あんこ旅で久しぶりにみちのく会津へ。
会津は東北でも有数の和菓子のメッカだが、あんこ餅など餅の美味いエリアでもある。
野口英世記念館近くの「清作茶屋」もその一つ。2代以上続く歴史のある一軒家茶屋。古民家づくりが期待感を高める。
早朝9時にクルマを止めると、まだオープン前だった。
ここで朝めし代わりに「つきたてもち」を堪能することにした。
磐梯山と猪苗代湖を眺めながら、あんこ、ずんだ、きなこの3種類を食べる。
ある種ぜいたくの極み。
一個200円(税込み)。一皿だと3個で同600円なり。
老夫婦が営む老舗の茶屋で、手打ちそばやソースカツ丼もメニューにある。
「食事はまだ用意できねけど、餅ならすぐ作れっからなし」と会津弁。
狙いはあんこ餅なので、ウエルカムな展開。
【センターは?】
つきたて餅と自家製あんこの素朴な合体
思ったよりも一個の大きさがある。それが3種類。
センターにはもちろん「あんこ餅」を選んだ。
柔らかなつぶあんで、その上につきたて餅がほんわかと乗っている。
あんこの濃い小豆色の海から湯気が立ち上っている。
たまらない光景。
箸を付けると、餅はしっかり搗(つ)かれていて、テカリのあるつぶあんが絡みついてくる。
愛の絡み合い(笑)。
時間を置くと、すぐ餅が硬くなる。
地場のもち米のピュアな風味とつぶあんの控えめな甘さが素朴で、塩気がほんのり。
う・め・え。
つぶあんは北海道産あずきを使用、上白糖と塩で味を調えている。
塩の効き方が絶妙。
箸休めはきゅうりとキャベツの漬物。これも自家製。
「清作茶屋」の屋号は野口英世の幼名「清作」から取ったそう。これを知る人は意外に少ない。
野口英世もひょっとしてあんこ餅で育った・・・そう思うと、甘いあんこの海が世界へと広がっていく気がする。
【セカンドは?】
・ずんだ餅
・きなこ餅
たまたま「ずんだもち あります」と手書き表記されていた。この季節だけの餅。餡ラッキー。
「私が搗(つ)いてるんです。この辺りではずんだではなく、ぬたって言ってんです」
ずんだは仙台地方の呼び方で、会津(一部山形)では「ぬた」だそう。
ご高齢の女将が地場産の枝豆を毎日、搗いている。店主がそれを仕上げている。
美味くないはずがない。
あんこよりも塩気がやや強めで、それがずんだの風味をより濃くしている。
こちらも餅との相性がとてもいい。
きなこ餅はさらに塩気が強めで、地場のきなこの風味がよりくっきりと広がってくる。
きな粉好きにはたまらない味わい。
「清作茶屋」
所在地 福島・猪苗代町大字三ツ和字波波帰目