週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

超絶あんドーナツと栗大福😍秋田あんこ旅編

 

北のあんこ旅で美人の産出県・秋田へ。

 

目的は美人ではなく「三松堂」(さんしょうどう)。

 

大正13年(1924年)創業の地元では有名な百年老舗の和菓子屋さん。

いぶし銀の店構えにあんココロがときめいた。

 

レトロな一軒家の、ガラスの引き戸に墨文字で「水ようかん」とか「麩まんじゅう」などと大書されていた。うーん凄いね。

 

あまりにシンプルな、歴史だけではなくアート感さえ感じる。

 

店内に足を踏み入れると、木製の渋いショーケースが出迎えてくれる。

餅菓子や季節の上生菓子など、これは・・・。

 

かなりの手練れ職人の気配を感じた。

 

★ゲットしたキラ星

あんドーナツ184円

栗饅頭 205円

栗大福 324円

塩豆大福280円

きんつば238円

栗饅頭 205円

 ※すべて税込み価格です。

 

【センターは】

あんドーナツ:生地とこしあん頂上の合体

ひと目でこれは本物と直感した。

 

ほどよい大きさの俵型で、表面には砂糖(グラニュー糖?)がたっぷりまぶしてある。揚げ色の深さにそそられてしまった。

いい立ち姿の4代目に話を聞くと、さり気なく「東京の一幸庵でも修業しました」とか。

 

一幸庵だって? 文京区小石川にある和菓子界の頂上の一角に位置する一軒。

 

厳しい修業でも知られる上菓子屋だが、なるほど店構えから店内の造りもその一言で納得がいった(気がした)。

その和菓子職人がつくるあんドーナツ。面白い取り合わせ。

 

🧐実食タイム

あんドーナツは手で食べるに限る。

 

固すぎず柔らかすぎず。手で割ると、上質な素朴が伝わってきた。

中はこしあん(自家製)で明るい色。その量。

 

がぶりと行くと、絶妙な歯触りと小麦粉と卵黄(?)のきれいな風味がわっと広がった。

 

口の中で崩れる瓦解感が素晴らしい。

 

甘過ぎないこしあんがそれに絡み、口の中で1+1=3の世界をつくるよう。

塩気がほんのり伴走する。

 

私がこれまで食べたあんドーナツの中でもこれはトップクラス、と一人合点。いい時間が流れる。

 

【サイドは?】

きんつば:ひと味違う深い味わい

角型のきんつばだが、これも見た瞬間、あんココロがギュッとつかまれてしまった。

 

薄いしっとりとした皮生地から見えるあんこが「おいで」した気がした(そんなはずはない)。

 

歯がすっと入る。小豆が柔らかい風味を吹き上げて来た。

塩気が絶妙で、この食感はそう出るものではないと思う。

 

小豆は大粒なとよみ大納言で、形がしっかりあるのに実に柔らかい。

 

これも素朴な上質と表現したくなる。

 

★あんヒストリー

創業は大正13年(1924年)。現在4代目。店のルーツは山形。初代は山形から東京の煎餅の老舗で修業。その後、秋田で煎餅店(関西風小麦粉煎餅)として出発している。「もともとは煎餅屋でした」とか。店内には今も代々続く煎餅が並んでいる。ルーツを守りつつ新しい和菓子屋のあり方を模索しているようだ。4代目は京菓子の名店「一幸庵」(東京・小石川)で修業後に弘前の老舗「寿々炉(すずろ)で修業、実家を継いでいる。

塩豆大福:餅の柔らかさとつぶあんの上質

シャレた包み紙を取ると、見るからに柔らかそうな餅と赤えんどう豆(塩豆)がうっすら餅粉を纏ってこれも「おいで」した(そんなはずはない)。

手で持つと驚くほど柔らかい。

中は上質なつぶあんで、ほどよい羽衣のような感触(わかりにくい)。口の中でとろけるように混じりあい、すーっと消えていく。余韻がとてもいい(季節限定)。

 

栗大福:蜜煮栗が丸ごとと自家製こしあんの絶妙

塩豆大福とは違う餅の感触。歯切れの良さ。

 

地場産の蜜煮栗のやや固めの歯ざわりが餅との対比を絶妙につくり上げている。

甘過ぎない、栗の風味が立ち上がってくる。

 

それを上質な自家製こしあんが包み込んでいる。

 

糸を引くような塩豆大福と歯切れのいい栗大福。

 

どちらも素晴らしい大福、と余韻を楽しむ。

 

栗饅頭:丁寧な造りと上質な味わい

卵黄のテカリと深い焼き色に引き込まれそうになってしまった。

 

中は白あんで刻み栗がふんだんに練り込まれていた。

口の中でいいねっとり感がどんどん広がる感触。

 

4代目の腕と世界、確かにすごいものがある。北前船の寄港地だった秋田は侮れない。

 

「三松堂」

所在地 秋田市中通5丁目7-8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三色大福」驚きの世界😎函館あんこ編

 

意外な発見。函館には歴史のある和菓子屋、それも餅屋系が多いこと。

 

教会が多く、赤レンガ通りなどバタ臭いイメージの街だが、前回書いた「龍榮堂本店」(大正15年創業)の3代目店主と話すうちに「函館にはいい和菓子をつくる餅屋が多いこと」に目を見開かされた。

 

和菓子の主役・小豆の生産量が北海道が日本一であることもこの背景にあるかもしれない。

エリモショウズから大納言小豆まで、今や北海道は小豆の王国なのである。

 

とはいえ、ここ数年の異常気象などで生産量に変化が起きているという。

 

頭の痛い問題だが、ここはあんこの神様にお祈りするしかない。

 

という前置きはさておき。

 

今回ご紹介したい「栄餅本店」も函館あんこ界をリードする一軒。

創業が明治33年(1900年)の百年超老舗で、4代目が代々続く無添加づくりの暖簾を守っている。

 

見事な一軒家の和菓子屋さんで、「栄餅本店」の重厚な歴史を放射する看板が目に沁みる。

店内に一歩足を踏み入れると、朝ナマの餅菓子類やだんご類がキチンと並べられていた。

前々日に電話したら「朝の9時半には揃ってます」とのことだったので、一泊してその時間にたどり着いた。空気がすがすがしい。

 

★ゲットしたキラ星

 三色大福 (よもぎ、白、赤)

       各200円

 串だんご

  こしあん  160円

  ごまあん  160円

 きんつば  170円

 ※すべて税込み価格です。

 

【センターは?】

 よもぎ大福:地場のよもぎ✖地場の小豆の合体

三色大福の中で最も惹かれたのがよもぎ大福。

 

多忙のなか4代目店主が春先に自分で摘んだよもぎ(冷凍保存)を見せてくれた。

春の薫りが私の鼻先までふわりと来た。

 

自分で摘む・・・なかなかできることではない。

 

「もともとが餅屋」とおっしゃるだけあって、杵つき餅の質がピュアでしっかりと伸びる。

柔らかすぎず固すぎず。絶妙な穏やかさ(と表現するしかない)。

 

岩手・紫波産ヒメノモチを使用、それに地場産のよもぎが濃厚にブレンドされていいる。

中のあんこ(自家製つぶあん)も秀逸な味わいで、北海道産エリモジョウズを自家炊きし、上白糖で丁寧に仕上げている。

北の函館ならではの濃厚で深いよもぎ餅の風味とつぶあんの合体。

 

塩味がいい具合に絡んでくる。

 

正直に言うと、まさか函館でかような上質な感動と出会えるとは思いもよらなかった(失礼)。

 

【サイドは?】

豆大福(赤):青豆の風味と餅の伸び+つぶあん

この店の大福は形が楕円で、一見そっけなく見えるが、ひと口でその深い味わいに驚かされる。次第に虜になる、と思う(私がそうだった)。

 

魔除けの色・赤い餅の中に青豆が練り込まれていて、それがいいアクセントになっている。

 

実食したのはホテルに戻ってから午後6時から。

無添加づくりなので今日中に食べなければならない。

 

手で千切ろうとすると、伸びが凄い。

中にたっぷり詰まったつぶあんが柔らかい悲鳴を上げる(そんな感じ)。

 

雑味のない、柔らかな美味さ。

 

青豆の豆大福は新潟などにも多いが、ひょっとしてここはその系譜かもしれない。

 

🧐あんヒストリー

明治33年創業の老舗餅屋さんだが、4代目店主は「函館は餅屋が多く、昔はもっと多かった」と話す。和菓子専門学校を卒業した後、札幌の老舗和菓子店で職人修業。その後、実家を継いでいる。無添加手づくりにこだわり、和菓子の歴史についても一家言を持つ。店の奥にガラス張りの広い作業場があり、道具類がぴかぴかに光っている。丁寧さが伝わってくる光景で、完璧主義者のよう。素晴らしいこと。

 

きんつば:昔の形(円形)の秀逸な味わい

 

だんごも素晴らしかったが、私のあんココロをとらえたのはきんつば。

 

京都⇒江戸の鍔形きんつばで、東京・日本橋「榮太樓総本舗」の名代きんつばを思わせる、昔のままのいぶし銀スタイルに引き込まれてしまった。

 

小さいが手で触るともっちり感が伝わって来る。

小麦粉ベースの生地が膜のように薄い。

 

何より中のあんこが素朴に美味い。素朴な洗練。

 

ほんのり塩気。思わず「うめえー」が出かかる。

よく見ると、小豆とこしあんを丁寧にブレンドしているよう。

 

地味だがいい仕事をしているのがわかる。

 

函館の和菓子屋さん、全国区ではないが、全国区を凌駕しいているかもしれない。

 

「栄餅本店」

所在地 函館市栄町5-13

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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老舗の独創「はこだて大納言」😎👟北のあんこ旅編

 

長い間、諸事情で行けなかった北海道へ。

 

土方歳三最期の地、函館に上陸。昔見た洋装のダンディーな写真がずっと頭から離れないので、北のあんこ旅の最初の地はここにした。

五稜郭タワーから眺める函館の街は祖先が會津藩士だった私の目にはどこか切ないものがある。

勝てば官軍という言葉が今も残っている。

 

インチキの錦の御旗に正統などあるものか。理屈は後からついてくる。

 

という前置きはいったん置いといて。

 

最初の驚き。「洋」が似合う函館には、実は百年越えのいい「和」菓子屋が多いこと。

 

それも餅菓子屋の街でもあること。

 

いぶし銀の店構えが見えてきた。

「龍榮堂」(りゅうえいどう)の屋号が歴史の風雪を感じさせる。

 

最初の一歩はこの稀有な和菓子屋さん。

 

★ゲットしたキラ星

はこだて大納言

  6個入り 2100円

草串だんご 1本180円

ユーピン(月餅)240円

林檎サンド   240円

中花饅頭    280円

 ※すべて税込み価格です。

 

【センターは?】

はこだて大納言:手の込み方に脱帽、大納言小豆の変身

前回の週刊あんこでチラ見せしたのが、この「はこだて大納言」の製造段階の写真です。3代目が特別に見せてくれたもの。

つややかで見事な大納言小豆だが、使っている小豆は北海道産「とよみ大納言」。大きくて鮮やかな色味の小豆で、煮崩れしにくく、柔らかな風味が特徴。

 

3代目によると、炊き上げてから4日間白ザラメの糖蜜に漬け、さらに信州産棒寒天と合わせて練り上げ・・・秘伝の手順で仕上げるまでに合計6日間ほどかかかるそう。

 

それがこれ。

形は違うが、糖化した表面のひびがどこか小城羊羹のようでもある。

 

そそられる。

 

😋実食タイム

まず歯ざわり。ザクっとした乾いた歯ざわりがすぐに甘納豆の層にたどり着く。

小豆羊羹の風味と食感。

 

小豆好きにはたまらないな。

中心部には柔らかな求肥餅が隠れていて、「ここまでようこそ!」と話しかけてくる(そんな感覚です)。

甘過ぎない、上質な素朴。立ち上がる小豆の風味。

 

この店のオリジナルで「先代がつくり上げたもの」を3代目がさらに磨きをかけている。手間暇の掛け方が半端ない。

 

【サイドは?】

草串だんご:地場のよもぎ✖つぶあんの風味が凄い

よもぎだんご好きの私にとってこれは一つの事件。

 

この時期に北の函館で出会えるとは夢にも思っていなかった。

 

よもぎは函館周辺で摘んだものを保存しておき、それを使用している。

なので、風味がワンランク上質。

 

2玉の串だんごで、よもぎ餅は柔らかく、中にぎっしりと詰まったつぶあん(エリモショウズ✖白ザラメ)が口中で合体し、融けあい、いい余韻を残してスッと消えていく。

 

うめえ~、っと言葉が漏れる。

 

🧐あんヒストリー

創業は大正15年(1926年)。百年老舗で、現在3代目。東京・赤坂の老舗和菓子で修業後、実家の龍榮堂本店を継いでいる。函館周辺の素材にこだわり、伝統と創作、二つの融合を模索し続けている。お女将さんと二人三脚で函館和菓子界を盛り上げている。函館駅を焼き印にしたどら焼きのような「中花饅頭」もおすすめ。

 

ユーピン(月餅):初代から続く不思議な焼き菓子

3代目によると、初代は中華好きだったとか。台湾の有名書家の額が飾ってあり、この菓子にもそのパッケージが使われている。

 

歴史を感じる渋好みの焼き菓子で、中国の月餅とよく似てるが、どこか初代の想いが沁み込んでいるよう。

生地は香ばしく、中はこしあん(自家製)。よく見ると、クルミとレーズンが入っている。

なので、深みのある舌ざわりがとてもいい。

 

函館経由の月餅の極上の美味さ。

 

林檎サンド:3代目のオリジナル菓子

函館に隣接する七飯町は日本で最初に西洋りんごを栽培した町で、りんごの産地として知られている。

 

3代目はこの七飯りんごを使って、フランス菓子のようなブッセをつくった。

カステラ状のふわふわ生地でりんご餡(白あん✖蜜煮りんご)をサンドしたもの。

 

和洋の合体だが、これが思ったよりも滋味深く美味しい。

 

女性にも人気で、個人的にはコーヒーによく合うと思う。

 

「龍榮堂本店」

所在地 函館市上新川町6-7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北海道⇒南下😎👟あんこ小旅へ

 

あんこバカのWEB版「週刊あんこ」をスタートしてからもうすぐ10年になる。

 

おかげさまでアクセス数は累計160万を突破しそうです。Xも驀進中。

 

餡ハッピーとUNハッピーのジェットコースターてか?

 

財布も肉体もだいぶ傷んできた(ウソだ?)。

 

真ん中に位置するあんココロがギブアップする前に北を目指してリフレッシュのあんこ旅に出かけることに致しました(ぜいたく過ぎる?)。

そこから南下の予定ですが、果たしてどうなるか。

 

約1週間お休みのお詫びと感謝を込めて(お詫びって変だろ?)。

 

🙇‍♂️付記:写真は函館の老舗和菓子店「龍栄堂本店」(大正15年創業)で見せていただいた仕上げ直前の艶やかな大納言小豆。なかなか見れない濡れ甘納豆状態。これもあんこ旅の醍醐味。完成した稀少な和菓子は後日お見せいたします。3代目店主のご厚意に深く御礼申し上げます。

 

東京⇒桐生極上甘納豆の遺伝子😎こだわりのリレー編

 

本格的な甘納豆専門店が希少になりつつある。

 

つくるのに手間と時間がかかる上に素材の豆(小豆、金時豆、うぐいす豆、そら豆など国産素材)が天候などに左右され、調達が難しくなってきていることなどが原因のようだ。

 

私自身、本物の甘納豆の美味さにハマっていた時期もあるが、店舗数が少ないことなどもあり、ここ数年は遠ざかっていた。

だが、相方のルーツ桐生で久しぶりにあんココロがときめく甘納豆専門店に出会った。

 

渋めの古い店構え。老舗のオーラ。

 

その名も「甘納豆の桐生堂」。

今では往時の賑わいがフェードアウトしてしまったような桐生の裏通り。

 

かつては「西の西陣東の桐生」と謳われた織物の街だが、あんブラすると、いい和菓子屋が隠れるように存在していることに気づく。

 

桐生堂もその一つ。

 

いい甘納豆職人がいる気配。

 

タイムトンネル(?)をくぐる。

 

★ゲットした甘納豆

 大粒小豆 400円

 うずら(金時)400円

 お多福  400円

 うぐいす 400円

 ※すべて小袋で税込みです。

 

【センターは?】

大粒小豆:歯触りと風味の広がりが極上

「大納言小豆」と称しないで「小豆」とだけ表記してあるが、素材選びと手づくりへのこだわり方が凄いことが店主のさり気ない話から伝わってくる。

 

十勝産の大粒小豆を使用、それを丁寧に選び、炊き⇒煮詰めを何度も何度も繰り返す。

 

砂糖はグラニュー糖が一番、とおっしゃる。

 

約4日間もかけてじっくりと繰り返し煮詰め「ようやく出来上がります」。

その日の気温や小豆の状態などで煮詰める時間なども変わってくるとか。

 

表面ににじみ出ている砂糖の結晶が鈍い光を放つよう。

 

木匙に乗せてからいただく。

 

驚くほど歯がすっと入る。小豆のいい風味がしっとりと立ち上がってくる。

 

これはすごい、とため息が出かかる。

小さな小豆の魅力をここまで閉じ込め、引き出している甘納豆はそうはないと思う。

 

この店主、ただ者ではない。

 

🧐あんヒストリー

創業は昭和61年(1986年)。甘納豆の名店・東京赤坂「雪華堂」(2023年5月閉店)で長年修業し、故郷の桐生で開業した。甘納豆は季節のものも含めてバラエティーに富んでいる。大栗の甘納豆などもファンが多い。店の中央の木製の見事な商品棚は赤坂「雪華堂」創業家から譲り受けたもの。信頼の厚さを物語っている。

syukan-anko.hatenablog.jp

【サイドは?】

お多福:柔らかな食感が心にまで届く

蜜がギリギリのところでにじみ出そうな、黒光りしたお多福。

 

一個がデカい。

 

ひと目でこれが本物だとわかる。

お多福好きの私にとってはうれしすぎる出会い。

 

これも歯がすっと入る。同時にしっとり感がくる。

 

柔らかな凝縮が半端ない。

この店のポリシーはすべて無添加手づくり。

 

甘過ぎない、上質なねっとり感と奥から来るそら豆の芳醇な風味。

 

技術の確かさに正座して合掌したくなる(ホントです)。

 

うぐいす:柔らかすぎず固すぎずの凝縮

素材の青えんどう豆は天候などで上物の国産が手に入りにくくなり、あれこれ試行錯誤して現在はイギリス産を使っているそう。

 

見た目の緑色が美しい。

 

食感がシンプルで奥深い。

 

最初固いかな、と思ったが歯の入り方が絶妙。

サクッとした食感で、3個4個と食べるうちにこれが絶妙な固さだとわかってくる。

 

柔らかな固さ、と表現したくなる。いいしっとり度も十分に伝わってくる。

くどすぎない、きれいな味わいで、気が付くとそれが10個、20個と消えていく。

 

シンプルな、手が止まらなくなる美味さ。

 

うずら(金時):レベルが違う柔らかな煮詰め方

これもプロフェッショナルと言いたくなる絶妙な食感。

 

ふっくらとやわらかな蜜の凝縮感。

 

スーパーなどで売られているうずらとは一線を画す(スーパーのうずらも好きだが)。

4日間じっくりと煮詰めている、その仕上がり方が口に入れて噛んだ瞬間に否応なくわからされる。

 

絶妙としか言いようのないほどよい甘さ。

 

桐生でまさかの出会い、とあんこの神様に感謝したくなった。

 

「甘納豆の桐生堂」

所在地 桐生市東1丁目10-39

 

syukan-anko.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアな笹巻道明寺と豆大福😎信州・須坂編②

「小さな町ですけど、いい和菓子屋さんがとっても多いんですよ」

 

長野県北東部に位置する歴史のある町・須坂市の観光協会に事前取材したら、明るい女性の声でそんな話が出てきた。

 

胸の中の好奇心が小さくキンコンカン、これは行かずばなるまい。

その一つが「玉林餅店」(たまばやしもちてん)だった。

 

「笹巻道明寺という珍しい餅菓子があります。ぜひ食べてみてください」(観光協会)

 

翌々日、タイムスリップしたようなレトロな蔵の街並みの入り口にある観光協会で、さらに詳しい情報を確認した。

 

足を運ぶ。セピア色の、そう大きくない簡素な店構え。

いい和菓子職人がいる気配。

 

★ゲットしたキラ星

 笹巻道明寺 180円

 豆大福   180円

 こしあん大福180円

 わらび饅頭 250円

  ※すべて税込み価格です。

【センターは?】

笹巻道明寺:笹の香りとつぶあん道明寺

 

朝生菓子なので、「できれば今日中に食べてくださいね」と店の若い女将さん。

 

ごらんの通り新鮮な笹でくるりと巻かれていた。

笹を取ると、道明寺というより餅米(安曇野産)を蒸かしたそのままの粒々から新鮮な香りが立ち上がってくる。つややかな餅米。

表面にくるみ(地場産)がひとかけらちょこんと乗っかっている。

 

笹巻道明寺は他の地域でも食べたことがあるが、こういう形は初めて。

中は自家製つぶあん(北海道産小豆×ザラメ)で、柔らかく炊かれている。

 

藤紫色の上質なあんこ。たっぷり感。

 

口に運ぶと、道明寺とつぶあんが笹の香りとともに口中に広がる。

新鮮で上品な味わい。

 

くるみの歯触りと風味がいいアクセントを付ける。

 

しばしの間、余韻を楽しんだ。

 

【サイドは?】

豆大福:餅屋の豆大福の凄み

店のショーケースに並べられているのを見たとき、これは「当たり!」と確信した。

 

売り切れが早いとの事前情報で、午前中早めに訪れた。

 

夕方ホテルにチェックインしてからの賞味となった。

 

餅粉のかかり方、赤えんどう豆のボコボコ感、うっすらと見えるあんこの気配・・・杵つき餅が少し固くなりかかっていたが、本物の証明でもある。

手に持つとまだ柔らかい。

 

サイズは左右約60ミリほど、厚みは約27ミリほど。

口に運ぶと、雑味のない餅の伸びやかさが伝わって来た。

 

ふっくらと炊かれた赤えんどう豆の風味と塩味がいい感じで広がる。

 

主役のつぶあんのピュアな味わい。

三拍子そろった豆大福。

 

思わず「うめ~」と言葉が漏れるほど。

 

胃袋が一つしかないのが残念。。

 

こしあん大福:上質なこしあん✖餅の至福

こちらは中がこしあん(自家製)。

 

柔らかな餅との合体がとてもいい。

塩気がほんのり遠慮がちに広がってくる。

 

雑味のない、上質な大福があっという間に胃袋へと消えた。

 

🧐あんヒストリー

創業は昭和31年(1956年)。現在3代目だが、父親である2代目も現役。もともとは餅屋さん。3代目は東京の製菓学校を卒業後、諸事情ですぐに店(実家)に入る。父子で伝統と新しい挑戦も試みている。「笹巻道明寺」は2代目が考案したもの。「わらびまんじゅう」(冷凍)は3代目が考案したようだ。無添加づくりを頑固に守り続けている。

 

わらびまんじゅう:あんことマスカルポーネの合体

わらび餅の表面には焦がしきな粉(カカオパウダーかもしれない)がかかっていて、常温で冷凍を解くと、柔らかさが伝わってくる。

菓子楊枝を入れるとスッと入る。

 

中がマスカルポーネチーズとこしあんが閉じ込められていて、和菓子というより創作菓子の小世界。

柔らかいのでスプーンで口に運ぶと、とろりとしたマスカルポーネとこしあんが和洋の繊細なマリアージュを現出してくる。

食感が1+1=3の世界で、思った以上に美味しい。

 

これは女性受けするのではないか。

 

3代目の挑戦に陰ながら拍手を送りたい。

 

「玉林餅店」(たまばやしもちてん)

所在地 長野・須坂市上中町184

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上田宿で製餡所のくるみおはぎ🧐信州あんこ旅編

 

かつて上田城の城下町として、あるいは北国街道の宿場町として大いに栄えた長野・上田。

 

城下町と宿場町。この二つが揃ったらいい和菓子屋が隠れているに違いない。

 

今回ご紹介したいのは創業120年超のあんこ専門店「名取製餡所」のおはぎです。

地場のくるみと白あんをたっぷり使ったくるみのおはぎが食べたいので、一泊して翌朝開店と同時に店に出かけた(前日午後2時過ぎに訪ねたら「すいません。売り切れまして」。目の前が真っ暗。なので一泊することにした)。

 

製餡所は歴史を感じる木造づくりの建物で、さすが百年老舗としばし見入ってしまった。

だが、販売所は宿場町の面影を残す柳町通りの一角にあるとのことで、そちらに足を延ばした。

 

どことなく茶店の簡素な造り。その落差が悪くない。

 

★ゲットしたキラ星

 おはぎ2個入り 700円

 (くるみおはぎとつぶあんおはぎ)

うちのあんバタサンド250円

十割蕎麦ようかん 1200円

  ※すべて税込み価格です。

 

【センターは?】

くるみおはぎ:地場のくるみと白あんの協奏曲

「上田名物」と銘打っているだけに期待が高まる。

 

おはぎとしては大きめのサイズで、パッケージを取った瞬間、くるみのいい香りが鼻腔に来た。

 

上田(真田)はくるみの産地でもあり、細かく砕いたくるみと白いんげん豆、よく見ると白ゴマの気配も。

それらが素朴にブレンドされていて、見た目からしてあん欲を刺激してくる。

 

くるみあんの厚みに好感。

中のもち米(こちらも上田産)は半殺しで、真ん中で割ってからがぶりと行くと、クルミのいい風味がドドドと押し寄せてきた。

 

甘じょっぱいが、この素朴な味わいは心にまで刺さる。

 

「賞味期限は本日中」なので、ゆっくり急いで、惜しむように味わう。

店主によると、主役のくるみは上田産とカリフォルニア産を使い分けているそう。

 

上田宿のくるみおはぎ、おなかの底まで染み入ってくる。

 

隠し味は醤油? それが舌に心地よい。

 

【サイドは?】

つぶあんおはぎ:製餡所の素朴なあんこ

見るからに素朴な、それでいてどこか武骨なつぶあんがびっしり。

 

むしろ黒っぽい、いい意味で太々しさも感じる(個人的な印象です)。

 

がぶりと行く。

半殺しのもち米は適度に柔らかく、それにのしかかるように重なってくるつぶあんはいい塩味があり、洗練というよりむしろ濃厚な野趣を感じる。

 

小豆は北海道産特選小豆「雅(みやび)」を使用しているとか。

 

お腹にドシリとくる、おはぎというより「ぼたもち」と呼びたくなる一品。

 

この二つで満足感に襲われてしまった。

 

●あんヒストリー

創業は明治中期。現在4代目。製餡所としてスタートし、その後おはぎや地場のそば粉を使ったユニークな「十割蕎麦羊羹」を独自に開発している。百年老舗の製餡所ながら新しい可能性にも挑んでいる。

 

うちのあんばたサンド:しっとり食パンとあんバターの合わせ技

食パン一枚を半折りにして自家製つぶあんとバターをサンドしたもの。

 

珍しくはないが、製餡所のチャレンジとしてはクールだと思う。

 

食パンのしっとりした食感とたっぷりのつぶあんとバターの合体が絶妙。

 

十割蕎麦羊羹:そば粉と水飴と寒天のマジック

こんな蕎麦羊羹は初めて。

 

小豆もあんこも使用していない。

ごらんの通り、一見こんにゃくのような容姿だが、切ると蕎麦の風味が立ち上がって来て、しかも蜜感もにじみ出ている。

 

プルンとした、さらに舌に吸い付くような食感がへえ~となるほど美味しい。

上田産蕎麦粉のいい風味が口の中にさあーっと広がる。

 

付属の韃靼(だったん)そばの実をかけて食べると、別の食感と風味が来る。

4代目が研究を重ねてつくり上げたレアな羊羹。

 

製餡所のチャレンジとしてはユニーク過ぎる、と思う。

 

「名取製餡所」

所在地 長野・上田市中央5丁目7-3