この巨大な「こしあんブレッド」を最初に見たとき、驚いた。
こんなのありィ?
食パン一斤分ほどのパンにこしあんがマーブル状に練り込まれていた。表面がこんがり焼かれていて、まるでマフィアの親分のようだった。
一つ460円(税込み)は安くはない。だが、それを超える好奇心がムクムクと湧きあがってきた。ひょっとして世界でここだけのパンかもしれない。
「パン生地にこしあんを練り込んで三つ編みにしてから焼いているんです。結構技術がいるんですよ」
女性スタッフが得意げに教えてくれた。午前中に売り切れることもあるそう。
東京・千駄木「リバティ」の「ぶどうパン」と同じくらいの衝撃。
蔵の街・栃木市のメーンストリートにある「コエド市場」のパンコーナーでの出会いだった。たまたま入った店。
手に持つとずっしりと重い。それを自宅に帰ってから、パンナイフで切って食べることにした。
パン生地はしっとりとしていて、こしあんを絶妙に引き立てている。こしあんは何と200グラムも煉り込まれているそうで、「マフィアの親分」に見えたのも当然かもしれない。
こしあんは地元の製餡所のもの。地場の小豆を使っている。甘さが控えめで、小豆の風味も十分にある。
牛乳を飲みながら(あんぱんには牛乳が合う)、食パン界のマフィアの親分を味わう。妙な気分になってきた。
所在地 栃木市倭町13-2