あんこ狂の私にとっては特別な場所。
文政元年(1818年)に屋台売りから創業した「榮太樓」の、あんこ界のシーラカンスのような「名代きんつば」があれば、どら焼きの老舗もある。
タイムマシンがあれば、日本橋が京都・大阪に直接つながる、進取の気性に富んだエリアだったことがわかるはず(可能ならタイムマシンにお願い、したくなるぜ)。
という前振りはさておき。
あんこネットワークの情報で、日本橋コレド室町2地下に足を運んだ。

目的は「ほしのバター」。
つくっているのはどら焼きと最中(もなか)の2種類だけだが、それぞれあんこは4種類ずつ。
熊本産の希少なジャージー牛から取ったピュアなバターを中心部に置き、それぞれ4種類のあんこで彩っている、和と洋の新しい試みでもある。

テイクアウトのみのシンプルでシャレた店に女性スタッフが2~3人ほど。にこやかに応対していた。
私が知っている和菓子屋さんとは趣が違う。

1個当たりの価格設定が300円超とそう安くはないが、立地を考えると、メチャ高くもないかな、とも思う。
★ゲットしたキラ星
あんバターどら焼き 300円
あんバター最中 300円
※すべて税別価格です。

【メーンは?】
あんバター最中:皮種とこしあんと希少バターの掛け算

個人的にはどら焼きよりもこちらの方に軽い衝撃を受けた。
淡いきつね色の、気品すら感じる円形の種(皮)。
直径約71ミリほどで、重さは約58グラムほど。
手触り感がすべすべとしていて、つい頬ずりしたくなる。
🧐実食タイム
種と中身が分けられていて、食べるときに自分で合体させなければならない。


最中のパリパリサクサク感を守るために、この形式を取る和菓子屋さんが増えているが、個人的な好みから言えば、この形式はそう好きではない(昔気質なので)。
よく見ると、こしあんを求肥の膜で包んでいる。あんこの透け方にドキッ(笑)。
さて実食。


歯を立てると、種の安定したサクサク感がやはり凄い。
同時に香ばしさがまず口中に広がる。
続いて、上質なこしあんと主役のバターが合体して私の味覚中枢に波状攻撃を仕掛けてきた。
求肥餅がもっちりといいアクセントをつけている。

これは・・・何という掛け算、和洋のクールなマリアージュ。
熊本産ジャージー牛の鮮度を感じるピュアな有塩バターが中心部から放射状に広がってきた。
いい風味の掛け算の素晴らしさ。
1+1+1が=3にも4にもなっていく。

うめえ、という言葉を忘れるほどうめえー。
舌の上でバターが蕩ける感触がとてもいい。
想像の少し上を行く、新しい、くすぐられる食感。
かつて江戸の起点ともいうべき場所で、和と洋を合体させたあんバター最中がこれからどう花開くか、楽しみではある。
【サイドは?】
あんバターどら焼き:パンケーキのようなどら皮との三角関係

どら皮はきれいなきつね色で、厚みはない。
サイズは直径約80ミリ。重さは約73グラム。
むしろパンケーキのような食感。
ここでもジャージー牛の有塩バターが中心から広がってくる。

絶妙な塩味。しっとりしたこしあんとの相性がとてもいい。
あんこのボリュームはたっぷり。

コーヒーとの相性もいいが、シャブリのような白ワインとも相性がよさそう。
辛口の純米酒とも合うかもしれない。
あるいは三角関係の密度が高まるかもしれない、かな(あくまでも個人的な感想です)。
●あんヒストリー
親会社は異業種からの参入。ミシュラン一つ星の料理店「御料理まつ山」の店主松山照三氏の監修でこの和洋の合体菓子の実現にこぎつけたようだ。コレド室町2店がオープンしたのは令和6年(2024年)5月で歴史は浅い。銀座シックスに2号店もオープンさせている。日本橋でのチャレンジはこれからが楽しみではある。
「ほしのバター」コレド室町2店
所在地
