週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

GW増刊号😎「希少あんこ2種」大納言とうぐいす

 

本日はGW増刊号です。なので、ゆったり(笑)。

 

みちのくあんこ旅の途中で、那須周辺で隠れた名店探し。

 

で、出会ったのがJR黒磯駅前の「御菓子処 明治屋

木造のタイムスリップしたような外観と入り口で饅頭を蒸かしている光景が心に刺さる。たまらない。

創業以来の「温泉まんじゅう」が有名だが、私の目に止まったのが那須野 春秋最中」だった。

大納言のあずき餡うぐいす餡の2種類。ごらんの通りの断面(半分に切ってみました)。

このあんこがすごい。小豆は地場(那須産)の大納言小豆を使い、うぐいす餡はイギリス産青えんどう豆を自家炊きしている。

 

私的には餡ビリーバブルあんこ。

 

3代目は和菓子職人としての腕前もかなりのお方と推察した。

 

奥の板場はガラス仕切りで外からも見ることができる。

素晴らしい光景。ここまで現場をオープンにしているのはよほどの信念と自信がないとできないことだと思う。

 

伝統と進取の気性に富んだいい和菓子屋さん見っけ、の気分。

 

★ゲットしたキラ星

 那須野春秋最中 10個入り1400円

 (内訳)つぶあん5個

     うぐいす5個

     ※税込み価格です。

 

つぶあん地場の大納言あずきの絶妙

 

サイズを測ると、40ミリ×60ミリ。40グラム。大きめ。

面白いのは皮種に花札の模様を刻印していること。

つまり花札のサイズ。粋な演出。

 

〈実食タイム〉サクサクとした歯触り。素朴な香ばしさが私のあんこ脳に迫って来た。

失礼。皮種を剥がしたら、ごらんの通り一つ一つ手詰めしたことが窺える、魅惑的なあんこボディー(あえてボディーと言いたくなる)が現れた。

口に入れた瞬間、大納言小豆のいい風味が押し寄せてきた。

 

穏やかで甘さは控えめ。

 

塩気がかなり強めだが、それがとてもいいアクセントになっている。

どこか遠い江戸の香りがする。

 

もし「もなか番付」があったら、東の隠れ大関に位置付けたい。

 

うまい最中、というよりうめえ最中と言葉が漏れる。

 

うぐいす餡:蜜漬け青えんどう豆×白あん

以前、ある老舗和菓子屋さんで、うぐいす餡の素材・青えんどう豆は国産よりもカナダ産と聞いたことがある。

 

店のスタッフにそれをぶつけると、「うちはイギリス産青えんどう豆を使ってます」とのこと。

 

ふっくらと炊き上げ、それを蜜漬け

手間暇をかけて、自家製の白あんとブレンドしているようだ。

 

こちらも引き込まれるようなナイスボディー。

 

〈実食タイム〉青えんどう豆の風味が口の中ですっくと立ちあがってくる。

 

私はうぐいす餡も大好きなので、これが上質のものとわかる。

青えんどう豆は柔らかくしっかり炊かれていて、蜜漬けも申し分がない。

 

白あんとのブレンドも絶妙、しっとりねっとりの具合いがとてもいい。

こちらも塩気が強めで、皮種の香ばしさと合わさって、1∔1=3の味わいを生んでいると思う。

 

これだけ素朴にうめえと言いたくなる最中はそうはないと思う。

 

あんこの神様の餡ビリーバボーな、見えざる手を感じてしまった。

 

●あんヒストリー

和菓子屋「明治屋」の創業は明治元年(1868年)。一説ではもともとのルーツは東京・神田のようだ。黒磯の初代はここで和菓子修業をして、千駄木に暖簾分けしたようだ。関東大震災や空襲などでやむなく黒磯に移転。その後、明治屋自体が廃業したために、「暖簾を受け継ぐことになった」(3代目)そう。黒磯に移転してからは数えて3代目になるとか。旅館だった建物をリニューアルしている。

 

明治屋

所在地 栃木・那須塩原市本町4-3

最寄り駅 JR黒磯駅すぐ。