これまで2回行って、アンラッキーだった。本日休業と売り切れ。
三度目の正直でようやく頂上にたどり着いたよ。
なので今回は餡ラッキー。
成田山参道の老舗甘味処「後藤だんご屋」。
創業が弘化2年(1845年)、現在7代目。
創業当時からの製法をそのままほとんど受け継いで朝早くからだんごをつくり続けている、と聞いていたので、身を清めてから紺地の暖簾をくぐった。
後光が射してるような、そのお姿をまずは見ていただきたい。
歴史的にも個人的には西の赤福、東の後藤だんご屋と言いたくなるが、あんこの親分度(そんな度数があるとして)ではこちらに軍配。
★ゲットしたキラ星
あんだんご(3個一皿)600円
やきだんご(一串) 200円
※すべて税込み価格です
【センターは?】
あんだんご:絶妙こしあんと絹のようなしんこ餅
一見するとこしあんのおはぎのようで、竹串のだんごではない。
左右4~5センチは優にありそうなデカさ。
一皿3個がヘビー級の存在感で、目の前に置かれた実物を見て、しっとりとしたこしあんの厚みとたっぷり感に身も心も持っていかれそうになってしまった。いずこへ?
NYメッツ千賀の「お化けフォーク」をもじって「お化けあんだんご」と表現したくなった(いい意味で、です)。
個人的にも想像を超えた出会い。ほとんどパブロフの犬状態(笑)。
〈実食タイム〉ほうじ茶のサービスがほっこり。茶店のレトロな雰囲気が私を江戸時代にタイムスリップさせるようだった。
手元の箸で持ち上げようとしたら、すっと切れそうで、素朴なこしあんの厚みと餅(しんこ餅)のあまりの柔らかさに「おおっ」となった。
きれいな伸びにため息が出かかる。
しっとりしたこしあんが甘すぎない。小豆のいい風味がすっくと立ちあがってくるようで、ほんのりにじむ塩気が絶妙。
こしあんは北海道産小豆×白ザラメ。
銅鍋で毎日約3時間かけてじっくりと煮込み、漉しているそう。
たまたまいらっしゃった6代目女将さんが気さくなお方で、後藤だんご屋の伝承をいろいろと教えてくれた。ここもすごいところ。
しんこ餅は特選うるち米を蒸かし、毎朝臼と杵で搗いてから、さらに手ごねするそう。
手間暇を惜しまない。
絹のような白さとびっくりするほどの柔らかな伸びはこうして生まれてくる。
なので、時間が経つとすぐに固くなってしまう。
6代目女将さんは「本物の証拠ですよ」と、さり気なく胸を張る。
朝ナマの本流がここにもしっかりと生きている。
セカンド:やきだんご
後藤だんご屋のもう一つの看板がこのやきだんご。
甘辛の自家製みたらしがたっぷり、こちらは串だんごで、注文を受けてから焼き始めるので、少し時間がかかるが、待つのも楽しの気分に浸る。
焼き色としんこ餅の柔らかな伸びがやはり秀逸。
一串4玉。放射する香ばしさと、たっぷりの甘辛ダレがいい感じ。
6代目女将さんによると、あんだんごよりもこちらの方が早めに売り切れになることも多いそう。
あんみつとぜんざいも味わいたかったが、あんだんごのボリュームが予想以上だったので、やきだんごだけを一人前別に包んでもらった。
辛口の編集部あん子さんへの手土産。
日本には飛び切りのあんこ山脈がいくつかあるが、成田山もその一つだな、と改めて思い知らされた。
「後藤だんご屋」
所在地 千葉・成田市上町499
最寄り駅 JR成田駅から歩約5~7分ほど