北のあんこ旅で美人の産出県・秋田へ。
目的は美人ではなく「三松堂」(さんしょうどう)。
大正13年(1924年)創業の地元では有名な百年老舗の和菓子屋さん。

いぶし銀の店構えにあんココロがときめいた。
レトロな一軒家の、ガラスの引き戸に墨文字で「水ようかん」とか「麩まんじゅう」などと大書されていた。うーん凄いね。
あまりにシンプルな、歴史だけではなくアート感さえ感じる。
店内に足を踏み入れると、木製の渋いショーケースが出迎えてくれる。

餅菓子や季節の上生菓子など、これは・・・。
かなりの手練れ職人の気配を感じた。
★ゲットしたキラ星
あんドーナツ184円
栗饅頭 205円
栗大福 324円
塩豆大福280円
きんつば238円
栗饅頭 205円
※すべて税込み価格です。

【センターは】
あんドーナツ:生地とこしあん頂上の合体

ひと目でこれは本物と直感した。
ほどよい大きさの俵型で、表面には砂糖(グラニュー糖?)がたっぷりまぶしてある。揚げ色の深さにそそられてしまった。

いい立ち姿の4代目に話を聞くと、さり気なく「東京の一幸庵でも修業しました」とか。
一幸庵だって? 文京区小石川にある和菓子界の頂上の一角に位置する一軒。
厳しい修業でも知られる上菓子屋だが、なるほど店構えから店内の造りもその一言で納得がいった(気がした)。

その和菓子職人がつくるあんドーナツ。面白い取り合わせ。
🧐実食タイム
あんドーナツは手で食べるに限る。
固すぎず柔らかすぎず。手で割ると、上質な素朴が伝わってきた。

中はこしあん(自家製)で明るい色。その量。
がぶりと行くと、絶妙な歯触りと小麦粉と卵黄(?)のきれいな風味がわっと広がった。
口の中で崩れる瓦解感が素晴らしい。
甘過ぎないこしあんがそれに絡み、口の中で1+1=3の世界をつくるよう。

塩気がほんのり伴走する。
私がこれまで食べたあんドーナツの中でもこれはトップクラス、と一人合点。いい時間が流れる。
【サイドは?】
きんつば:ひと味違う深い味わい

角型のきんつばだが、これも見た瞬間、あんココロがギュッとつかまれてしまった。
薄いしっとりとした皮生地から見えるあんこが「おいで」した気がした(そんなはずはない)。
歯がすっと入る。小豆が柔らかい風味を吹き上げて来た。


塩気が絶妙で、この食感はそう出るものではないと思う。
小豆は大粒なとよみ大納言で、形がしっかりあるのに実に柔らかい。
これも素朴な上質と表現したくなる。
★あんヒストリー
創業は大正13年(1924年)。現在4代目。店のルーツは山形。初代は山形から東京の煎餅の老舗で修業。その後、秋田で煎餅店(関西風小麦粉煎餅)として出発している。「もともとは煎餅屋でした」とか。店内には今も代々続く煎餅が並んでいる。ルーツを守りつつ新しい和菓子屋のあり方を模索しているようだ。4代目は京菓子の名店「一幸庵」(東京・小石川)で修業後に弘前の老舗「寿々炉(すずろ)で修業、実家を継いでいる。

塩豆大福:餅の柔らかさとつぶあんの上質
シャレた包み紙を取ると、見るからに柔らかそうな餅と赤えんどう豆(塩豆)がうっすら餅粉を纏ってこれも「おいで」した(そんなはずはない)。

手で持つと驚くほど柔らかい。


中は上質なつぶあんで、ほどよい羽衣のような感触(わかりにくい)。口の中でとろけるように混じりあい、すーっと消えていく。余韻がとてもいい(季節限定)。
栗大福:蜜煮栗が丸ごとと自家製こしあんの絶妙

塩豆大福とは違う餅の感触。歯切れの良さ。
地場産の蜜煮栗のやや固めの歯ざわりが餅との対比を絶妙につくり上げている。

甘過ぎない、栗の風味が立ち上がってくる。
それを上質な自家製こしあんが包み込んでいる。
糸を引くような塩豆大福と歯切れのいい栗大福。
どちらも素晴らしい大福、と余韻を楽しむ。
栗饅頭:丁寧な造りと上質な味わい

卵黄のテカリと深い焼き色に引き込まれそうになってしまった。
中は白あんで刻み栗がふんだんに練り込まれていた。

口の中でいいねっとり感がどんどん広がる感触。
4代目の腕と世界、確かにすごいものがある。北前船の寄港地だった秋田は侮れない。
「三松堂」
所在地 秋田市中通5丁目7-8





























































































