私にとってはあんこの神様のサプライズ、と表現したくなる出来事。
久々すごい和菓子屋さんと出会った。

当てのないあんこ旅で、栃木・鹿沼に降り立った。
「和菓子処 小太刀(こだち)」の屋号にあんこセンサーがピコピコと反応した。
伝統と新しさを感じる、いい雰囲気の店構え。

「いちご大福」や「草餅」のノボリが寒風にひるがえっている。
当たりかハズレか? 身が引き締まる。
★ゲットしたキラ星
手焼きどら焼き 290円
梅どら 420円
栗どら 420円
※すべて税込み価格です。

😎アプローチ
これまでどら焼きはかなり食べているが、ローカルのあんこ旅では山形市「榮玉堂(えいぎょくどう)」以来の予想越えの出会いとなってしまった。
東京三大どら焼きと比較してもそん色ないどころか、実食した後、それを上回るのでは?と思わされる餡ハッピーな波に襲われた(盛りすぎ?いやいや)

店構えからここが地元では人気の老舗和菓子店だとすぐに理解した。
旬が始まった草餅やいちご大福も食べて、手抜きのない造りに舌鼓を打ったが、ゲットしたどら焼き3種類がスゴ過ぎて、今回はこのどら焼きトリオをメーンに据えたい。
【センターは?】
手焼きどら焼き:つぶあんの質と量にヤられた

まずはそのお姿を見ていただきたい。

サイズは約75ミリ×72ミリ。手焼きなので形に若干のブレがある。
重さは予想越えの121グラム。ずっしり感。

自家製つぶあんの色と厚みを見ていただきたい。
良質の北海道十勝産小豆をじっくり炊いたことがわかる、濃い藤紫色の柔らかな密度。

ごらんの通り、あんこのボリュームがハンパではない。
どら皮は蜜と卵黄を吸い込んだような、ふっくら感としっとり感が伝わってくる。
🧐実食タイム
噛んだ瞬間、どら皮から卵黄の香りがふわっと来た。
驚きのドラマはそれから。

小豆の皮まで柔らかく煮詰められたつぶあんのいい風味がのしかかるように押し寄せてくる。
その広がり。
甘さがほどよい。

渋切りをしっかりしている、透明感のある、深い味わいに、東京や京都ではないローカルスポットで「どら焼きの名品」を見つけた思いがじわじわと来た。
首都圏にこんなうめ~どら焼きが隠れていたなんて(別に隠れていたわけではない)。
あんこ旅の醍醐味をしっかりと噛みしめる。
😎あんヒストリー
創業は昭和6年(1931年)。現在3代目。訪問した時は3代目は仕事中でお会いできなかったが、店のスタッフの話を総合すると、埼玉の菓子専門学校を出た後、東京の和菓子店で職人修業。鹿沼の実家に戻って跡を継いだようだ。驚かされるのは和菓子(生菓子)の種類。地場の素材にこだわり、添加物を使用しない、和菓子づくりの王道を歩んでいる。伝統と新しさの融合にもチャレンジしているようだ。

【サイドは?】
梅どら:白あん✖梅と紫蘇の絶品あんこ

これも驚かされた一品。
大きさは同じくらいだが、中のあんこがかなりの凝り方。

見た目は小豆餡のようだが、よく見ると白あんに紫蘇(しそ)がブレンドされている。
その厚みの中心部には梅の果肉(ゼリー状)が入っていて、これが絶妙な酸味となって、甘さ控えめな紫蘇餡とコラボしている。

心地よい塩味と吹き上がる白いんげん豆の風味が口の中でマリアージュし、小豆餡とはまた違った味わいをつくっている。
柔らかなどら皮との1+1=3のクリエイティブな世界。
うめ~、が二度三度と口からこぼれてくる。
栗どら:栗丸ごと一個とつぶあんの圧倒
三つの中で重さが一番ある。

なんと135グラム。ちなみに梅どらは約119グラム。
ただでさえあんこの量がすごいのに、そこに砂糖漬けの栗が丸ごと一個。

これはもはや反則レベル(いい意味で笑うしかない)。
この蜜煮栗がやや固めで歯ざわりが素晴らしい。

栗の風味とつぶあんの幸せな結婚。
芳醇なつぶあんとの口内合体がクールな味わいとなっている。

表現が見つからない。
どら皮の中の恐るべきあんこの七変化、と無理やり。
ローカルの困難とチャレンジ精神・・・改めてすごい和菓子屋さんだな、と独りごちるのだった。
「和菓子処 小太刀」」
