茨城・笠間は日本有数の栗の産地でもある。
和菓子に栗は欠かせない。
質の高さ、生産量など今や日本一の称号すら冠している黄金のエリア、といっても過言ではないかも。

栗とあんこの神様がどこかにいるに違いない。

笠間稲荷神社に参拝してから、この地の老舗和菓子店「御菓子処 松島」の暖簾をくぐることにした。

ここで栗蒸し羊羹(季節限定なので今月一杯まで?)など栗菓子をゲットするのが今回の狙い。
神社通りを少し入った場所にいい店構えが見え、「笠間の栗」のノボリが寒風にはためき、店内に足を踏み入れると、地場の笠間栗を使った和菓子がそこかしこにいぶし銀のオーラを放っていた。

びっくり⇒ゆっくり⇒じっくり・・・目があんこセンサーがピコピコ作動し始めた。
★ゲットしたキラ星
栗蒸し羊羹 250円
登り窯 480円
栗木立ち 380円
栗どら焼き 300円
※すべて税込み価格です。

【センターは?】
登り窯:渋皮煮の栗が丸ごと一個
栗蒸し羊羹に目が奪われたが、私の目はこの店の創作菓子「登り窯」に吸い込まれていた。なんじゃ、これは?
店の女性スタッフが「笠間の栗を丸ごと1個渋皮煮したものを自家製白餡で包み、さらにパイ生地で包んだもので、自慢の創作菓子なんですよ」と説明してくれた。

笠間は陶器の街でもある。それゆえ菓銘に「登り窯」と付けたようだ。
480円はそう安くはないが、手間暇の掛け方や3層の凝った構造、味わいを考えるとリーズナブルだと思う。
🧐実食タイム
紙のパッケージを取ると、洋菓子のような外観が現れ、大きさはややデカめ。重さは約60グラム。

菓子ナイフで真ん中から切ってみる。

バターの香りがさっと広がり、中央に渋皮煮(渋皮を付けたまま蜜煮した、手間のかかるもの)が鎮座していた。

その周りには白餡が地球の大気圏のようにぐるりと包んでいる(表現がちょっと陳腐かな)。でもそんな印象。
よく見ると求肥の膜も見える。

口に入れた瞬間、サクッとしたパイ生地のバターの香りと白餡の柔らかな風味が軽やかに来て、その後に渋皮煮の大栗が「ワイが主役やで」と豊かな風味を従え、広がってきた。

渋皮の素朴な風味が時間をかけて柔らかく煮詰められた笠間栗をメーンステージに押し出してきた。これは凄いね・・・そんな感じ。
凝縮した栗の風味がワンランク上。
白餡の伴走もさり気ない深味を演出している。
コーヒーでじっくりと味う。
【サイドは?】
栗木立ち:栗餡とこし餡しぐれの渦巻き

しっとりとしたしぐれ(こし餡と米粉・餅粉を混ぜ合わせて蒸したもの。村雨ともいう)の美味さが私好み。
笠間栗と小豆のマリアージュが口の中で広がる感触は得難い。

2種のあんこが口の中で合体し、融け合う感触はたまらない。
なめらかでやさしい、上品な甘さ。

渦巻き状の波にわが身が引き込まれていくのがうれしい。
栗のかけらが点々と入っていて、さりげない造りも好感。
😀あんヒストリー
創業は昭和13年(1938年)。現在4代目。地場の素材を使った和菓子や創作菓子をつくっている。創業当時からの「もなか」(笠間八萬五千石)も絶品。

栗どら焼き:栗とつぶあんの見事な融合

やや濃いめの焼き色。柔らかな手焼き、つぶあんの量と上質、蜜漬け栗が丸ごと。
サイズは直径が約83ミリ、重さは約107グラム。
手に持った瞬間、ずっしり感に好感。

どら皮のふっくら感、つぶあん(北海道産)の柔らかな爆発力、蜜漬け栗のやや固めの歯ざわり。
上質の栗どら焼きで、さすが笠間の栗どら焼きと甘い夢の中で目をつむりたくなった。
ひょっとして笠間稲荷のコンコンさまに幻惑されたのかもしれない(笑)。
いやいや、あんこの神様に導かれるようにここに来たことを素直に感謝したい。
「御菓子処 松島」
所在地 茨城・笠間市笠間1335
