週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

あん古都😎絶品もなか&焼き菓子

 

招かれざる客、最強寒波団が襲来する前に久しぶりに会津に舞い降りた。

 

みちのくのあん古都、会津若松戊辰戦争では悲劇の町。

 

実は私のルーツでもあるが、城下町なので、いい和菓子屋が意外に多い。

 

中でも市の中心部にある「𠮷田菓子舗」(よしだかしほ)は昔から好きな店。

 

情緒のある店構え。となりは鰻屋。たまらない。

和菓子屋なのにあんぱんや総菜パンも作っていて、店内に入ると、歴史を感じる木枠のケースに実に美味そうな手づくりパンが並んでいる。

 

初めて来たお客はビックリする。

 

午前中に売り切れることも多い。

 

今回訪れたのは午後3時近くだったので、ほとんど売り切れていた(下の写真)。

だが、この吉田菓子舗、和菓子の老舗店でもある。

 

なので、今回はそのキラ星をご紹介したい。

 

すべて小ぶりで愛らしい和菓子類が渋く光っている。

ガラスのケースに納まった、会津らしからぬ(?)焼き菓子、生菓子、餅菓子に改めて目が吸い込まれた。

 

・ゲットしたあんこのキラ星

 栗饅頭 130円(税込み)

 玉糖饅頭 130円

 六方焼き 130円

 栗入り蒸し羊羹 120円

 巴最中 300円(5個入り)

 

【センターは?】

隠れファンが多い最中(もなか)の宝石

 

3代目女将さんによると、わざわざ仙台から買いにくるお客もいるとか。

円形の最中で、サイズは左右天地約40ミリとかなり小ぶり。

 

巴の模様と皮種の香ばしさにまず惹かれる。

パリッと音が出そうな、しっかりとした皮を割ると、中はこしあん

 

このこしあん舌に吸いつくような、しっとりとした上質なあんこで、やや甘めだが、口の中でふわりと広がる感触がたまらない。

唾液がどんどん出てくる感じ。

 

自家製のこしあん(北海道産小豆×白ザラメ)に米飴と麦芽糖、それに寒天を加えて練り上げているようで、それがひと味違う風味となっていると思う。

私の好きな東京・吉祥寺の名店「小ざさ」のもなか(こちらも小ぶり)に似ている気もするが、こちらの方が歴史は古い。

 

●あんポイント 「吉田菓子舗」の創業は大正年間。現在3代目。七日町で「パン屋」としてスタートし、和菓子も作り始め、2代目の時に現在の馬場町に移転、本格的な和菓子屋となったようだ。手づくりのパンと上質な和菓子を今なお作り続けている和菓子屋さんは全国でも珍しいと思う。

 

【サイドは?】

すべてが職人作りなので、迷いに迷った。

 

なので、気に入った順から並列で記すことにしよう。

 

・六方焼き

関西が中心の焼き菓子が会津にも存在していることにちょっと驚いた。

小麦粉ベースの皮(白玉粉と卵・蜂蜜入り)の表面には黒胡麻がパラリと乗っていて、ほのかなごま油の香りがする。

ぎっしりと詰まった黒あんが舌になじむ。小豆の風味がふんわりと来る。

 

思ったよりも柔らかな食感で、口どけがとてもいい。甘さが控えめ。

 

・栗饅頭

これも小ぶりな焼き菓子で、中は白あん。頂上にはケシの実が乗っている。焼き色のよさ、口どけ。控えめな甘さ。フツーに美味しい(下の写真右)。

・玉糖饅頭

皮にオーガニックな赤糖を使った小ぶりな焼き菓子。中は黒あん。たまたまなのか、少し水分が少なめだった。これも甘さが控えめで素朴な味わい(上の写真左)。

・栗入り蒸し羊羹

刻み栗が入った蒸し羊羹で、こしあんと小麦粉、それに葛粉も入っていて、むにゅっとした食感が上質。こしあんがほどよく溶け込んでいる。



「吉田菓子舗」

所在地 会津若松市馬場町1-22

最寄り駅 JR会津若松駅から歩くと約20~30分ほど