週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

醤油の町😍柔らかな宝石「苺のほっぺ」

 

今回は江戸時代からつづく醤油の町、千葉・野田で見つけた独創的ないちご大福をピックアップしたい。

 

その名も「苺のほっぺ」。季節限定の、オリジナリティー豊かな餅菓子。

 

完熟いちごを自家製ミルク餡(白あん+練乳)で包み、赤ちゃんのほっぺのような柔らかい餅で貝殻のように挟んでいる。

 

ちょっとエロティック、に見えなくもない。

 

野田は江戸⇒明治⇒大正⇒昭和・・・とキッコーマンの町としても大いに栄えたが、今は過日の面影は薄くなっている。

 

だが、町中には映画館跡など夢の名残りが多く残っている。

 

私の好きなノスタルジックな世界。

 

ここはあんこの穴場で、実はいい和菓子屋さんが潜んでいる。

 

その一つが「菓匠 磯崎家(いそざきや)

 

できるだけ地場の素材を使い、温故知新の和菓子作りに挑み続けていることがほんのりと見えてくる。

 

〈あんヒストリー〉創業は昭和63年(1988年)。初代と息子さん(2代目)が和菓子作りに励んでいる。初代は埼玉・蒲生の本家で和菓子修業、2代目は製菓学校を卒業、別の和菓子店で修業後に店に入っている。「苺のほっぺ」などは2代目の作品。

 

★今回ゲットしたキラ星

 苺のほっぺ(ビッグ)税込み346円

 豆大福  同135円

 上用まんじゅう 同162円

 よもぎまんじゅう 同124円

 

【センターは?】

羽衣のような餅とミルク餡+完熟いちご

 

季節の生菓子のノボリが5月の風に揺られ、ここがいい和菓子屋さんとわかる。

 

店内に足を踏み入れると、上生菓子から最中、饅頭類までいいラインナップで、私を出迎えてくれた(と勝手に思うことにしている=笑い)。

 

ショーケースをひと通り眺める。あんこアイ(eye、または愛)がその一点で止まった。

 

「苺のほっぺ」(いちごのほっぺ)。

 

女将さんに聞くと、サイズは3種類あり、フツーサイズ、ビッグサイズ、メガサイズだそう。

 

人気の生菓子なので、午前中に売り切れることも多いとか。

 

たまたま残っていたのが「ビッグサイズ」だった。二番目の大きさ。

 

日持ちしないので、その約4時間後、自宅で賞味となった。

 

●見た目

ごらんの通り、柔らかな羽二重餅でみずみずしい完熟いちごと白あんベースのミルク餡を上下から挟み込んだ形。貝殻状の隙間から真っ赤な完熟いちごが見える(左は豆大福)。

 

柔らかな宝石、と表現したくなるような。

 

測ってみたら左右約70ミリ、幅約50ミリ。重さは89グラムほど。

 

手で持つと、柔らかさが伝わってくる。

 

扱いを間違えると、手にくっつくよう。

 

卵白を加えて練り上げているとか。

 

中心部は野田産の完熟いちご仕入れによって大きさが変わる)。それを北海道産手亡豆をベースに練乳を加えた自家製ミルク餡が覆っている。

 

これが包丁で切った断面です。

 

あまりに柔らかいので包丁で切るのに苦労した。

 

ある種セクシーな創作いちご大福だと思う。

 

●味わい

デリケートでキュートないちご大福と言えるが、口に運ぶと、ミルク餡と完熟いちごが柔らかすぎる餅と絶妙な複合作用で寄せてくる。

 

それぞれが自己主張しすぎず、全体をワンランク高めの調和へと連れて行ってくれるよう。

 

ミルク餡にはほんのりと塩気があり、完熟いちごのジューシーな酸味とよく合っている。

 

これはアイデアも含めて、この店のチャレンジ精神と技術の裏付けを感じさせられる。

 

上品な余韻がしばらく舌の上の残る。

 

【セカンドは?】

豆大福:小ぶり(約66グラム)で赤えんどう豆がふっくらと炊かれていて、柔らかな杵つき餅と中のつぶあんがいい具合にまとまっている。塩気の効き方もほどよい。つぶあん北海道産小豆と砂糖(多分グラニュー糖)のバランスがいい。渋抜きをしっかりとしたふくよかなあんこが好感。

 

上用まんじゅう:皮にヤマトイモを加えた薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)で、皮のベースにある米粉のきれいな風味と中の藤紫色のこしあんの融合が舌にピタッと来る。上生菓子の小世界。皮の表面の織部模様が美しい。

 

よもぎまんじゅう:今の季節限定の小麦粉まんじゅうで、練り込まれたよもぎの風味がさわやか。中は濃厚なつぶあん。ほんのり塩気と全体のもっちり感がいい具合にクロスしてくる。ちょっとした掘り出し物を見つけた気分になる。

 

《編集長のつぶやき》

▼今回は書けなかったが地場の枝豆を使った珍しい最中もいい味わいだった▼野田は枝豆の産地でもある▼枝豆のあんこ(ずんだ)は仙台だけではない、と舌が理解した▼地域ブランドの和菓子化の動きも注目していきたい。

 

「菓匠 磯崎家」

所在地 千葉・野田市岩名2-15-38

最寄り駅 東武アーバンパークライン川間駅から歩約13分