週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

あんこ怪物「いもまん」😎会津若松「あんこや」

 

みちのくあんこ旅で久しぶりに会津若松へ。

 

発端は地元からのあんこネットワーク情報で「朝生のすごい饅頭屋があることご存知ですか」という写真添付メールだった。

 

写真を見て心が騒いだ。

 

普通の饅頭の2~3倍は優にあり、しかも中のあんこのボリュームに目が吸い寄せられてしまった。汗が数滴。こ、これは・・・行かずばなるまい。

城下町・会津若松には「羊羹ファンタジア」などで知られる上菓子屋「長門屋」「吉田菓子舗」「会津葵」はじめいい和菓子屋が多い。

 

だが、今回の和菓子屋は京都で言う「おまんやさん」そのもの。朝生の饅頭屋。

 

「あんこや」というそのものズバリの店名も気になる。

 

しかも創業90年くらいと歴史があることもわかった。

 

私にとっては「し、知らなかった」では済まされない。

 

午後2時前に到着。

店はシンプルでお世辞にもきれいとは言えないが、どこかセピア色の郷愁を感じさせる。

 

店内に一歩足を踏み入れたら、蒸篭の匂いとあんこの甘い香りが飛び込んできた。

豆大福やおはぎ、水ようかんなどはすでに「SOLD OUT」。うむむ。

 

メーンの饅頭(蒸かし立て)が3種類ほど、それにあんこ玉が数個残っているだけだった。

 

饅頭のデカさと面構えにアンココロがときめいた。

こりゃすごいね。

 

白衣の店主が奥から出てきた。

 

★ゲットしたキラ星

 茶まんじゅう 150円

 吹雪まんじゅう150円

 いもまん  180円

 あんこ玉(こしあん)120円

     (ずんだ) 120円

 ※価格は税込みです。

【センターは?】

怪物級「いもまん」:つぶあんとさつまいもの合体

 

まずは三役のそろい踏みを見ていただきたい。

左から吹雪まんじゅう、茶まんじゅう、いもまん。

 

皮の素朴な薄さと中のあんこの存在感がとにかくすごい。

 

店主の熟練の手の動きまで感じるほど。

 

無添加づくりなので、できれば今日中に食べてください」(店主)

 

全部「超えてる」感だが、その外観から最も驚かされたのは「いもまん」。

黄色いマグマ状の薄皮生地から中のあんこが今にもはみ出そう。

 

大きさは左右85ミリ~87ミリほど。でか~。

 

重さは200グラム超

 

野球の硬式ボールよりも大きいんでは?

 

「早めに、できれば今日中に」という縛りがあったので、宿泊先の旅館で賞味となった。

●実食タイム 蒸かし立ての余韻を残す艶やかな皮生地(小麦粉)を両手で割ると、ムニュリとした感触とともに、あずき色の柔らかなつぶあんとさつまいもがドスコイと現れた。わわわ。

食欲中枢を刺激するいい匂い。

 

温もりが残る皮生地の薄さとこれでもかと詰まったつぶあんサンドされたさつまいものド迫力に身体ごと吸い込まれそうになった(ホントです)。



つぶあんは甘さが抑えられ、柔らかな甘いさつまいもと口の中で合体すると、幸福ホルモンがどんどん広がってくるよう。

 

つぶあんとさつまいもの割合は7対3くらいかな。

 

惹かれたように食べる。

あずきのいい香りがしばらく口内にとどまる。

 

このボリュームで180円が信じられない。

 

個人的な感想では熊本の「いきなりだんご」や川越の「いも恋」に負けていないどころかマリアージュにおいては凌駕しているのでは?

 

唾液がどんどん出てくる。

 

会津でまさかのびっくり。

 

【サイドは?】

吹雪まんじゅう:圧倒という意味ではこれが一番かも

岩(つぶあん)に張り付いた吹雪のド誘惑。

 

柔らかく煮詰められたつぶあんのあまりの量に笑いすら出てきた。

つぶあんからはほんのり塩気がにじみ、ほどよい甘さを押し上げている。

 

すごいボリュームなのに、気が付いたら、一個ぺろりと胃袋に消えていた。

 

茶まんじゅう:こちらはこしあんの塊り?

黒糖の皮生地は薄く、その分こしあんのマックス感とまったりとした味わいに「これって現実?」とため息が漏れてしまった。

あまりに素朴な、あまりに無骨な、恐るべき茶まんじゅう。

 

特上ではなく、中の上を極めたような美味さ。

 

あんこの量は普通の茶まんじゅうの優に3~4倍はあるのでは?

これも重さは200グラムオーバー。

 

2~3回切り分けて、ようやく食べ終えた。

 

おまけ⇒あんこ玉:こしあんずんだ

饅頭があまりにデカいので、かなり小さく見えるが直径35ミリはある。

 

表面の寒天の膜は気持ち程度。

 

舌の上で溶けていくこしあんの美味さが光る。

甘さが控えめで、ほんのり塩気も。

 

ずんだは地場の枝豆を使用、柔らかなつぶつぶ感も心地よい。

甘さをかなり抑えていて、ピュアな素朴がいい余韻を作る。

 

店主の手の感触が昭和を感じさせる。

 

〈あんヒストリー〉

▼現在3代目。創業は昭和の初期で「90年くらい経ってます」とか▼もともとは製餡所で、和菓子も作るようになり、全国の物産展などにも出向き、行列のできる店にもなったそう▼「あんこや」の店名は「昔からそう呼ばれていたので、自然にそうなった」とか▼約5年前に建物の老朽化で市内の中心部から現在に場所に移転。それに伴い、建物の狭さからあんこは製餡所に特注、レシピ通りに作ってもらっているそう▼時期が来ればあんこも以前のように自家炊きに戻したいと話してくれた▼応援したくなる和菓子職人さんだ。

 

「あんこや」

所在地 会津若松市七日町2-15

最寄り駅 JR只見線七日町駅から歩約5分