週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

2017-01-01から1年間の記事一覧

締めは築地「茂助だんご」

平成29年も残すところ今日を入れて4日。あ~何とかたどり着いたよ。へとへと。 今年2月5日に東京・人形町「清寿軒のどら焼き」からスタート、東京、奈良、京都・・・と東へ西へと駆け回った。 「週刊あんこ」などというタイトルにしてしまったために、週イ…

あんこスター「御座候」に並ぶ

こう寒いと、今川焼きが無性に食べたくなる。 メジャーなたい焼きではなく、ややマイナーな今川焼きが好み。 埼玉・そごう地下にある「御座候(ござそうろう)」はその一つ。 今川焼き界のスター、だと思う。にゃんこスターよりあんこスター。 本店は兵庫・…

超レアもの「湯葉ぜんざい」

「あんこを求めて三千里」の旅の中でも こ、これは何だ? そう思いたくなる和スイーツもある。 箱根湯本で出会った「湯葉(ゆば)ぜんざい」(税込み 720円)もその一つ。「湯葉丼 直吉(なおきち)」の傑作だと思う。珍作と言った方が近いかもなあ。 湯…

谷中名物「生どら焼き」

ようやく東京・谷中名物のどら焼きをゲットした。 これまで3回行って、3回とも「売り切れ」。 これはもう縁がない、そうあきらめかけていたが、どうしたわけか、朝倉彫塑館を見た後に、ふとのぞいてみたら、「あった!」。それも最後の4個。ちょっとした…

「羽二重団子」夢の跡

竹串を刺した東京の餡団子(あんだんご)と言えば、一に日暮里の「羽二重団子(はぶたえだんご)」、二に築地の「茂助だんご」があまりに有名。 どちらも1個1個こしあんで団子をしっかりと手包みしている。餡団子はこうでなくてはいけない。 私の好みは羽…

花園万頭「ぬれ甘なっと」

花園万頭の「ぬれ甘なっと」(ぬれ甘納豆)を初めて食べたのは昔々。 ただの甘納豆とは見た目も食感もまるで違った。 一粒一粒がテカテカと小倉色の光沢をたたえ、しっかり形を残したまま、驚くほど柔らかくふっくらと蜜煮してあり、噛んだ瞬間、オーバーで…

奇跡の70円あんこ玉

世の中は誠に広い。いわんや、あんこの世界においてをや(気取りすぎだよ)。 世界を少しは知ったつもりだったが、井の中の蛙だった。 と思い知らさせてくれた和菓子屋が、関東最古の大社といわれれる鷲宮(わしのみや)神社門前にある「島田菓子舗」である…

根津のお宝「今川焼き」

たい焼きもいいけど、今川焼きと叫びたい。 「御座候」や「博多屋」(東京・町屋)を食べると、その安さとあんこの美味さに涙が三滴ほど出てしまう(大げさだよ)。 東京・根津と言えば「根津のたい焼き」があまりにも有名だが、もっと古くから暖簾を下げて…

川端道喜「葛湯・おしるこ」

京都の川端道喜(かわばたどうき)。和菓子好きなら、この店名を聞いたら、正座してしまいたくなる、はずである。 なにせ創業が室町時代末期。一子相伝で今も粽(ちまき)を作り続けている。現在は十六代目。「御所」とのつながりは虎屋以上かもしれない。 …

京都・松寿軒の「みかさ」

東京では「どら焼き」、京都・奈良では「三笠(みかさ)山」。関東圏と関西圏と言い換えてもいい。 これを食べるまで、個人的にはどら焼きの最高峰は「日本橋うさぎや」だと思っていた。 だが、正直、上には上がある、ということを思い知らされた。 京都でも…

圧巻、京都の特大おはぎ

京都でおはぎ(春はぼた餅)というと、一に今西軒、二に仙太郎という名前が浮かぶが、ここにあんこ好きにはたまらない異端児がいる。 東本願寺前の七条通に暖簾を下げる「名代おはぎ 松屋」である。 1個が今西軒のおはぎの3個分は優にあると思う。 そのお…

秋の京都「白いさくら餅」

桜もちは春、桜が咲くころが一番美味いと思う。 なのに、京都・嵐山の「本家琴きき茶屋」で食べた秋の桜もちは格別だった。 観光地なので、外国人も多い。観光地の名物に美味いものなし、というのは多分当たっている。 それだけに意外な味わいだった。 清凉…

「宇治金時」の頂上か?

かき氷はあずきに限る。と書いてから「では宇治金時は?」という声がどこかから聞こえてきた。 では、はっきり言おう。あんこ系かき氷好きとしては、抹茶の風味とあんこは微妙に合わないと思う。ちょっとエラソーだが。 あんこと抹茶は器を別にして食べた方…

薄皮饅頭やっぱり美味い

柏屋の薄皮饅頭(うすかわまんじゅう)について書くのは気が引ける。 あまりにもポピュラーになっているからだ。それでもこの饅頭は避けて通れない。 創業が江戸時代嘉永5年(1852年)。初代が奥州街道郡山宿であんこを薄い皮で包んだ蒸し饅頭を売り出…

神保町「こし餡どらやき」

こしあんのどら焼き、というのはあまりない。 ありそうだが、不思議にない。 しかもそれが明治38年(1905年)創業の老舗、となると極めて珍しい。 あの「上野うさぎや」でさえ、創業が大正2年(1913年)である。 東京・神田神保町の「亀澤堂」で…

京都の和三盆氷あずき

虎屋、といえば言わずと知れた和菓子界の頂点の一つ。 室町時代に創業し、皇室御用達の名店として君臨し、明治維新後、天皇とほとんど一緒に東京・赤坂に本店も「遷都」してきた。 だが、もともとは饅頭屋(諸説ある)で、京都御所近くに旧本店がある。 その…

戦国ロマン「くるみ餅」かき氷

大阪・堺といえば、室町・戦国時代に世界を相手に商売を行った環濠都市国家。千利休を生んだ場所でもある。 今は過日の面影はない。壮大なロマンのかけらも落ちていない。 だが、そこに室町時代末期に創業した「かん袋」がある。京都・今宮神社参道の「一文…

悶絶「三段あずき」かき氷

首都圏は長雨が終わり、再びかき氷の季節。 少し前、東京・目白「志むら」驚きの絶壁あずきかき氷をこのブログで書いたが、もう一つの東の横綱を忘れていた。 あずき好きにはたまらないあんビリーバブルなかき氷だと思う。 「浅草浪花家」のあずき(税込み6…

怪物「こしあんブレッド」

この巨大な「こしあんブレッド」を最初に見たとき、驚いた。 こんなのありィ? 食パン一斤分ほどのパンにこしあんがマーブル状に練り込まれていた。表面がこんがり焼かれていて、まるでマフィアの親分のようだった。 一つ460円(税込み)は安くはない。だ…

江戸グルメ「栃餅あんころ」

あんころ餅、は正月に食べるもの・・・とは限らない。 会津・大内宿といえば、江戸時代の茅葺きの古民家がそのまま残る、日本でも有数の歴史遺産だと思う。その数30軒ほど。観光客も多い。 そこに珍しい「栃餅(とちもち)」のあんころ餅がある。 搗(つ)き…

西の赤福、東は深川もち

東京にも伊勢「赤福」に負けないあんこ餅がある。 と書くと、赤福がすごいもの、と思われるかもしれない。 「昔の赤福ならいざ知らず、偽装表示以降はどうもね」 という声がどこかから聞こえてくる。 なので、この場合の赤福は「いい時の赤福」としておこう…

猛暑祝い「あんこアイス最中」

ヘンな話、関東には梅雨がなかった気がする。 それなのに「梅雨明け宣言」とは。気象庁も天気を読めないほどの異常気象ということかな。どうしちまったんだ、地球はん。 こういう時は変化球で猛暑をお祝いすることにしよう。相対化で困難を乗り切る。 で、東…

「塩羊羹元祖」にたどり着く

頂き物で、この塩羊羹(しおようかん)を初めて見たとき、見入ってしまった。 ただの塩羊羹ではなかった。 グレーがかった、灰緑色の凝縮。オーバーではなく、宝石の瑪瑙(めのう)でも見るように、しばらくの間、その場を動けなかった。 明治6年(1873…

あの秀吉の驚きの舌

美しい餅菓子、鶯餅(うぐいすもち)のファンは多い。 何を隠そう、(隠す必要はないのに)私もその一人。あんこを求肥で包み、青大豆きな粉をまぶしたその色と姿は確かにうぐいすを連想させる。 なので、うぐいす餅。春の季語にもなっている。 この命名者が…

天然かき氷「絶壁あんこ」

かき氷は宇治金時かあずきに限る。 ここ数年のかき氷ブームは異常だと思う。 かき氷のビッグバンってとこか。 ワンダーなかき氷がどんどん誕生している。これは悪い話ではない。東京・谷中の「ひみつ堂」がフツーに見えてきたりする。 このかき氷を初めて見…

冷たい七変化「松露」

もうすぐ京都祇園祭が始まる。 この季節になると落ち着かなくなる。 財政難から毎年行けるわけではないので、行けない時はテレビで我慢する。 今年もそうなりそうだ。 で、今回は変化球。祇園で見つけた京菓子「松露(しょうろ)」の我流の食べ方をご紹介し…

自家製あんこに挑む

あんこ作りは難しい、と言われている。 本当か? そりゃあ、プロのレベルのものを作ろうと思うからだと思う。 フツーに作れば、それなりに美味いものができる、というのが結論。 要はやるかやらぬか、だと思う。 あんこが苦手な人はこの際置いといて。 で、…

江戸の夢「むし鹿の子」

「むし鹿の子」というのは珍しい。 それが絶品とくれば、あんこ好きにとっては、とても見逃せない。 その、いわば「あんこの夢」が東京の中心、茅場町永代通りにあるとしたら? かつては江戸の中心だったところでもある。 そこだけセピア色の「御菓子処 田川…

子どもお断り「限定あんバター」

大人しか食べれないあんバター、というのを偶然、見つけてしまった。 あの元祖あんぱんで有名な、東京・銀座木村家を散策中のこと。 酒種の桜あんぱんを買おうと思って、行列に並んだが、ふと「大人のあんバター」の文字が目に入ってしまった。 大人のあんバ…

小豆の頂点、高麗餅の凄味

京都の友人から「御目出糖(おめでとう)」なる和菓子をいただいた。 それが元和3年(1617年)創業の上菓子屋「萬年堂本店」(当時は亀屋和泉)のものだと知ったのは食べ終えてからだった。 大納言小豆を使った蒸し菓子だが、独特の食感で、あまりの美…