれ」で、一番大きい。

 

サイズは約163ミリ×80ミリ×35ミリ。重量は約500グラム。

 

何も知らなければ驚きはこれが一番だと思う。

 

凝った紙箱を紐解くと、中から真っ黒い黒糖羊羹が現れた。

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説明書を読んで、上下をひっくり返してみると、これがびっくり。

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琥珀色(こはくいろ)の錦玉羹(寒天と砂糖を煮詰めたもの)になっていて、蜜漬けのレモン(輪切り)が閉じ込められていた。

 

やっぱりすごいね。まさに琥珀だよ。

 

黒糖とラム酒、それにレモンの濃厚な香りが鼻腔にズカズカ侵入してくる。

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創作ようかんだが、山形というよりもアルゼンチンタンゴの濃密な、ある種官能的な夜の世界が脳裏に浮かんだ。

 

これは好き嫌いがあるかもしれない。

 

滲み出ている蜜が手にべたべたするのが少々やっかい。

 

だが、切り分けて口に運ぶと、その大人の濃密さがたまらない。

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黒糖とラム酒、レモンの酸味と苦み。

 

抹茶やコーヒーにも合いそうだが、白ワインやウイスキーにも合いそうだ。

 

8代目の「和菓子をちょっと自由に」というキャッチフレーズがなるほどと思えてくる。

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8代目は京都の老舗和菓子屋で5年間ほど修業している。

 

それも職人修業よりも配達(営業)で京都の和菓子文化を血肉化していったようだ。

 

実家に戻り、そこから凄腕の職人さんに囲まれ、切磋琢磨し、今では和菓子職人としての腕はもちろん、イデアマンとしても注目を浴びる存在になっている。

 

「佐藤屋」は洋菓子にも力を注ぎ、垣根を超えた新しい和スイーツづくりにも取り組んでいるようだ。

 

とはいえ、山形の伝統菓子「のし梅」や基本の饅頭類も守り続けている。そこが素晴らしい。

 

創作ようかんも含めて、コスパもとてもいい。京都もいいが東北もあなどれないと思わせられる。

 

〈おまけ〉 「いしずえ」(3個入り 同1000円)。黒糖羊羹の上に蜜漬けしたいちじくを乗せたもの。驚きはないが、日本茶やコーヒーに合うと思う。

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・本日のお取り寄せ

直接電話で注文しました。

りぶれ   税込み 1200円

頂(いただき)   1000円

いしずえ      1000円

合計        3200円

        (送料は別途)

 

「乃し梅本舗 佐藤屋本店」

所在地 山形・山形市十日町3-10-36

 

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