週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

限定品「五色のおはぎ」😎旅する和菓子

 

時間が出来たので、新宿高島屋B1で開催中のイベント「旅する和菓子」(全国から8店舗参加)をのぞいてみた(2月19日で終了)。

 

最前線のあんこワールドをこの目と舌で味わってみたい。

 

伝統と革新、あんこからANKOへ? 好奇心がむくむく、どんなものかいな。

 

混雑を避けて、平日の午前中に到着。

今回ご紹介したいのは、まずは滋賀・高島市「とも栄菓舗」。「ベイクドようかん湖々菓楽」など新しい発想の創作和菓子を生み出していることで注目を浴びている和菓子屋さん。

 

見渡す限りキラ星ぞろい。だが、私のあんこハートがときめいたのは「五色のおはぎ」だった。

曲げわっぱに収まった小ぶりのカラフルな創作おはぎ。私が外国人ならKawaii

!」と叫びたくなるね、きっと。

 

五色の創作あんこの中身がびっくりもの。

 

「旅する和菓子 限定」と表記されていて、「コロナで出せなかったので、ここで初めて出しました」とスタッフ。スペシャルな出品とわかった。

 

★ゲットしたキラ星

 五色のおはぎ 1300円

 瑞羊羹(こし) 350円

  ※価格は税別です

 

【センターは?】

創作あんこのチャレンジ力と技術力

 

アプローチ⇒発想力とこだわりが五色のあんこに結実して、源氏物語絵巻のように檜の曲げわっぱの中に納まっていた。はっとするあでやかさ。五色は以下の通りです。個人的に気に入った順に並べてみました。すべて自家製創作餡のようです。

一色目:桃餡

こんなのあり? 和と洋のお見事なマッチングと表現するほかはない。

 

白餡ベースで、桃のペーストを加えているようだ。

大きさは楕円形で約66ミリ×47ミリ。重さは38グラムほど。

 

つまり小ぶりの創作おはぎ。

きれいな桃餡を真ん中から切ると、中心部がレモンクリームチーズで、滋賀産羽二重もち米がたおやかに包み込んでいる。

〈味わい〉桃餡はなめらかでしっとりと舌にささやきかけてくるよう。

 

もち米のピュアなもちもち感とレモンクリームチーズが意外なほど合う。

 

ひょっとしてミスマッチでは?という思いが一瞬で吹っ飛んだ。

桃餡とレモンクリームチーズの酸味が口の中で絶妙に絡み合う。もち米のみずみずしさと合体して、そよ風となって、私を天国まで誘導しそうになった。危ない、あぶない(笑)。

 

この驚きの創作おはぎは4代目のアイデアのようで、発想力と技術の裏付けに舌を巻くしかないなあ。降参です。

 

二色目:粒餡×ヘーゼルナッツ

粒餡とヘーゼルナッツともち米がこんなに合うとはね(下の写真左)。

〈味わい〉甘さを抑えた、雑味のない粒餡のふくよかさとヘーゼルナッツのかりっとした食感が1∔1=3的に融合している。

私にとっては伝統と創作の見事な掛け算。おはぎ=ぼた餅が一気に進化して、未来から2024年にタイムスリップしてきたようと表現したくなる(わかりにくい=汗)。

 

三色目:ピスタチオ餡

白餡×ピスタチオペースト。上になんとピンクペッパーを3粒ほど愛らしく乗せている。これも驚きの発想。

〈味わい〉抹茶色だが、ピスタチオ餡。思ったよりもピスタチオの風味が強くない。むしろ秘すれば花、のよう。しっとりと甘すぎない。

ショッキングなのはピンクペッパー。色はピンクだが、噛んだ瞬間ペッパーが小さく爆発するよう。コショーだ!

 

ペッパーの刺激がピスタチオ餡を上回る感じかな。

 

四色目:こし餡×古代米

藤紫色のきれいなこし餡に吸い込まれそうになる。古代米の素朴なもっちり感。

〈味わい〉雑味のない、職人のきれいな手の香りがするようなピュアなこし餡と古代米の素朴な風味がしっとりとマリアージュしている。

シンプルな中にこだわりがにじみ出てくる、上質な味わい。こし餡のみずみずしさがしばらく舌にとどまる。淡い甘さと余韻も長い。

 

五色目:栗餡ブリュレ風

栗餡をバーナーで(?)焦げ目をつけているのがブリュレ風でおもしろい。

味わい〉栗餡は甘すぎない。ブリュレ感がどこかスイートポテトのような印象。それに羽二重もち米が絡み合う。

これも面白いチャレンジだが、五色の中ではもっとも素朴な印象。秋を感じさせる美味さ。

 

【サイドは?】

瑞羊羹:これほどなめらかな水ようかんはあまりないかもしれない。

 

プラスチックのカップ入り。

素材は砂糖と小豆と寒天のみだが、寒天の存在が表に出てこない。

 

スプーンで掬うと、ゆるゆると崩れそうになる。揺らぎのあんこ。

私的には名刀でスパッと切ったような水ようかんが好みだが、これはこれで一つの究極形ではないかと思う。

 

「水」ではなく「瑞」と表記しているのもこだわりを感じる。

 

●あんヒストリー

創業は昭和7年(1932年)。現在3代目。初代から飾り菓子などで数々の賞を受賞している和菓子屋さん。4代目(息子さん?)も注目の和菓子職人で、新しい発想で和菓子界に旋風を起こしつつある。

 

「とも栄菓舗」本店

所在地 滋賀・高島市安曇川町西万木211-1