数年ぶりに群馬の名湯、伊香保温泉で一泊と贅沢を決め込んだ。
目的の一つがもちろん温泉饅頭。
郷愁をそそる石段を中心に約10軒ほどが製造販売しているが、今回は独断で私が真打と認定(勝手な認定ですが)している二つの渋い名店をピックアップした。

一つ目は温泉饅頭の元祖と言われる「勝月堂」(上の写真㊨)。明治43年創業、現在4代目。


もう一つは昭和レトロ感漂う「大黒屋」(同㊧)。創業は不明、現在3代目。


🐈⬛アプローチ
勝月堂は初めて食べたときにこしあんの美味さに驚かされた、温泉饅頭一本勝負の店。「湯乃花まんじゅう」の名称で、早朝から数人の職人さんが手づくりしている光景はあんココロに迫るものがある。
もう一軒は当初、別の店を取り上げるつもりだったが、宿泊した旅館の敷地内のシックなカフェ&バー「楽水楽山」で注文したメニューに「大黒屋のあんこ添え」と表記してあり、これが素晴らしいこしあんだった。この大黒屋が隠れた名店と呼びたくなるレトロな専門店だった。で、急きょ土俵に上がってもらうことにした。
★今回ゲットしたキラ星
・勝月堂「湯乃花まんじゅう」
6個入り 950円
・大黒屋「湯の花まんじゅう」
6個入り 850円
※どちらも税込み価格
【勝月堂(しょうげつどう)】
サイズは直径約50ミリほど。重さは約32グラム。


大きくはないが小さくもない。
黄土色の薄めの生地は柔らかく、ほんのり黒糖の香りがまとっている。


約5年半前に食べたときは蒸し上げたばかりを店の前で食べて、その美味さにあわや昇天しかかったが、今回は買い上げた翌日の賞味となった。賞味期限は「2日以内」。
手で割ると、いい色の自家製こしあんが「おいで」と言った(気がした)。

🧐実食タイム
いい香りがすっと立ち上がり、誘われるようにガブリと行くと、塩気強めのこしあんがなめらかに広がってきた。

こしあんのいい風味(北海道産小豆×上白糖)がふわりと来た。

相変わらずうめえ~。
とはいえ以前ほどの圧倒的な感動は気持ち来ない(あくまでも個人的な感想です)。
蒸し立てと一日後の違いかもしれない。
それでも粒子を感じる真打のこしあん、と余韻を楽しみながら確認した。
●あんポイント
勝月堂の初代半田勝三は東京の老舗「凬月堂(ふうげつどう)」で修業した後、故郷の伊香保に帰り、菓子屋を開業(明治43年)。そのときに古老から「伊香保には名物がない。何か考えてほしい」と頼まれ、試行錯誤して「湯乃花まんじゅう」を完成させたそう。これが日本で初めての温泉饅頭になったと言われている。
【大黒堂(だいこくや)】
サイズが勝月堂よりも一回り大きい。


生地の黒さとテカリがすごい。親分、と言いたくなる。
直径約55ミリ、重さは約56グラム。
ミドル級とフェザー級くらいの見た目。

大きければいいというものではないが、黒糖の風味が勝月堂よりも強い。

売り切れ御免の店なので、早めに無くなることもあるようだ。
🧐実食タイム
生地がしっかりしていて、手で割ると、もっちり感とともに自家製こしあんがぬっと現れて来た。ド迫力。

こちらも余分な添加物は使用していない。
生地に崩れがない。
こしあんのボリュームが圧倒的。

塩気が同じようにほんのり広がり、なめらかでいいあんこ。
黒糖の余韻がしばらく舌の上にとどまる。

勝月堂に負けない、真打あんこだと思う。
コスパだけで考えると、こちらに軍配を上げたくなるが、勝月堂の洗練も捨てがたい。
強引に言うと、洗練と素朴の勝負となるかもしれない。
なので、ここは好み次第と逃げることにしよう。
「勝月堂」
所在地 群馬・渋川市伊香保町伊香保591-7
「大黒屋」
所在地 群馬・渋川市伊香保町伊香保59