週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

夏&冬二度食べ😎絶妙串だんご

 

最初の訪問、

 

串だんご好きの私にとっては、これは一つの出会いと言いたくなるものだった。

 

あんこ道の定理:歴史のある所にいい和菓子屋が潜んでいる。

 

人形の町・岩槻(さいたま市)に狙いを定め、日光御成道を散策中に歴史を感じるいい店構えの暖簾に吸い込まれてしまった。

「創業 嘉永年間」の文字。うわ。

 

それが田中屋本店だった。

 

「栗最中」が有名な老舗だが、私の目は年季の入った、よく手入れされた木製の生菓子棚に釘付けになった。

日持ちしない串だんごが数種類、「こっちにおいでよ」と流し目を送って来た。

 

中でもよもぎ団子」が実に美味そうだった。

 

午前中で売り切れることも多いとか。

 

そして二度目の訪問、

年が明け、よもぎの団子など串だんごをまた味わいたくなった。人気商品でつくる量も少ないので、予約してから訪問した。

 

●ゲットしたキラ星

よもぎ団子 1本125円(税込み)

黒ゴマ団子 125円(同)

黒蜜きなこ団子 125円(同)

焼き団子 125円(同)

かの子 175円(同)

 

【今回のセンター】

自家製つぶあんと炙ったよもぎ餅が絶妙

 

「必ず本日中にお召し上がりください」(女将さん)

これこれ。串だんごも朝ナマにかぎる。

 

とにかく見ていただきたい。

上の写真(2点)が去年夏に買ったとき。下の写真がこの1月に買ったもの。

夏の方がつぶあんの量がほんの少し多い気がするが、基本的にはこってりとした素朴なつぶあん。私の好きな職人のあんこ。

 

北海道産小豆×上白糖でほぼ毎日炊いているようだ。

 

口に入れたとたん、あずきの風味がふわりと広がる。

上新粉よもぎ餅は4個で、うれしいことに丁寧に炙(あぶ)ってある。

 

ひっくり返すとよくわかる。

ひと手間を惜しまない、このこだわり方がすごい。柔らかい。

 

竹串から竹の香りもかすかに来る。

 

なので、見た目からして、あんこハートがくすぐられる。実にうまそう。

ほどよい甘さのつぶあんよもぎ餅のマリアージュがとてもいい。

 

よもぎの風味がやや強めで、それが春を予感させる。

 

素朴だが、店主の強いこだわりが透けて見える、串だんご。

 

●あんポイント

店の創業は嘉永年間(1848~1854年)。黒船ペリー来航はこのあたり。初代は弁蔵(屋号は山弁)。現在7代目。栗最中や練り羊羹、どら焼き、上生菓子、そしてだんご類まで7代目と息子さん(8代目)が朝早くから製造に取り掛かっている。古い菓子型や時代物の長持ちなどが置かれていて、この店が相当な歴史だったこともうかがえる。

 

【サイドは?】

・黒蜜きなこ団子

沖縄産黒糖の黒蜜ときなこがたっぷりかかっていて、これも売り切れるのが早い。だんごは時間が経つにつれて硬くなるのがわかる。

・黒ゴマ団子

胡麻(ごま)好きにはたまらない。上新粉餅はやや大きめ。擦った黒ゴマと砂糖の配合が絶妙。

・焼き団子

個人的にはよもぎ団子の次に気に入った。甘辛のみたらしがたっぷりかかり、上新粉餅は焼き目が付いている。

・かの子

大納言(中はこしあん白いんげん2種類ある。ゲットしたのは大納言だが、フツーの鹿の子よりも大きめ。甘さを抑えた穏やかなこしあんで、外側の大納言(甘納豆)もふっくらと炊かれていて、全体的にやさしい味わい。塩気は感じない。

 

「田中屋本店」

所在地 さいたま市岩槻区本町2-2-43

最寄り駅 東武アーバンパークライン岩槻駅から歩約7~8分