週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

山形ずんだ😋だだ茶豆のじんだん餅

 

これまで何度かずんだ餅の美味さを書いてきたが、今回冷凍便でお取り寄せした山形のずんだ餅・・・いや「じんだん餅」について少し書きたい。

 

枝豆を搗(つ)いたりすり潰したりして作ったずんだ餅の本場は宮城、それも仙台が中心と思っていたが、修正が必要かもしれない。

 

元祖じんだん饅頭をお取り寄せついでに、じんだん餅も注文した。

 

これが素朴の極み、と表現したくなる美味さだった。

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仙台では「ずんだ(あるいはづんだ)」だが、山形に行くと地域によって少しずつ違ってきて「じんだん」南陽市など置賜地方「じんだ」、あるいは「ぬた」山形市など村山地方)と呼んでいるようだ。

 

一般的にはずんだ・・・だが。

 

昔からの郷土食なので、伝言ゲームのように、発音のニュアンスが少しずつ変わっていったのではないか。どちらが先かはニワトリと卵かもしれないので、ここではあえて踏み込まない。

 

今回お取り寄せしたのは、南陽市に本店がある「じんだん本舗 大江(おおえ)」から。「元祖じんだん饅頭」が目玉の和菓子屋さん。

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あん子「前置きが長すぎます。でも名称も味わいもなんだかとっても素朴なずんだ餡・・・間違い、じんだん餡ですね(笑)」

 

編集長「使っている枝豆が希少なだだ茶豆を使っていることかな。枝豆の王様とも言われている、白山地区(鶴岡市)でしか栽培されていない、皮が少し茶色っぽい枝豆で、同じ枝豆でもコクと風味がちょっと違うんだ。仙台のずんだがきれいな風味だとすると、こちらはコクのある風味ってとこかな。ワインに例えると、ブルゴーニュボルドーの違いみたいなもの、だよ」

 

あん子「その例え・・・返って、わからなくなりますよ(笑)。先行ってください」

 

・今回ゲットした2品

 じんだん餅 8個入り 800円(税別)

 元祖じんだん饅頭 5個入り 550円(同)

 ※送料は別途

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【今週のセンター】 じんだん餅

自然解凍したら、究極の素朴(?)が現れた

 

添加物などは使用していないので、解凍したら賞味期限は2日間。宮城のずんだは見た目がきれいな枝豆色が多いが、こちらはうまく表現できないが、少しどろっとしたような熟成した茶豆あんこで、つい美熟女という言葉がよぎった(ハズしたかな?)。

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みずみずしいではなく、自然な円熟した深みの予感。目が吸い込まれそうになってしまった。

 

食感は見た目よりもなめらかで、粒々感が見事に消えている。つまり、枝豆の皮をむいた後、よりていねいにすり潰されているということになる。

 

自然な甘さに近い、かなり抑制された甘さ(砂糖は上白糖を使用しているようだ)。

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白山地方しか栽培していない、だだ茶豆のコクが口の中で吹き上がってくる。

 

塩気が強め。それがウッドベースのように効いている。

 

餅は山形産ヒメノモチを使用、それを杵(機械)で打っているようだ。

 

なので、柔らかすぎず、硬すぎず。きれいな白で、しっかりとしたコシと伸び。

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じんだん餡がたっぷりと付いているので、仙台のずんだ餅とはひと味違う、あまりに素朴な、熟成した旨味で、好みにもよるが、お茶はもちろん、純米酒のアテにも合うのではないかと思う。

 

あん子「フツーに食べると、どこか懐かしいような、素朴すぎるずんだ餅だけど、じっくり潜っていくと、山形の食文化の深さに触れるような気がしますね」

 

編集長「もぐる? いい表現だね。だだ茶豆自体の歴史が江戸時代までさかのぼるというから、伊達政宗も上杉もどこかに隠れていそうだね」

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あん子「宮城もいいけど、山形も侮れないってところですね。ちょっと上から目線ですかね」

 

編集長「下から目線がいいね(笑)。岩手・一関でもずんだ餅を食べたことがあるけど、ずんだの食文化は東北一帯にあるかもね。でも、今やずんだの魅力に日本中が気付いた感じがする。ずんだ⇒じんだ⇒じんだん・・・だんだん広がるずんじんだん(笑)。

 

【セカンドは?】元祖じんだん饅頭

じんだん本舗大江の創業は昭和27年(1952年)。饅頭にしたのは初代で、ごらんのとおり吹雪饅頭である。

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岩肌に雪が降りかかったような姿が吹雪と似ているところから吹雪饅頭命名されたものだが、中が小豆餡ではなく、だだ茶豆の餡なので、見た目もいぶし銀の美しさがあると思う。

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じんだん餅に比べて、こちらはやや粒々感がある。塩気はやはり強めで、それがほどよい甘さと合っている。ふくよかな素朴って感じ。

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あん子「私はこっちも好き。饅頭というのが珍しいですね。甘さが控えめなので、2~3個すぐに食べられそう」

 

編集長「だだ茶豆のコクと風味がストレートに広がるのがわかる。ずんだ餡好きにはたまらない味わいかもね。電話取材して、今回は山形のずんだ・・・じゃなかったじんだんの魅力が少しわかった気がして、ひと口に東北と言ってもいろいろ違うことがわかった。あん子クンが山形好きがわかった気がするよ」

 

あん子「コロナで遠くなったけど、また行きたいですね」

 

編集長さくらんぼの季節あたりかな・・・」

 

「じんだん本舗大江」

所在地 山形県南陽市三軒通37-5

 

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