週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

「水羊羹評論家」絶賛の水ようかん

 

もうすぐ大好きな作家・向田邦子が台湾上空で亡くなって41年になる(8月22日)。

 

「水羊羹評論家」と自称するほど、水ようかん好きだった。

 

特に東京・南青山「菓匠 菊家」が御用達だった。

 

なので、今回はその水羊羹を食べることにした。猛暑の中のオマージュ。

向田邦子ファンなら有名な話だが、こだわり方が半端ではなかった。

 

エッセイ「眠る盃」のなかでこんなふうに書いている。

 

「まず水羊羹の命は切口と角」で、「宮本武蔵眠狂四郎が、スパッと水を切ったらこうもなろうかというような鋭い切口と、それこそ手の切れそうなとがった角がなくては、水ようかんと言えないのです」

表現のユニークさと鮮やかさに、今も参りました、と脱帽します。

 

という前置きで、今回、何とかゲットしてから賞味したのは次の2品です。

 

・水ようかん(ケース入り) 税込み1400円

・菊かげ最中(9個ケース入り) 同730円

 

【本日のセンター】

スパッと切れなかった絶妙な水ようかん

 

エッセイを読む限り、切口の鋭さなどから向田さんがよく買っていたのは単品の方で、買ったその日、それもなるたけ早くに食べなければいけない。

 

その理由と例え方が面白い。

 

水羊羹は江戸っ子のお金と同じで、宵越しをさせてはダメ(水気がにじみ出てしまったらいけない)

私がゲットしたのは単品ではなく、ケース入りの方。

「単品は本日中ですが、ケース入りは3日が賞味期限です」(2代目女将さん)

 

10センチ四方の透明なケース入りは人気なので早めに売り切れる。

 

「これで今日は最後なんですよ」

 

ぎりぎり最後の1ケース。幸運の女神の裾をつかんだ気分(午前11時半だった)。

 

賞味は翌日となった。

冷蔵庫で冷やしておいてから、冷たい麦茶でいただく。

 

目の前に置いた水ようかんは見事な小倉色で、向田邦子さんはうす墨色の美しさ」と表現している。

 

窓から差し込む淡い光をすっと吸い込んで閉じ込めているよう(ちょっとちょっとォ~)。

 

プラスティックのケースなので、包丁を入れる時にちょっと苦労した。

なので、宮本武蔵にも眠狂四郎にもほど遠い、下手な切り口になってしまった。

 

なまくら腕め、と自嘲したくなる。

とはいえ、よく冷えていて、菓子楊枝を入れてから、口に運ぶと、寒天以上に上質なこしあんの存在を感じた。

 

ただのなめらかさではない、小豆の粒子を感じるまったりとした、深みのある味わい。

 

甘さはかなり控えめで、どこか危うい儚さ(はかなさ)さえ感じる。

砂糖は上白糖を使用しているようだ(コクを重視?)

 

宵越しのお金というより、後朝の別れ、とも言いたくなる。

 

個人的な勝手な印象ではこしあん7:寒天3くらいかな(こしあん派には黄金比率か?)。

一般的な水ようかんよりも寒天を絶妙と表現したくなるほど抑えて使っている(?)のが素晴らしい。

 

「菓匠 菊家」の創業は昭和10年(1935年)。現在3代目。上生菓子屋さんでもある。今年になって、ビルに建て替えたが、こじんまりと清楚な雰囲気は残していて、京都の上生菓子に通じるさり気ないこだわりが隅々まで行き届いている。

すぐ近くに「青山紅屋」があるが、やはり細長いビルの最上階にこじんまりと暖簾を下げていて、渋好みにはたまらない小世界だと思う。

 

東京の小粋な和菓子屋さん。

 

食べるのが次第に惜しくなる。

 

この上質な水ようかん。手が勝手に動き始め、気が付くと、残りあとわずかになっていた。編集部のあん子に少しだけおすそ分け)。

 

ラストに向田邦子さんの小粋な文章を。

 

「水羊羹は気易くて人なつこいお菓子です。そのくせ、本当においしいのにはなかなかめぐり逢わないものです」

 

水羊羹評論家が生きていたら、今92歳。再びオマージュ。

 

思えば、ご本人のイメージも菊家の水羊羹に近い・・・かもしれない。

 

【サイドは小粒な最中】

水ようかんケースのすぐそばに置いてあったのが3センチほどの小粒な最中。その名も「菊かげ」。

これほどの小粒最中は初めて。小さいながら、どこか大物の予感

 

同じように透明なケースの入っていて、全部で9個!

注文を受けてからあんこ(こしあん)を詰めてくれる。

 

賞味期限はこちらも3日。

 

翌日、水ようかんの後に賞味。

一日経っていたので、皮のパリパリ感が少しなくなっていた(すぐに食べるべきだった)

だが、品のいい香ばしさとこしあんの美味さに「ほお~」が二度三度ポロッと自然に出てきた(ホントです)。

 

甘さがかなり抑えられていて、小豆のきれいな風味が口の中でふわふわと広がるのがわかった。3代目の腕が並ではないと思う。

こしあんにはほんの少し寒天も使っているようだが、ここまで研ぎ澄まされたこしあんにはなかなかめぐり逢わない(表現を真似てみました、失礼)。

 

〈おまけ〉編集部・あん子の感想

「水ようかんは確かにとってもおいしい。でも、私はこの小さな最中の方に1票かな。次回は上生菓子もお願いします」

 

「菓匠 菊家」

所在地 東京・港区南青山5-13-2菊家ビル9F

最寄り駅 東京メトロ表参道駅から歩約3分

 

                 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群林堂のいぶし銀「くず桜」の存在力

 

東京・護国寺群林堂と言えば、東京三大豆大福(誰が命名したかは不明)の一つに数えられる豆大福の名店だが、炎天下、久しぶりに足を運んだ。

 

で、ゲットしたのが「大目玉」の豆大福とかのこ、それに季節限定の「くず桜」

いつも大行列なのに、午前中(10時半)だったせいか、お客は4~5人(ほとんど女性だった)。思わずラッキー、と小躍りしたくなった。

東京三大豆大福の中でも群林堂が一番好き」という声が意外に多い。残りの二つは泉岳寺「松島屋」、原宿「瑞穂(みずほ)」、ズルい言い方になるかもしれないが、私的にはどれも好きとしか言いようがない(ホントです)。

 

外見的に一番個性的なのは、この群林堂だと思う。

北海道富良野産赤えんどう豆がぼこぼこ。私が知ってる豆大福の中では圧倒的なぼこぼこ感(30粒はある?)で、たっぷりとかかった餅粉とともに、いつ見ても「参りました」と平伏したくなる。

 

今回ラッキーだったのは、いつもなら売り切れているこの店の準主役「かのこ」がゲットできたこと。

 

さらに季節限定の「くず桜」まで。

 

・ゲットしたキラ星

 豆大福 3個(税込み210円×3個)

 かのこ 1個(同 220円)

 くず桜 1個(同 220円)

 

【今回のセンターはくず桜】

豆大福はあまりにも有名なので、たまたま出会った「くず桜」をセンターに選んでみた。

中の自家製こしあんが素朴な洗練とでも言いたくなる、ほどよい甘さの、まったりとしたこしあんで、小豆本来の力と旨味を閉じ込めたような、ややざらっとした舌触り。

「小豆は北海道十勝産です。東京はやっぱり北海道産ですよ」(2代目)

 

餡づくりは十勝産えりも小豆と大納言小豆を使用、砂糖は上白糖で仕上げているようだ。

冷蔵庫で1時間ほど冷やしたので、透明感のある葛餅の柔らかな冷たさが、素朴なこしあんと絶妙な相性を作っている。

 

葛粉は吉野本葛を使用している(2代目)。こだわりもいぶし銀。

 

群林堂の創業は大正5年(1916年)。

 

2代目と3代目(息子さん?)の生菓子職人としての誠実さが伝わってくるよう。

 

小さくまとまっていない、手の匂いのするくず桜。

桜の葉の香りもほんのり。たまらない。

 

氷を入れた麦茶でいただく。

 

蝉の声が聞こえてきそう(実際はムクドリだが)。

 

まさか群林堂のくず桜を食べれるなんて。

 

【サイドは豆大福とかのこ】

・豆大福

豆大福をサイドにしてしまったが、いつもながら黒々とした赤えんどう豆の量に圧倒される。

餅の柔らかさがすごい。(多分、朝搗き)

 

むろん添加物不使用。

 

賞味期限は「本日中」だが、買ってから約6時間後なのに、すでに表面が硬くなりかかっていた。忘れていた驚き。

「朝ナマ」指数が三大豆大福の中では一番高いかもしれない。

 

中のあんこは丁寧なつぶしあんで、やや赤みのある濃い小倉色。それがぎっしり。

ひょっとして渋切りをしていないのでは?と思えるような、じっくりと炊いたあまりに素朴なあんこで、いわゆる洗練されたあんこではない。

 

それが塩気のある硬めの赤えんどう豆の風味と混じり合う。

餅の柔らかな美味さ。

 

「これってどこか田舎っぽい、けれども江戸時代から続く、大いなる田舎、東京の王道の豆大福かもしれない」と三歩下がって、感嘆したくなってしまった。

 

・かのこ

このかのこのお姿にも驚かされる。

蜜煮した大納言小豆(北海道十勝産)がびっしり。一般的には表面を透明な寒天の膜が覆っているのだが、それがない。

 

しかも大きい。豆大福も大きいが、かのこも大きい。

中はこしあんで、くず桜と同じ。

 

大納言小豆はしっかりとした歯ごたえがあり、中の素朴なこしあんとともに口の中で小爆発するよう(表現がどうかな?)。

塩気もしっかりあり、印象としては鹿の子の大親って感じ。

 

群林堂は初代からの味をずっと守り続け、すぐ近くには「講談社」がある。

 

なので、作家への手土産としても重宝され、松本清張がこの豆大福の大ファンだったようだ。三島由紀夫吉川英治もファンだったという話も伝わっているが、もっと多くの作家が愛したと思う。

 

だが、何だか松本清張が一番ピンとくる・・・敬意。

 

群林堂

所在地 東京・文京区音羽2-1-2

最寄り駅 東京メトロ有楽町線護国寺駅から歩2~3分ほど

 

               

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの新宿「時屋」の「冷やししるこ」

😋第1ラウンド

 

新宿「時屋(ときや)」といえば、ドラえもんを生んだ藤子不二雄が愛したどら焼き屋兼甘味喫茶。

 

どら焼き好きにとっては避けては通れない場所でもある。

 

あまりに暑かったので、久しぶりにここでオアシスすることにした。

小豆色の日除けのれんが相変わらずいいね。

戦後の新宿の面影を残すレトロモダンな店内(当時のモノクロ写真がクール)。モダンジャズが流れ、つい新宿の歴史の一部が頭をよぎる。

下積み時代から藤子・F・不二雄がこの店のどら焼きが大好物で、「ドラえもん」はここから生まれたという説もあるほど。

 

私は「おばQ」よりもドラえもんファンなので、ここに来ると、大山のぶ代さんの声とともにドラえもんがひょっこり現れそうな気がする。

 

メニューの中から「冷やししるこ」(税込み710円)を頼む。

角盆に乗って、ガラスの器にたっぷりと広がる「冷やししるこ」。

いい小豆色(こしあん。小さな白玉が10個浮いている。

 

熱い緑茶と箸休めの柴漬け。

 

スプーンですくって、口に運ぶ。

とろりとしたこしあんは甘さがほどよい。

 

多分小豆は北海道産だと思うが、店のスタッフに聞くと「あんこは自家製です。その時々でいい小豆を使っていると聞いてますが、詳しいことはここではわかりません」。

 

どこでもドアで仕事場に行きたいところだが、そうもいかないのが残念(当たり前だよ)。

ほんのりと塩気があるこしあんの冷製おしるこで、その冷たさが舌先にまったりと絡みつくよう。

 

小豆の「呉(ご)=中身」をストレートに感じる。

 

小豆のでんぷん質がとろみを幾分強めにしている?

 

白玉は小さいが、もちもちしていて、それがいいアクセントになっている。

 

熱い緑茶と細かく刻んだ柴漬けも気が利いている。

創業は昭和23年(1948年)。小田急百貨店の開業と同時にここでどら焼きの販売も始めている。

 

戦後の一つの夢が「時屋」のあんこの中にぎゅっと詰まっている、そう思うと、どら焼きも手土産にしたくなった。心ウキウキ。

 

😋第2ラウンド

 

【どら焼き2種類ゲット】

・中どら焼き(税込み300円)

・栗中どら(同 330円)

〈中どら焼き試食〉

どら焼きは小・中・大・特大の4種類。

 

今回ゲットしたのは定番の「中どら焼き」(直径約110ミリ×厚さ約30ミリ)。重さは149グラムほど。上野うさぎやのどら焼きよりも一回り以上はデカい。

中サイズでこの大きさ、特大に至っては直径が25センチ、重量は1.3キロ。予約しないと買えないようだ。

「時屋」の焼き印。どら皮はしっかりした王道のスポンジで、濃いめの焼き色。卵黄の香り。

中のあんこは小倉餡。蜜煮した大納言小豆とつぶしあんをブレンドしたような作りで、量もたっぷり詰まっている。

やや甘めに炊かれている。

 

大納言小豆(北海道産?)の粒々感が舌に心地よい。

 

〈栗中どら試食〉

栗入りのどら焼きは中のサイズのみ、というのが渋い。

 

重さが中どらやきよりも少し重く、167グラムほど。

栗は2個。お月様が少し離れて二つって感じ。

 

いい硬さに蜜煮されている。

 

それがいいアクセントになっていて、濃厚なあんこをいい意味で引き立てている。

個人的にはこちらの方が好みかな。

 

藤子・F・不二雄を想いながら、冷たい麦茶で彼が愛したどら焼きを2種味わう。

 

どこでもドアもタケコプターも今は要らない。

 

このどら焼き2個で十分。さすがに夕飯抜きかも。

 

「甘味喫茶 時屋」

所在地 東京・新宿区西新宿1-5-1小田急ハルク1F

最寄り駅 JR新宿駅からすぐ

 

               



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大谷とあんこタイム🤩岩谷堂羊羹を味わう

 

本日は大谷翔平スペシャル版、と行きたい。

 

きのうは2度目のオールスター出場で、カーショーから初ヒットを放ち、1塁でけん制球に刺されるなど、スーパースターを超えるメガスターアストロズ・ベイカー監督談)として、ひときわ輝いていた。

 

その大谷翔平を生んだ、岩手・奥州市から、今回お取り寄せしたのが江戸時代から続く岩谷堂羊羹(いわやどうようかん)

回進堂(かいしんどう)の逸品。

 

羊羹好きにとっては、一目置きたくなる全国レベルのスグレモノだと思う。

 

伊達藩の城下町だった岩谷堂で延宝年間(1637~81年)に和菓子屋として創業。昭和27年、10代目のときに岩谷堂羊羹を目玉商品の一つにしている。

 

現在12代目だが、株式会社回進堂と組織変更してからは3代目社長として辣腕をふるっているようだ。

江戸時代初期創業というのも凄い歴史だが、令和のスーパースター大谷翔平を生み出した土地、というのもこの地に何か特別なパワーを感じる(佐々木朗希も出身地が近い)。

 

たまたまとは思えない、宮沢賢治花巻市)もこのエリアの傑物。

 

スケールの大きさが日本という枠組みを超えている、と考えたくなる。

 

で、本題。その流れで見ると、あんこ界のスターの一つが岩谷堂羊羹だ、と言えると思う。

 

・今週のキラ星は?

 お取り寄せした回進堂「岩谷堂羊羹」3種類

 ①本煉1棹:255グラム 540円(税込み)

 ②くるみ1棹:255グラム540円(同)

 ③ごま1棹:255グラム 540円(同)

  ※送料は別途

 

【本日のセンター】

黒ごまの風味がセンターオーバーだった

 

お取り寄せした3種類の岩谷堂羊羹はそれぞれが高レベルな、職人の熟練の手の匂いがする羊羹だが、個人的に「これは凄いなあ、好みだ」と思ったのが「ごま」だった。

くるみ同様に珍しさもあるが、本格的な羊羹で、ベースのあんこは国産の手亡豆(てぼうまめ)を使い、黒ごまペーストが練り込まれている。

真っ黒い、漆黒の羊羹!

 

黒文字で口に運んだ瞬間、黒ごまの穏やかな風味が、やや固めの、ねっとりした歯ごたえの中から、すっくと立ち上がってくる。そんな感じ。

甘さが控えめで、それがこの店の伝統を感じさせる。

 

素朴な洗練、という領域もある。

 

1棹の長さは約180ミリほど。

 

岩谷堂羊羹の定番は本煉(岩手大納言小豆などを使用)と黒煉(波照間産黒糖を使用)だと思うが、今回はレアなこの黒ごまをセンターに選んだ。

たまたま電話口にお出になった3代目社長が、羊羹界の大谷、いやその師匠格イチローみたいなお方で、素材へのこだわり方、製法の突き詰め方など、すべてがあんこへの情熱に裏打ちされている印象だった。

美味いはずだよ。

 

大谷翔平がこの回進堂「りんごゼリー」が好物だったというニュースを思い出した。

 

羊羹についてはどうか?

 

大谷家が馴染んだ味だということは分かったが、翔平クンが好きだったという裏は取れなかった(残念)。

 

リトルリーグのころから羊羹よりりんごゼリーだった、これは確かのようだ。

 

【セカンドは?】

・本煉(ほんねり) ベージュの包み紙を解くと、経木もようの銀紙に包まれた「本煉」が現れた。

小倉色の見事な煉り羊羹で、表面からはうっすらと糖蜜がにじみ出ている。

 

窓から光が入ると、表面周辺が少し透き通り始める。

これはいい煉り羊羹と確信させられる。

 

歯ごたえと甘すぎない、口の中で広がるふくよかさが上質。やっぱり素朴な洗練、と表現したくなる。

 

いい塩気もほんのりと感じる。

何日か空気にさらすと、多分、表面が白く糖化して、別の味わい方も楽しめそうだ。

 

小城羊羹と同じ、伝統的な製法だと思う。あるいは二本松「玉嶋屋」とも同種の、江戸・日本橋から続く、昔ながらの手間のかかる作り方。

 

小豆は「岩手大納言と十勝産えりもをブレンドしているようだ。

 

地場の素材にこだわるのも、今の時代ではなかなかできないことでもある。

 

・くるみ こちらも北海道産手亡がベースで、そこに国産のくるみを練り込んでいる。

くるみが「夜の梅」のように、ポツリポツリときんとん色の煉り羊羹に浮かんでいる(昼の梅?)。

 

その歯触りとくるみの食感が押し寄せてくる。

こちらも甘さはほどよく整えられ、白あん独特の風味とよく合っている。

 

塩気も後から追いかけてくる。

 

くるみ好きにはたまらない味わい、だと思う。

 

大谷がらみで3種類の岩谷堂羊羹をご紹介したが、この他にも数種類ある。

 

ところで、後半戦最初の試合(日本時間23日先発登板)が気になる。さらに投げて打つはずだ。2年連続MVPも十分にある。すでにベーブ・ルースは超えている、と思う。

なので、このスペシャルなあんこのマリアージュをテレビの前で楽しむのもいいかもしれない(現地に行きたいところだが)。

 

個人的にはシングルモルトウイスキーと氷を用意して、羊羹をかじりかじり、「イッツ・あんこ・タイム!」と行きたいな。

 

回進堂

所在地 岩手・奥州市江刺愛宕字力石211

最寄り駅 東北本線水沢駅からバス

 

                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木曽路の絶品😂「元祖そば饅頭」

 

今回はあんこ旅の中で出会った木曽路「そば饅頭」の美味さについて、書きたい。

 

そば饅頭と言うと、京都の「本家尾張屋」や「かわみち屋」が有名だが、それらは焼き菓子で、個人的には「へえー」という美味さだったが、中山道あんこ旅の途中で立ち寄った「元祖そば饅頭 芳香堂(ほうこうどう)」のものは「生まんじゅう」と言いたくなる蒸し菓子だった。

粗挽きのそば粉を加えたしっとりした皮と中の藤紫色のこしあんのマッチングが味わうたびに「絶妙⇒絶品」と変化していく、そんな印象。

 

地味系のいい仕事をしている和菓子屋さんだと思う。

 

木曽周辺では有名な和菓子屋さんの一つで、創業は大正2年(1913年)。現在3代目。

古い店構え。遠くに木曽路の山々が迫るなか、「木曽名物 そば饅頭」のブルーの幟が、どこか青空へ突き抜けた印象で、ふらりと立ち寄りたくなった。

 

人通りは少ない。

 

単品でもオーケーなので、5個をゲット。たまたま目に止まった「あんぱん饅頭」も買い求め、自宅に戻ってから、岐阜・中津川の老舗のそば饅頭と食べ比べも楽しむことにした(あんぱん饅頭は不定期発売なので今回は除外しました)。

 

・今週のキラ星

 芳香堂「そば饅頭」 5個包み 600円(税込み)

 

【センター】

百年の美味、初代のオリジナル元祖そば饅頭

 

添加物不使用で、皮から中のあんこまですべて自家製。初代が創業当時に考案したものを3代目の今も受け継いでいる、というのがすごいことだと思う。

 

まずは外見。白に近い明るいグレーとそば粉の香りがパッケージを取った瞬間、目と鼻にすっと入ってくる。

 

形は楕円形で、長さ60ミリほど。

 

粗挽きそば粉の細かい点々がいいね。

菓子ようじで切ると、中はこしあんで、濃い藤紫色に近い

皮も中のあんこもしっとりとみずみずしい。

 

皮はそば粉、山芋、米粉に塩少々。膨張剤も少し加えて、蒸し上げているようだ。

 

こしあんは甘さをかなり抑えていて、北海道産小豆と上白糖で仕上げている。

 

渋抜きをしっかりした餡づくりで、雑味がない。

そのピュアさがもっちりとしたみずみずしい皮と「いい関係」で、1個、2個、3個と食べ進むうちに、「派手さはないけど、その分、味わいがどんどん深く」なっていく。

 

焼き菓子のそば饅頭とはひと味違う、信州の生そばを舌先に感じる、優れた一品だと思う。

 

【中津川のそば饅頭と食べ比べ】

栗きんとんで有名な「すや本店」(岐阜・中津川市)のそば饅頭「そばまん」と食べ比べしてみた。

 

すや本店は「栗きんとん」など栗菓子の名店なので、そば饅頭はメーンではないが、あくまでも参考程度の試食比べになりました。あしからず。

・見た目、サイズ、価格など

 芳香堂:シンプルな楕円形。重さは43グラム。単品1個120円(税込み)

 すや本店「すや」の焼き印が印象的。重さは39グラム。単品1個151円(同)

・味、材料など

 芳香堂:添加物を使用していない。食感も味わいもすっきりとした、やや淡白な味わいだが、その分、余韻も含めて深みを感じる。つなぎの山芋とそば粉、米粉のバランスが素朴。こしあんも淡麗。

 すや本店:しっとりとしていて、ねっとり感も強い。添加物は増粘剤や乳化剤も使用。後を引く美味さだが、どこかやや人工的な印象。そば粉と山芋、つなぎに卵白を使用。こしあんも濃厚。

どちらも上質なそば饅頭だと思うが、素朴さで「芳香堂」、派手さで「すや本店」といったところかな。※これらはあくまでも個人的な感想です。

 

「御菓子司 芳香堂」

所在地 長野・木曽郡木曽町福島5352-1

最寄り駅 JR中央本線木曽福島駅から歩約3分

 

            

 

 

 

 

 

 

炎天消えた「奇跡のクリームあんみつ」

 

犬も歩けば、極上クリームあんみつに当たる?

炎天下、中央線・高円寺駅前を散策中、そこだけぽっかりとセピア色の甘味処を見つけた。

まさか? 令和4年夏から昭和へタイムスリップ?

 

「甘味の店 あづま」のあまりにレトロな店構えに、あんこハートがときめいた。

高円寺はその昔、たまに通った懐かしいスポットで、友人との待ち合わせ前に北口周辺をアリ(犬?)になって散策していた時のこと。

 

入り口のサンプルケースと「あんみつ」の文字に吸い込まれるように、飛び込んでしまった。

軽食と甘味処が一体となった記憶の中のなつかしい店。

 

ここで食べたのがハートフルな「クリームあんみつ(税込み450円)。

 

オーバーかもしれないが、私にとっては奇跡的な出会いで、まさか高円寺で「甘味処 あづま」と出会えるとは、ね。

 

バラエティーに富んだ手書きのメニューが、まるで世界遺産のよう。仰ぎ見たくなる。

宇治金時や田舎ぜんざいなど甘味メニューのほかに中華そばやカレーライスもあり、すべて自家製であることが読み取れた。これはこれは・・・ところ天まである。

 

東京下町の匂いのするややご高齢夫婦が二人で切り盛りしていた。女将さんの応対がとてもいい。

 

お客は地元の常連と今どきの若いカップルなど。ここは高円寺なのだ。

 

今では極めて少なくなった、昭和の良き甘味処と確信した。

 

【自家製クリームあんみつ

銀座仕込みのつぶあんのおいしさ

 

〈賞味タイム〉

450円という設定にも驚かされたが、目の前に置かれた黒い器は大きめで、ほぼ中央には艶やかなつぶあんとアイスクリーム。申し分のないボリューム。

アイスクリームには黒蜜がかかっていた。

 

グリーンのきれいな求肥が二つ。

 

パイナップル、黄桃、バナナ、それに赤えんどう豆とさくらんぼ。

 

その下には角切り(大きめ)寒天が潜んでいた。

 

あんこ好きとしては何よりも主役のつぶあんが気になる。

 

〈意外な歴史〉

「もともとは銀座に本店があったんですよ。昭和44年に高円寺に暖簾分けして、もう50年以上になるわね。銀座の『あづま』ももう閉店しちゃったので、今は高円寺だけですよ」(女将さん)

 

甘味処「あづま」は銀座を中心に数店あり、その名声は聞いた記憶もある。

 

つぶあんの秀逸〉

自家製にこだわって炊き上げたつぶあんの美味さが舌に心地よい。

 

なめらかな風味。

銅鍋で北海道産小豆をじっくり炊き、上白糖で仕上げているそう。

 

甘すぎず、塩気の効き具合もお見事。

 

〈銀座の遺伝子〉

寒天(専門店から仕入れ)以外はほとんど自家製で、銀座の甘味処の遺伝子がしっかりと生きている。

外観はあまりに古いが、店内は隅々まで神経が行き届いているのがわかる。

 

器の中の極上の世界

 

炎天下、高円寺でまさかの出会い。

 

つぶあんとアイスクリーム、固めのシャキッとした寒天と蜜煮したフルーツ、赤えんどう豆、求肥の鮮やかさ。

冷たい舌触りと余韻にしばらく浸る。

 

その時間だけすっかり炎天が消えていた。いいね。

 

「甘味処 あづま」

所在地 東京・杉並区高円寺北3-2-14

最寄り駅 JR中央線高円寺北口から歩約3分

 

              



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯島で「氷あずき+小倉アイス」

 

猛暑とコロナ増で「うっとーしー!」日々が続く。

 

こういう時は大好きな甘味処でかき氷、と涼みたい。

久しぶりに東京・湯島の甘味処「みつばち」の暖簾をくぐる。奥が喫茶室。

創業が明治42年(1909年)の老舗甘味処。

 

いつもなら「小倉鹿の子」に目が行くが、あまりの猛暑にペンギンになりたくなった(笑)。

創業当時からのメニュー「氷あずき」(税込み 680円)を注文すると、店の若女将さん(?)が「トッピングはいかがですか? 白玉とか小倉アイスもありますよ」と来た。

 

あんこハートがぴくん。絶妙な合いの手。

 

「では小倉アイスをお願いします」

 

プラス120円で計800円なり。リーズナブル。

小倉アイスはこの「みつばち」が初めて世に送り出したもので、2代目が大正4年(1915年)に「偶然の産物」として考案しているようだ。

 

元祖小倉アイスの店ということになる。

 

私にとってはこの夏、最強の組み合わせかも。

 

猛暑+コロナよりも氷あずき+小倉アイスの方が、はるかになごむ。

 

錫(すず)製の渋い受け皿にあんこの「南極」が乗っている?(そう見えなくもない)

あずきは蜜煮した大納言小豆(北海道産)で、削り氷の下に広がっている。

 

派手なかき氷屋さんが多い中で、ここの氷あずきは昔ながらのシンプルさ。

 

それが渇いた心に心地よい。

 

その横に元祖小倉アイスがどっかと添えられている。

 

たまらん光景だよ。

 

😎下は約5年前の「小倉鹿の子」の記事です。

syukan-anko.hatenablog.jp

 

【イッツ・賞味タイム!】

作法上、まずは氷へ。やや粗めの削り氷で、最近多いふんわり系のものとは違う。昔ながらの東京下町のかき氷だと思う。

蜜煮した大納言小豆は固め。小倉鹿の子のような、ふっくら感はない。

 

それは氷のせいか、たまたまの出来なのかは不明だが、その分、大納言小豆の素朴な風味と歯ざわりがストレートに来る。

 

甘すぎず、塩気もほんのり。

あっさりとした砂糖水が、このみつばちが東京下町の甘味処だということを教えてくれる。

 

小倉アイスはこちらも北海道産大納言小豆の小倉アイスで、あんこがアイスの中に見事に溶け込んでいる。

 

なめらかな舌触り。

口の中に広がる小豆の風味がそよ風となって、脳天へと抜けていく。

 

そんな表現をしたくなる。

 

全体を上から見ると、かき氷が白いフトンのようにも見えるが、底に広がる大納言小豆は意外にボリュームがある。

 

それでもこれだけだったら物足りなかった気もする。小倉アイスをトッピングしてよかった、と私のあんこ熱を見抜いた若女将の配慮に感謝する。

周囲を見回すと、常連客が多いようで、世代は老若男女。老いも若きも「氷あずき」か「白玉ぜんざい」を注文する人が多い。それに「あんみつ」・・・。

「この前、テレビの取材で徳光さんが来たのよ。野口五郎岩崎宏美も、それに田中律子もここで食べてったのよ」

「ああ、あの番組ね。徳光さんてあんこが好きなのねえ」

 

隣の席の常連さんの何気ない会話。下町雀のさえずりも心地よい。

 

すぐ近くには「つる瀬本店」もある。「あんみつ みはし本店」も近い。

 

やっぱり湯島エリアは日本の夏には欠かせない、ね。

 

「甘味処 みつばち」

所在地 東京・湯島3-38-10

最寄り駅 東京メトロ湯島駅から歩約2~3分