今回は京都のおはぎの話です。 あんこの魔都・京都には甘味処が星の数ほどあるが、歴史の沁み込んだ店構えや品書き、手間暇を惜しまない作り方、味わい・・・個人的にこれは別格、と心がときめいた甘味処は多くはない(なんだかエラソーだ)。 その最上位あ…
今回は「京都あんこ旅」正月スペシャル版です。(カッコつけすぎだ) 苦労してようやくゲットした、今出川の「御菓子司 本家玉壽軒(ほんけたまじゅけん)」の「高砂饅頭」(酒まんじゅう)を取り上げたいとも思います。 創業が慶応元年(1865年)。現在…
あけましておめでとうございます。 令和7年、乙巳(きのとみ)。変化しながら柔軟に発展する、という意味があるそうですが、そうなることを祈念したいと思います。 などと固めのご挨拶から。 〈餡プローチ(アプローチのつもり)〉 本年の第一回は、蛇では…
今日が令和6年(2024年)最終号となります。あー疲れた(笑)。 今年も飽きもせずにときどき故障する「あんこセンサー」を駆使、歩いて、探して、食べまくったが、最終号は甲辰のトリを飾るにふさわしい朝ナマの和菓子屋さんをご紹介したいと思います。…
関西あんこ旅の目的の一つが大阪「出入橋きんつば屋」(でいりばしきんつばや)本店。 約4年前のこと。コロナで緊急事態宣言が出かかったころ、私は大阪で和菓子屋巡りの真っ最中だった。今思うと紙一重のあんこ旅だったと思う。 本店には行けずに北浜店で…
東京・人形町「清寿軒」(せいじゅけん)といえば、江戸時代末期から続くどら焼きの老舗として泣く子も黙るいぶし銀の名店。 現在7代目。暖簾を広げない、和菓子屋としての姿勢が素晴らしい。 私にとっては日本橋「うさぎや」に並ぶ「どら焼き殿堂入り」の…
かつて「西の西陣、東の桐生」と謳われた織物の町・桐生市は実は「和菓子の町」でもある。 今では過日の賑わいはないが、歩くと風情のある老舗の暖簾があちこちに下がっている。 歴史と文化のある所にいい和菓子屋が隠れている。それを探す楽しみ。 今回ご紹…
すっかり師走だが、先月、つまり晩秋に東京・神保町の「御菓子処 さゝま」の紺地の渋い長暖簾をくぐった。 長暖簾には「御くわし屋」とこだわりを感じさせるくずし文字で表記されている。 ここは知る人ぞ知る都内でも有数の上生菓子屋さん。 季節ごとの生菓…
東京・人形町は大好きなエリア。 江戸⇒明治⇒大正⇒昭和のいい和菓子屋が多い。 私の中では観光客でごった返す浅草よりも渋い、ある種モダンな系譜も感じさせるオーラをまとった町。 今回ご紹介したいのは、いい店構えの「京菓子司 壽堂」(ことぶきどう)。 …
三鷹に住んでいたとき、吉祥寺は散歩エリアで、今も大好きな街の一つ。 若者の街だが、いい和菓子屋、隠れた名店も多い。 中でも「吉祥寺虎屋」は私にとっては宝石箱の一つ。 寒風のなか、久しぶりに舞い降りて(という気分)、ハーモニカ横丁をブラ歩き、「…
美味いもの探しの秋深し。今回も目黒編。 私にとっては目黒のさんま、ではなく目黒のあんこ・・・とつぶやきたくなる。 大久保だんご⇒御菓子司玉川屋へ。 以前から訪問してみたかった和菓子屋さん。 庶民派茶屋の大久保だんごとはまたひと味違った店構え。 …
この掛け算にはあんこ大好きの私もびっくり。 ちょいとおしゃれな街、東京・中目黒「寿 kotobuki tokyo」。 ガラス張りのこじゃれた小さなカフェだが、ただのカフェではない。 入り口に「ようかん×チーズケーキ」と表記されたバナースタンドが、私のあんここ…
「大久保だんご」と言えば、東京の古い暖簾の一つで、目黒から高輪、白金エリアにかけて3軒ほどある。 和菓子屋と食堂を今も併設している、レアなスタイルがクール。 創業が大正初期という歴史もさることながら、ルーツは同じながら、それぞれが独立した和…
古都・足利は歴史遺産の街でもあるが、隠れた和菓子のメッカでもある。 地味だが、いい和菓子屋さんが多い。 中でも最も驚かされたのが「いせ家本舗」。 アプローチ:ハズレて元々の気持ちでメーンストリートを少し離れて、「あんブラ」(新しいキラ星探し)…
あんこ旅を続けていると、思わぬキラ星に出会うことがある。 日本一暑い街・熊谷は私にとってはその希少なエリアの一つ。 「四季の和菓子 ばらや」との出会いは驚きだった。 高くて美味いは当たり前、安くて美味いは? 今年の春、風のたよりで「豆大福がとっ…
朝ナマのおいしい大福に出会うと、世界がとたんに輝き始める。 あんこの番外地(失礼)ともいわれる千葉・南柏で出会ったのがこのキラ星たちです。 あんこ仲間の情報で、ダメもとで途中下車してみたのだが、これが当たりだった。 「伊勢屋 南柏本店」。 「伊…
これって、あんこの神様の導きかも? と、言いたくなってしまった。 今回のみちのくあんこ旅で驚かされた店が福島市の「菊屋本店」。「菊屋の羊羹本舗」として地元ではよく知られている和菓子屋さん。 歴史を感じさせる蔵造りの、渋い店構え。 無添加造り羊…
みちのくあんこ旅で久しぶりに会津若松へ。 発端は地元からのあんこネットワーク情報で「朝生のすごい饅頭屋があることご存知ですか」という写真添付メールだった。 写真を見て心が騒いだ。 普通の饅頭の2~3倍は優にあり、しかも中のあんこのボリュームに…
新一万円札の顔になった渋沢栄一の出身地、深谷市にはいい和菓子屋さんが多い。 「古伝餡 濱岡屋」(こでんあん はまおかや)もその一つ。 創業が明治25年(1890年)。現在5代目。 あんこづくりのこだわり方が凄い。 あの徳光和夫さんもこの店のあん…
本日は日曜増刊号です。 古都鎌倉の「納言志るこ店」(なごんしるこてん)と言えば、知る人ぞ知るいぶし銀の甘味処。 観光客でにぎわう小町通りをちょいと横道(路地)に入ると、そこだけ昭和が生きているよう。意外な穴場。 「納言志るこ店」のレトロな立て…
今回は東京・広尾で見つけた和モダンな和菓子屋さんのキラ星を取り上げたい。 広尾エリアは各国の大使館が点在し、インターナショナルな高級住宅街のイメージが強い。有栖川宮記念公園や聖心女子大もある。 、 遠い昔、私が短期間勤めていた広告代理店のあっ…
京都と並ぶ人気地帯、古都鎌倉の観光客ラッシュはなるべくなら避けて通りたい。 だが、あんこ旅は甘くはない(笑)。あんこの神様は許してくれない。 どうしても寄りたい店が2軒ある。 その一軒が老舗和菓子処「長嶋家(ながしまや)」。 鎌倉の中でも最も…
炎天下のあんこ旅で、海苔(のり)養殖の発祥地と言われる東京・大森でめちゃウマ「のり大福」と出会ってしまった。 言葉遊びではないが、ノリのいい餡ラッキーな遭遇(笑)。 旧東海道、美原通り(三原通り)に、いぶし銀の立派な店構え。 「御菓子処 大黒…
和菓子界において、山形の老舗「乃し梅本舗 佐藤屋」は面白い位置にいると思う。 創業が文政4年(1821年)、現在8代目。 伝統菓子「乃し梅」を守りながら、斬新な和菓子づくりに挑戦し続けている。 「&プレミアム2月号 あんこと、きなこ」(マガジン…
京都が秀吉なら、仙台は伊達政宗が造った街となる(諸説あるが)。 いい和菓子屋や餅屋が多いが、私にとっての謎は上生菓子の小世界である。 「御菓子司 賣茶翁」(ばいさおう)の名前は以前から知っていたが、敷居が高そうなので、これまでは足が向かなかっ…
三度目の訪問でようやく食べることができた。 今回のみちのくあんこ旅の目標地点の一つ。 知る人ぞ知る、山形のどらやき専門店&カフェ「榮玉堂」(えいぎょくどう)。 創業が江戸時代末期。現在7代目。 午前中に売り切れてしまうことも多く、ゆえに今回は…
猛暑の中、みちのくあんこ旅へ。背中に羽根が生えたよう(笑)。 トップバッターはづんだ餅で知られる「村上屋餅店」(仙台市)です。 きれいな枝豆色の暖簾に「づんだ餅」と白く染め抜かれている。 昔から1ミリも変わらないシンプルな店構え。 「ずんだ」…
東京・人形町から水天宮エリアは都内でも有数のあんこエリア。 玉英堂彦九郎、三原堂本店、壽堂、甘味処初音、東海、人形焼き重盛、たい焼き柳屋・・・指折り数えるときりがない。 持ち帰り専門「江戸甘味處 つくし」もその一つかもしれない。 創業当時のレ…
旧東海道にはいい餅菓子屋さんが多い。 今回ご紹介したいのは、品川宿と川崎宿の途中、いわゆる間の宿(あいのしゅく)、江戸時代から行きかう人が多い三原通り(現在は美原通り、あるいはミハラ通り)で出会った朝ナマの和菓子店です。 炎天下、店の前に立…
犬も歩けばいいあんこに当たる。 くず桜の美味しい季節だが、このくず桜はちょいとレベルが違った。 サッカーの街でもある千葉・柏市。 あんこ仲間の情報で、駅からかなり離れた場所に「編集長好みのすごくいい店がありますよ」とのメール。 食べログなどで…