あんこ作りは難しい、と言われている。
本当か?
そりゃあ、プロのレベルのものを作ろうと思うからだと思う。
フツーに作れば、それなりに美味いものができる、というのが結論。
要はやるかやらぬか、だと思う。
あんこが苦手な人はこの際置いといて。
で、作ってみた。
北海道十勝産小豆(1キロ)。それに砂糖は今回は三温糖(800グラム)、塩少々。
材料はこれだけ。
小豆を水洗いして、鍋にたっぷりの水を入れ、強火で沸騰させる。小豆が踊り出したら中火にして15分ほど炊く。
それをザルに移して、小豆を冷水で洗う。いわゆる渋切り。渋をわざと残す人もいるが、今回は一回だけすることにした。
たっぷりの水でもう一度沸騰させたら、今度は弱火でじっくりと炊く。アクをていねいに取りながら、慈しむように。
40分~1時間ほどで、小豆の具合を見てみる。手に取ってみて指先ですぐ潰れるほど柔らかくなっていたら、ここで砂糖を三分の一ほど入れる。一度に全部入れると、小豆がびっくりして、固まってしまうので注意。
さらに愛情を注ぎながら、じっくりじっくり炊いていく。同時に残りの砂糖を数回に分けて入れていく。鍋の底にこびりつかないよう、注意しながら、ていねいにヘラ(木べらがいい)で回していく。
このとき何か話しかけてもいい。映画「あん」で樹木希林がやったように。あんこも作り手の愛情を受け止めている。不思議だが、本当だ。
あんこの気持ちになってみる。
ほどよいねっとり感とツヤが出てきたら、仕上げの塩を少々入れて、出来上がりとなる。火を止めて、フタをして、しばらく蒸らすのもいい。
冷めたら、タッパーに移し替え、翌日の朝食などで、パンに付けて食べる。むろん食べ方は自由。
この日は食パン専門店「一本堂」のプレーンを用意、コーヒーを飲みながら、生活クラブの無塩マーガリンで「あんマーガリンモーニング」してみた。
自分で言うのもヘンだが、これが案外イケる。あんこはあん子。まずは飛んでみないと始まらない。