週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

羊羹×チーズケーキだって?😎中目黒のびっくり

 

この掛け算にはあんこ大好きの私もびっくり。

 

ちょいとおしゃれな街、東京・中目黒「寿 kotobuki tokyo」

 

ガラス張りのこじゃれた小さなカフェだが、ただのカフェではない。

入り口に「ようかん×チーズケーキ」と表記されたバナースタンドが、私のあんこころにコンコンと小さくノックした。

ドアに「和洋菓子」の金文字も見えた。今どきの店?

 

好奇心がむくむく。

 

不思議の国のアリスになった気分(笑)。

 

飛び込むことにした。

 

これが創作菓子の最前線を行く、志しを感じさせる店だった。

 

一見ハンバーガーのような「塩どら焼き」(あんバター)のメニュー写真にも「おおお」となった。

これはすごいね・・・コンコンがキンコンカーンとなりかかった。

 

トーゼンのように店内で食べることにした。

 

★味わった

塩どら焼き(あんバター) 350円

・ようかん×チーズケーキ

プレーン 360円

フランボワーズ&ピスタチオ450円

ブレンドコーヒー 420円

 ※すべて税込みです。

 

●アプローチ

店は狭いが、カウンターの向こうが厨房になっているようで、注文してから、あんバターの塩どらを作っている気配が伝わった。

待ち時間は約10分ほどと長め。

 

しっかりと作っているのがわかる。

 

来た、来た。

びっくり(びっくりが多いが)、うな重のようなお重が目の前に置かれた。

 

おもしろい凝り方。

 

蓋を取ると、ごらんのとおり、注文した3品があでやかに納まっていた。

どれをセンターにするか迷った。

 

【センターは?】

ようかん×チーズケーキ プレーン:珠玉のマリアージュ

 

長方形の、ちょっと見には二層の洋菓子に見えるが、外側が小豆ようかんになっていて、内側がフロマージュ(フランス語でチーズの意味)、底の部分はビスケット生地という凝ったつくり。

独創的な進化系ベイクドチーズケーキといったほうが近いかも。

 

これがプレーンというのだから、この店の店主(パティシエでもある)はクリエイティブ能力にあふれている、と思う。

小豆ようかん部分はむしろ水ようかんに近い食感で、小豆のいい風味がふわりときた。

 

甘さが抑えられていて、淡白な深味(妙な表現だが)すら感じる。

 

チーズケーキの部分はなめらかなチーズのいい風味と酸味が押し寄せてくる。

上質のオリジナルチーズケーキ。

 

小豆ようかんとのマリアージュ1×1=∞の世界で、口の中が一瞬にして小天国に変化した。

くちどけの良さ、しばらく残る余韻、これはすごい掛け算だと感心させられた。

 

ようかん×チーズケーキは黒ゴマやレモンなど全部で10種類ほど。

いずれも独創的で胃袋と時間とお金がもっとあったら、全部食べたい。

 

【セカンドは?】

フランボワーズ(ラズベリー&ピスタチオ:絶妙な合体

 

チーズケーキ部分にピスタチオペーストが練りこまれていて、明るい創作ようかんとのマリアージュがミスマッチと思いきや、絶妙な味わいを生んでいる。

このフツーありえない、不思議な掛け算に言葉が追い付かない。

創作ようかんの上には木いちごのドライフルーツなどが星屑のように散っていて、それがちょっとしたとしたアクセントにもなっている。

 

塩どら焼き(あんバター):全体が5層になっていて、分厚い有塩バターが上質なつぶあんでサンドされている。

上下にはパンケーキのようなきつね色のどら皮(自家製の塩こうじを使用)。

 

横から見ると、すごい構造😍。

 

横から見ると、スイーツ版ハンバーガに見えなくもない。

 

きれいな小倉色のつぶあんは甘さが控えめ。しかもたっぷり2層とは。

固めに焼かれた塩こうじどら皮も手焼きで、ナイフを入れてから、がぶりと行くと、バターのいい風味がわっと立ち上がってきた。

つぶあんが追いかけてくる。圧倒的なマリアージュ

 

和と洋のオーガニックな合体。

 

「うちの人気1位なんですよ」(スタッフ)とか。

 

おもしろい時代になってきたのう。

 

●あんヒストリー

創業は2022年4月。店主は製菓の専門学校を卒業後、東京・銀座の洋菓子店でパティシエ修業。その後、独立。この中目黒の地で、手づくりの創作和洋菓子に特化したカフェを始めた。若い女性客が多く、私が行ったときは外国人のカップル(常連?)が美味そうに創作和洋菓子を食べていた。店名も含めて、あんこの世界がいよいよボーダーレスになってきた。

 

「寿 kotobuki tokyo」

所在地 目黒区上目黒2-11-1

最寄り駅 東京メトロ中目黒駅から歩いて約2分

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超絶「あんこだんご」😍目黒不動尊前

 

「大久保だんご」と言えば、東京の古い暖簾の一つで、目黒から高輪、白金エリアにかけて3軒ほどある。

 

和菓子屋と食堂を今も併設している、レアなスタイルがクール。

 

創業が大正初期という歴史もさることながら、ルーツは同じながら、それぞれが独立した和菓子店&食堂&甘未処を営んでいるのも心惹かれる。

 

この際だから、3軒ともまわることにした。タイムスリップ気分。

 

セピア色が似合う、どこか懐かしい店構え(高輪総本店)レトロ度がマックスの白金店、そしてこの目黒不動尊前にある下目黒店。

それぞれに歴史を感じさせる店構えと中身だが、個人的に私のあんこセンサーにもっともきらめいたのがこの下目黒の「大久保だんご」だった。

 

自家製の朝ナマ菓子の多さとこだわりの強さ。

店構えも3軒の中では最も明るく、和菓子に力を入れていることが窺えた(時間が早かったので食堂はまだ開いていなかった)。

 

比較してはいけないが、自家製のあんこ力と個人的な好みから、今回はこの目黒不動尊前「大久保だんご」を取り上げたい。

 

★ゲットしたキラ星たち

 あんこだんご 一串140円

 みたらしだんご    140円

 豆大福      160円

 かのこ      160円

  ※価格は税込みです。

 

【センターは?】

あんこだんご:あんだんごではなく「あんこだんご」とあ・ん・こに力を入れていることがわかる串だんご。

「こ」へのこだわりに思いが伝わってくる。

 

写真をご覧いただきたい。

こしあんの量が半端ではない。

 

あんこはすべて自家炊きで、北海道産小豆×上白糖、それに塩気が絶妙に絡んでくる。

 

江戸からの伝統を感じる塩気の多さ。

それが独特の絶妙を生んでいる。

 

米粉餅の柔らかさとのマッチングがとてもいい。

午前中に売り切れることも多いと聞いていたので、口開けとほとんど同時に訪問したら、「日によりますけれど、そんなことはないですよ」(3代目)と笑われてしまった。うーん、いい感じ(笑)。

 

●あんヒストリー

下目黒店の創業は大正11年(1922年)。白金店もほぼ同じころの創業のようで、源流の高輪総本店(大正2年=1911年創業)から暖簾分けしているようだ。レトロ感たっぷりの高輪総本店はむしろ食堂が中心、白金店は甘味処、そしてこの下目黒店。いずれも3代目で「みんな親戚です」とか。少しずつ路線が変わってきているが、「大久保だんご」の暖簾は守り続けている。

 

【サイドは?】

豆大福:杵つき餅の柔らかさ、赤えんどう豆の歯ごたえ、中のつぶあんの素朴な洗練。たっぷりの餅粉。

賞味期限が本日中だが、夕方自宅に戻ると、少し硬くなりかけていた。

 

本物はこうでなくっちゃ。

赤えんどう豆の塩気とつぶあんの塩気が絶妙になじんでいて、口の中で広がる風味がたまらない。

個人的な印象では東京豆大福御三家に劣らない、と思う。

 

サイズは約65ミリ×60ミリ。重さは約89グラムだった。

 

かのこ:より塩気が強めだが、噛んだ瞬間、表面の大納言あずきから立ち上がってくる風味と中のこしあんがいい馴染み方で、私的にはこれは「塩かのこ」と呼びたくなった。

店主の手の香りがするような、素朴な美味さ。

 

重さは約62グラム。堪能。

目黒不動尊前という場所柄、茶店の気配を残す、いい和菓子屋さんだと思う。

 

しばらく見ていると、常連さん(?)が次々とやってきた。

 

「大久保だんご 下目黒店」

所在地 東京・目黒区下目黒3-5-1

最寄り駅 JR目黒駅から歩約10分

 

           



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

驚きの和洋あんこ😂足利の隠れ名店

 

古都・足利は歴史遺産の街でもあるが、隠れた和菓子のメッカでもある。

 

地味だが、いい和菓子屋さんが多い。

 

中でも最も驚かされたのが「いせ家本舗」

 

アプローチ:ハズレて元々の気持ちでメーンストリートを少し離れて、「あんブラ」(新しいキラ星探し)を楽しむことにした。

 

すると、いい店構えの和菓子屋さんが視界に入った。

 

「いせ家本舗」の屋号。ひょっとして伊勢屋? それにしては店構えがいぶし銀すぎる。よく知る「伊勢屋」とは少し違う、独特のこだわりの強さも感じる。

 

「創作菓子」の文字も見えた。

 

これが私にとっては驚きの和菓子屋だった。

★ゲットしたキラ星

 あんだんご 1串130円

 豆大福  150円

 こしあん大福140円

 抹茶クリームカステラ140円

 クリームカステラ140円

 大納言かの子160円

 うぐいすかの子160円

 ※価格はすべて税込みです。

 

【センターは?】

抹茶クリームカステラ:抹茶生地のふわり感×こしあんの驚き

 

足利には何度も足を運んでいるが、迂闊にもこの和菓子屋さんの存在を知らなかった。

 

店頭の商品棚をのぞくと、串刺しのあんだんごが目に入った。

さらに豆大福やみたらしなど朝ナマの世界もシンプルに広がっていた。

 

少々違っていたのが「抹茶クリームカステラ」など和洋のコラボ菓子。

「創作菓子」にもチャレンジしているのがわかった。

 

面白そうなので、それらもゲット。

 

◎実食タイム

いわゆる抹茶の蒸しカステラ生地だが、「実は長いもを練りこんでいるんですよ」(店主)とか。高級な薯蕷まんじゅうのカステラ版?

真ん中に大納言甘納豆がちょこんと乗っている。

 

底から見ると、茶巾包みの凝った作り方。

 

手で割ると、中は自家製こしあんで、よく見ると、抹茶あんもさり気なく寄り添っている。

あまりのふんわり感に「おっ」と声が出かかった。

 

長いも効果? 和洋の見事な融合

 

口に入れると、三つのマリアージュが一線を超えている(と表現したくなってしまった)。

絶妙という言葉を忘れるほどのとろけ方。

 

長いも入りの抹茶生地とこしあんがこんなに愛し合うとは・・・想像以上の美味さ。

 

この店主、只者ではない。

 

●あんヒストリー

創業は昭和5年(1930年)。現在3代目。初代はあの塩瀬総本家で修業したが、足利の地では高級すぎて(?)合わなかったようだ。その後、2代目が路線を変え、饅頭や大福、だんごなどを東京下町の「伊勢屋」で学び、それが現在の3代目につながっていく。3代目は梅林堂などでも活躍した和菓子コンサルタントの下で修業。伝統と独創を融合した創作菓子の世界へ。早朝からだんごなど朝生菓子と創作菓子を地道に作り続けている。有名ミュージシャンはじめこの店の隠れファンも多い。

 

【サイドは?】

あんだんご(串):自家製こしあんがびっしり

 

店頭でまず驚かされたのが串あんだんご

 

午前中に訪問したのに、残り少なくなっていた。

売り切り御免のあんだんご。みたらしも美味そうだったが、あんこ原理主義者としてはこちらを取り上げたい。

 

うるち米のだんごが4玉だが、自家製こしあんの陰に隠れて見えない。

 

あんこの量が半端ではない。すごい景色。

「本日中」が賞味期限なので、夕方に自宅で賞味となった。

 

餅の柔らかさがこしあんに圧倒されて、その絶妙な塩気が口の中で両手を広げてくるよう。

 

素朴と上品の見事な融合。

こしあんは北海道特選小豆×白ザラメ。

 

いい小豆の風味が時間差で来る。

 

こんないい和菓子屋さんの存在を今日まで知らなかったこと、あんこマニアとしては穴があったら入りたい気分。情けないぜよ(汗)。

 

豆大福:買ってから5時間以上たっていたので、少し硬くなりかけていた。

杵つき餅。本物の証明。

 

餅粉のかかり方、赤えんどう豆のふっくら感、たっぷりの自家製つぶあん

すべてが上質で店主のこだわりが半端ではないことがわかる。

 

サイズは60ミリ弱。重さは82グラムほど。

つぶあんの吹き上がる風味と恐るべき塩気の絶妙が掛け算で来る。

 

たまらない。

 

こしあん大福:やや濃いめのこしあんとピュアな餅。

手に持つと、うっすらと中のあんこが見える。

 

杵つき餅のしっかりとした伸びが歯に伝わってくる。

 

自家製こしあんの塩気の絶妙

この店は塩の使い方が素晴らしいと思う。

 

3代目は塩の魔術師、と紹介したくなる。

 

かの子2種:大納言とうぐいす

大納言は小ぶりなかのこだが、テカリ(寒天の膜)が輝いている。

 

中はこしあんで、表面の大納言小豆の風味との合体が1+1=3にもなるよう。

これも塩気が絶妙で、後味もいい。

 

うぐいすは表面のうぐいす豆と中の白あんが見た目も美しい。

うぐいす豆の風味が強めで、それが白あんとのマリアージュを豊かなものにしている。

 

塩気の絶妙もこの店ならではのもの、と思う。

 

伊勢屋を「いせ家本舗」と改題したこと、食べ終えると、その心意気まで伝わってきた。

だんごから上生菓子まで、しかも創作菓子まで、こんな凄腕のいぶし銀が隠れるように足利に存在していたこと、改めて足利あんこ界の奥の深さを知らされた思い。

 

あんこ道も「人のいく裏に道あり花の山」ということか?

 

ホンマ、参りました(汗)。

 

「創作菓子 いせ家本舗」

所在地 栃木・足利市伊勢町1-10-5

最寄り駅 JR両毛線足利駅から歩約5分

 

          



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豆大福&かのこ😍熊谷「ばらや」あんこ星座

 

あんこ旅を続けていると、思わぬキラ星に出会うことがある。

 

日本一暑い街・熊谷は私にとってはその希少なエリアの一つ。

 

「四季の和菓子 ばらやとの出会いは驚きだった。

高くて美味いは当たり前、安くて美味いは?

 

今年の春、風のたよりで「豆大福がとってもおいしい」という情報を聞きつけ、夕方に訪ねてみた。

 

ほとんど売り切れていて、残りはほんの少しだった。

 

豆大福(形が珍しい円筒形だった)と大納言かのこを買い求め、「本日中に食べてくださいね」との女将さんの言葉に従い、自宅に戻ってから食べたら、これが絶品だった。

コスパのあまりの良さに感動すら覚えてしまった。

 

で、今回。

 

店をすぐ近くに移転したという情報が入り、再訪することにした。

 

売り切れる前にゲットしたい。

 

午前11時前になんとか到着。

「豆大福」のノボリがひるがえり、モダンで瀟洒な建物に変わっていた。

 

無駄のない、いい店構え。

 

前回と違って今回は作り立てがキラ星のごとくそろっていた。

 

★ゲットしたキラ星

 豆大福 130円

 季の餅(栗大福)150円

 大納言かのこ 110円

 京かのこ 110円

 きんつば 120円

  ※価格はすべて税込みです。

 

【センターは大福2種】

豆大福:筒形のユニークな形の逸品

北海道産赤えんどう豆を練りこんだ臼杵つき餅が素晴らしい。

 

無添加づくりなので、時間がたつと固くなる。

中は自家製つぶあん

 

希少な大粒あずき「十勝産雅(みやび)」をグラニュー糖で仕上げている。

 

こだわりを感じるあんこ。

やや甘めで、塩気もほんのり来た。

 

餅の柔らかな腰と素朴なあんこのマリアージュコスパ的にも「得した気分」になる。

雅の濃い小豆色と濃い風味が口の中で広がると、セロトニン(幸せホルモン)がどっと湧き出てくるのがわかった。

 

お客が多いのもなるほどという味わい。

 

季の餅(ときのもち):季節限定の栗大福

 

形は豆大福より横幅のある円筒形。

蜜煮した栗が丸ごと一個、栗餡とともに入っていて、栗好きにはたまらない。

形といい、栗の使い方といい、店主の腕とアイデアが冴えていると思う。

 

これも賞味期限は「本日中」

 

【サイドは?】

大納言かのこ㊧:大納言小豆とこしあんのキュートな合体

大納言小豆の歯ざわりと風味が上質。

 

寒天の薄い膜がキラキラしていて、一瞬食べるのをためらってしまった。

中のあんこ玉との合体がほぼ極限。

 

甘さを抑えているので、2~3個すぐなくなってしまう。

 

塩気もほんのり。

 

京かのこ:京都のあでやかさを取り入れた逸品

表面には白いんげん豆とうぐいす豆。小ぶり。

 

中がピンク色のあん玉(白あんベース)で、これほどのカラフルなかのこは珍しいと思う。

味わいは白いんげん豆とうぐいす豆の風味が口の中で重なって、爆発的に広がってくる。そんな感覚が近い。

 

目で楽しみ、舌で堪能する。

 

小豆のあんことは一味違う味わい。

 

京都のはんなり文化が熊谷で花開いている。

 

不思議な感動すら覚えてしまった。

 

きんつば角型のきんつばに詰まった小豆の味わい

深川「梅花亭」のきんつばと形も味わいも共通するものを感じた。

 

小ぶりだが厚みのある、私の好きなタイプのきんつば。

小麦粉の薄い皮、小豆のふくよかな広がり。

 

くちどけの良さ。

 

120円というのもコスパ的には得した気分になる。

 

●あんヒストリー

創業は昭和(昭和45年ごろ?)。現在2代目。豆大福、だんご類、きんつばなど定番商品は先代から受け継ぎ、それを忠実に守り、さらに2代目が新しいチャレンジに繋げているようだ。素材選びから製法まで手作りをモットーにしている。「ばらや」のユニークな店名は祖母が「薔薇(ばら)好き」だったことに由来するとか。いい店なのは常連客の多さが証明している、と思う。

「四季の和菓子 ばらや」

所在地 埼玉・熊谷市箱田6-18-13

最寄り駅 JR高崎線上熊谷駅から歩約20分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶品!草&豆大福😎南柏の朝ナマ老舗

 

朝ナマのおいしい大福に出会うと、世界がとたんに輝き始める。

 

あんこの番外地(失礼)ともいわれる千葉・南柏で出会ったのがこのキラ星たちです。

あんこ仲間の情報で、ダメもとで途中下車してみたのだが、これが当たりだった。

 

「伊勢屋 南柏本店」

「伊勢屋」の屋号は全国的にかなり多いが、ここは和モダンの立派な店構えで、白地の暖簾がクール。

 

創業が昭和11年(1936年)。現在3代目。

 

店内は開放的で、奥の餡場(作業場)がガラス越しに見える。いい光景。

大福類や水菓子などが美味そうに並んでいた。

 

上生菓子まである。これはすごいね。

 

★今回ゲットしたキラ星たち

 草大福 140円

 豆大福 140円

 枝豆大福(季節限定)

 笹水大福(季節限定)

 ※価格は税別です。

 

【センターは?】

草大福:「賞味期限は本日中」の逸品

 

正午過ぎにゲットし、夕方自宅へ。

 

餅がすでに固くなり始めているのがわかった。

朝ナマの本物はこうでなくっちゃ。

 

大きさは55ミリ×55ミリほど。大きめ。

 

手に乗せるとずしりと重い。

 

重さを量ったら約95グラム。重量級。

〈味わいタイム〉

固くなりかけていても杵つき餅の伸びが十分にある。

何とか包丁を入れると、純度の高そうなこしあん(自家製)が現れた。

大福に対する礼儀上、手に持ってがぶりと行く。

 

いいよもぎの香りと餅の歯触りが口いっぱい広がる。来た来た。

 

こしあんの美味さ。

しっとりとした舌触りといい小豆の風味がどっと押し寄せてきた。

ほんのり塩気もすぐ後から来た。

 

幸せホルモンにしばし浸る。

 

【サイドは?】

豆大福:素朴なつぶあんと赤えんどう豆

 

サイズは草大福とほぼ同じ。

餅粉のかかり具合と赤えんどう豆(大粒)の見た目のバランスがいい。

 

餅の手包み感が「伊勢屋」の看板に恥じない。

 

中のつぶあんのボリューム。

幾分赤みの強いつぶあんだが、柔らかく炊かれていて、塩気もほんのり来る。

 

素朴な豆大福。

 

赤えんどう豆の塩気と歯触りがいいアクセントになっている。

 

うめえ・・・どこか懐かしい豆大福

 

枝豆大福:期間限定(9月いっぱい)なので、このブログがアップされたときは店頭にないかもしれない。

枝豆餡(ずんだ)の柔らかなつぶつぶ感がずんだ好きにはたまらない、と思う。

 

やはり甘さを抑えているので、思ったよりも胃にたまらない。

ずんだ餅や大福は主に東北地方に多いが、この伊勢屋のように、首都圏にもこれを作る和菓子屋さんが増えている。

 

ここ十年ほど、ほかの地域もずんだ餡の美味さにようやく気づいた?

私のようなずんだ好きにはこれはうれしい流れです。

 

あんこころにずんずん来たあ、て感じかな。

 

笹水大福:これも期間限定。笹とこしあんの合体

 

みずみずしい笹の葉に包まれた白玉生地と中のこしあんのマリアージュが、目にも舌にも柔らかな波となって押し寄せてくる感覚。

冷蔵庫で少し冷やしてからいただく。

 

笹の自然な香りとつるんとした舌触りがとてもキュート。

甘さを抑えた自家製こしあんのレベル

 

南柏の伊勢屋、午前中から地元のファンが多いのもわかる気がした。

 

改めて。柏のあんこ、ホントは素晴らしいね。

 

●伊勢屋のあんヒストリー

江戸時代、江戸の名物と問われれば「火事、喧嘩、伊勢屋、犬の糞」と言われたほど、伊勢屋の屋号は多かった。江戸開府と同時に西から伊勢商人がどっとやって来たからで、呉服屋から和菓子屋まで幅広かったようだ。それが令和の時代にも残っている。正直なところ歴史的にも不明な部分も多いが、例えば東京・門前仲町の「深川伊勢屋」は頭に「米」が付いている。いつか屋号の謎も追ってみたい。

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竹皮包み3種😋「羊羹一筋」みちのく百年老舗

 

これって、あんこの神様の導きかも?

 

と、言いたくなってしまった。

 

今回のみちのくあんこ旅で驚かされた店が福島市「菊屋本店」。「菊屋の羊羹本舗」として地元ではよく知られている和菓子屋さん。

 

歴史を感じさせる蔵造りの、渋い店構え。

無添加造り羊羹と最中一筋、現在4代目。

 

創業は明治28年(1895年)。百年老舗(約130年)。

 

羊羹好きの私でもこれまで知らなかった。穴があったら入りたい(汗)。

 

白地の長暖簾をくぐったら、セピア色の世界が広がっていた。

規模は小さいが、中津川「すや本店」を思わせる、磨き抜かれた木製の商品棚。

 

一気に期待が膨らんだ。

 

★ゲットしたキラ星

 栗羊羹(大) 1500円

 本煉り(中)  700円

 ごま羊羹(中) 700円

 ※税込み価格です。

      

【センターは?】

栗羊羹:柔らかな煉りと蜜煮栗の上質な合体

 

竹皮包みの煉り羊羹をフツーにつくっているのが凄い。

店の奥がやや薄暗い作業場になっていて、職人さんの姿が見える。

 

昭和⇒大正⇒明治のフィルムがコマ廻しで重なってくるような。

 

創業時から無添加造り羊羹一筋がダテではないことを感じる。

 

これは大サイズ(165ミリ×65ミリ×30ミリ)なので、重さを量ったら482グラム(包み含めて)。ずしりと重量級

立派な竹皮を取ると、銀紙(裏側)が現れ、それを剝がすと、テカリとともに本体が現れた。

〈味わいタイム〉

煉りの部分はやや明るめ。蜜煮栗がぼこりぼこりと夕闇の月のように沈んでいる。いいね。

 

森のコーヒーを用意してから、包丁で切る(羊羹にコーヒーは合うと思う)。

切り分けてから菓子楊枝でいただく。

思ったよりもねっとり感がない。

 

歯がすっと入る。

 

濃厚ではなく、やさしい、穏やかな風味が来る。

甘さもすっきりしている。

 

通好みの、「昔のままの無添加造りです」(女将さん)という丁寧な言葉がなるほどなあ、とよみがえってくる。

濃厚ねっとりの煉り羊羹とは一線を画した、きれいな後味の素朴な羊羹だと思う。

 

なので、一口二口三口と手が止まらなくなってしまった。

 

【サイドは?】

ごま羊羹:絹ごし黒ごまを練り込んだ、真っ黒い小宇宙

3種類の中で「これはすごいね」と思ったのがこれ。

 

口に入れると、黒ごまの風味が穏やかに広がる。

 

これも歯切れがいい。

余分なねっとり感がない。

 

柔らかな、ほどよい甘さ。

 

黒ごまとともに奥深い余韻となる。

昔のままの、手造りの歴史を思いながら食べ進む。

 

しみじみとこの味わいを楽しむ。

 

鼻腔に抜ける余韻・・・うめえ、と自然なため息が出てきた。

 

本煉り:栗羊羹よりも色が濃い

竹皮を取り、銀紙を剥がすと、本煉り部分から糖蜜が滲み出ていていいテカリ、あん欲がそそられる。

 

これも歯ざわり、歯切れがすっきりしている。

 

有名店の本煉りよりも食感がやさしい。

北海道産小豆×上白糖×長野産寒天。

 

羊羹職人の手を感じる、素朴で上品な本煉り羊羹だと思う。

 

福島にこのような、羊羹一筋の羊羹屋さんがあること、今回のみちのくあんこ旅の中で私にとっては大きな収穫となった。

 

メディアに露出している店ばかりについ目が行くが、しっかりと伝統を守って、いい仕事をしている和菓子屋さんは案外、メディアの露出の死角に隠れているのかもしれない。

 

●あんヒストリー

店にいらした3代目女将さんによると、初代は福島・梁川町(現伊達市)の老舗羊羹屋さんで修業をしたそう。その技術を持って福島市で開業。昔は3軒あったらしいが「今はうちだけ」になったという。無添加造りの技術は代々受け継がれている。

〈取材後記〉▼最中(菊屋もなか)も3種類(小倉、白、ごま)あり、とても美味しかった▼これも創業当時からの一品▼羊羹と一緒に購入したが、運ぶ途中で、つい油断して、種(皮)が破れてしまい、掲載できなかった▼悔いが残るが、格別な美味さだった▼3代目女将さん、ごめんなさい。

 

「菊屋本店」

所在地 福島市中町6-30

最寄り駅 JR福島駅から歩約5~6分。

 

        

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あんこ怪物「いもまん」😎会津若松「あんこや」

 

みちのくあんこ旅で久しぶりに会津若松へ。

 

発端は地元からのあんこネットワーク情報で「朝生のすごい饅頭屋があることご存知ですか」という写真添付メールだった。

 

写真を見て心が騒いだ。

 

普通の饅頭の2~3倍は優にあり、しかも中のあんこのボリュームに目が吸い寄せられてしまった。汗が数滴。こ、これは・・・行かずばなるまい。

城下町・会津若松には「羊羹ファンタジア」などで知られる上菓子屋「長門屋」「吉田菓子舗」「会津葵」はじめいい和菓子屋が多い。

 

だが、今回の和菓子屋は京都で言う「おまんやさん」そのもの。朝生の饅頭屋。

 

「あんこや」というそのものズバリの店名も気になる。

 

しかも創業90年くらいと歴史があることもわかった。

 

私にとっては「し、知らなかった」では済まされない。

 

午後2時前に到着。

店はシンプルでお世辞にもきれいとは言えないが、どこかセピア色の郷愁を感じさせる。

 

店内に一歩足を踏み入れたら、蒸篭の匂いとあんこの甘い香りが飛び込んできた。

豆大福やおはぎ、水ようかんなどはすでに「SOLD OUT」。うむむ。

 

メーンの饅頭(蒸かし立て)が3種類ほど、それにあんこ玉が数個残っているだけだった。

 

饅頭のデカさと面構えにアンココロがときめいた。

こりゃすごいね。

 

白衣の店主が奥から出てきた。

 

★ゲットしたキラ星

 茶まんじゅう 150円

 吹雪まんじゅう150円

 いもまん  180円

 あんこ玉(こしあん)120円

     (ずんだ) 120円

 ※価格は税込みです。

【センターは?】

怪物級「いもまん」:つぶあんとさつまいもの合体

 

まずは三役のそろい踏みを見ていただきたい。

左から吹雪まんじゅう、茶まんじゅう、いもまん。

 

皮の素朴な薄さと中のあんこの存在感がとにかくすごい。

 

店主の熟練の手の動きまで感じるほど。

 

無添加づくりなので、できれば今日中に食べてください」(店主)

 

全部「超えてる」感だが、その外観から最も驚かされたのは「いもまん」。

黄色いマグマ状の薄皮生地から中のあんこが今にもはみ出そう。

 

大きさは左右85ミリ~87ミリほど。でか~。

 

重さは200グラム超

 

野球の硬式ボールよりも大きいんでは?

 

「早めに、できれば今日中に」という縛りがあったので、宿泊先の旅館で賞味となった。

●実食タイム 蒸かし立ての余韻を残す艶やかな皮生地(小麦粉)を両手で割ると、ムニュリとした感触とともに、あずき色の柔らかなつぶあんとさつまいもがドスコイと現れた。わわわ。

食欲中枢を刺激するいい匂い。

 

温もりが残る皮生地の薄さとこれでもかと詰まったつぶあんサンドされたさつまいものド迫力に身体ごと吸い込まれそうになった(ホントです)。



つぶあんは甘さが抑えられ、柔らかな甘いさつまいもと口の中で合体すると、幸福ホルモンがどんどん広がってくるよう。

 

つぶあんとさつまいもの割合は7対3くらいかな。

 

惹かれたように食べる。

あずきのいい香りがしばらく口内にとどまる。

 

このボリュームで180円が信じられない。

 

個人的な感想では熊本の「いきなりだんご」や川越の「いも恋」に負けていないどころかマリアージュにおいては凌駕しているのでは?

 

唾液がどんどん出てくる。

 

会津でまさかのびっくり。

 

【サイドは?】

吹雪まんじゅう:圧倒という意味ではこれが一番かも

岩(つぶあん)に張り付いた吹雪のド誘惑。

 

柔らかく煮詰められたつぶあんのあまりの量に笑いすら出てきた。

つぶあんからはほんのり塩気がにじみ、ほどよい甘さを押し上げている。

 

すごいボリュームなのに、気が付いたら、一個ぺろりと胃袋に消えていた。

 

茶まんじゅう:こちらはこしあんの塊り?

黒糖の皮生地は薄く、その分こしあんのマックス感とまったりとした味わいに「これって現実?」とため息が漏れてしまった。

あまりに素朴な、あまりに無骨な、恐るべき茶まんじゅう。

 

特上ではなく、中の上を極めたような美味さ。

 

あんこの量は普通の茶まんじゅうの優に3~4倍はあるのでは?

これも重さは200グラムオーバー。

 

2~3回切り分けて、ようやく食べ終えた。

 

おまけ⇒あんこ玉:こしあんずんだ

饅頭があまりにデカいので、かなり小さく見えるが直径35ミリはある。

 

表面の寒天の膜は気持ち程度。

 

舌の上で溶けていくこしあんの美味さが光る。

甘さが控えめで、ほんのり塩気も。

 

ずんだは地場の枝豆を使用、柔らかなつぶつぶ感も心地よい。

甘さをかなり抑えていて、ピュアな素朴がいい余韻を作る。

 

店主の手の感触が昭和を感じさせる。

 

〈あんヒストリー〉

▼現在3代目。創業は昭和の初期で「90年くらい経ってます」とか▼もともとは製餡所で、和菓子も作るようになり、全国の物産展などにも出向き、行列のできる店にもなったそう▼「あんこや」の店名は「昔からそう呼ばれていたので、自然にそうなった」とか▼約5年前に建物の老朽化で市内の中心部から現在に場所に移転。それに伴い、建物の狭さからあんこは製餡所に特注、レシピ通りに作ってもらっているそう▼時期が来ればあんこも以前のように自家炊きに戻したいと話してくれた▼応援したくなる和菓子職人さんだ。

 

「あんこや」

所在地 会津若松市七日町2-15

最寄り駅 JR只見線七日町駅から歩約5分