おおっと、これぞ田舎のおばあちゃんのあんこ餅!
と叫びたくなるある種、夢のあんこ餅に出会った。
まずは見ていただきたい。
つき立ての餅、その上から見事なテカリのつぶあんがたっぷり。
餅好きの私にとっては、究極のあんこ餅に出会った気分。
あんこが苦手な人には「毒」かもしれない(笑)。
関東の別荘地、栃木・那須高原にある庄屋の屋敷のような古民家が今回の舞台。
那須に来るたびに入ってみたかった店。
「おこわ・もち 茶屋卯三郎(うさぶろう)」のベタな看板。
午前11時20分(オープンは11時半)に到着したら、すでに20~30人ほど並んでいた。
しばらく待たされて、名前を呼ばれてから、くぐり戸から中に入ると、何だかタイムスリップして、庄屋の屋敷にでもまぎれこんだ気分に陥ってしまった。
大きな囲炉裏、広い板の間に圧倒される。
ここは江戸時代の茶屋か?
あんこの好き者としては、メニューの隅にあった単品餅(あんこ、きなこ、納豆、ずんだなど7種類)に目が吸い込まれた。
1個200円(税込み)。1個のボリュームがかなりありそう。
胃袋が一つしかないのが残念無念。
注文したのはあんこ、ずんだ、きなこの3種類。
もう一品、特大サイズの「卯三郎まんじゅう」(同200円)も追加した。
😎ちょっと箸休め・・・「茶屋卯三郎」は創業が2002年(平成14年)。那須塩原市の呉服屋「鈴屋」が古民家を移築してチャレンジした料理屋兼甘味処。口コミで人気が広がり、今では那須で行列の出る店になっている。
【本日のセンター】
・つぶあんたっぷりのあんこ餅
ほんのりと湯気を立てて3種類の餅が「ようおいでくださった」と鎮座していた。
なぜか後光がさしている(気がした)。中心はあんこ餅。
田舎のおばあちゃん(すご腕)が作ったような、手の匂いのするあんこ餅で、メニューの表記は「あんころ餅」となっていたが、これは正しくはあんこ餅だと思う。
つぶあんは北海道産小豆を使用、スタッフ(おばさんが多い)が板場でコトコト炊いた自家製あんこで、口の中で小豆の風味がストレートに広がる。
作っているのがおばあちゃんかどうかは確認できなかった。
渋抜きは抑え気味で、多分一回くらいかな。
柔らかなつぶつぶ感がたまらない。
かなり甘め。こってり具合から見て、砂糖は多分上白糖だと思う。塩気がほんのりと隠れているのがいい塩梅。
忙しく仕切っていた店長によると、餅は地場の契約農家の有機もち米を搗(つ)いているそうで、農薬も添加物もゼロとか。
伸びやかさとコシのしっかり度、鮮度・・・自然な甘みすら感じる。
このブログ用に写真を撮っているうちに微妙に固くなっていくのがわかった。これは上質な、こだわりの強いオーガニック餅だと思う。
【本日のサブ】
・ずんだ餅
・きな粉餅
・卯三郎まんじゅう
・地場の枝豆をついたずんだ餡は塩気が強い。あんこほどのボリューム感はないが、宮城・山形・岩手のずんだと同じような素朴な美味さが光る。ぜいたくを言えば、ずんだ餡の量が少し多いともっといいのだが、ずんだ好きにはおすすめ。
・きな粉餅も塩気が強め。国産のきな粉は香ばしくて、餅の美味さをもっとも引き出していたと思う。
・卯三郎まんじゅうは規格外の大きさ(左右約10センチ、厚さ約6センチ)で、いわゆる炭酸まんじゅう(重曹で膨らませている)。皮が2種類。黒糖と三温糖があり、黒糖が売り切れていたので、三温糖にした。
ふかふかした皮はもっちりしていて、中は自家製つぶしあん。田舎のまんじゅうそのもの。皮には少し酢(日持ちするとか)を加えているとか。
つぶしあんは甘すぎない。塩気もほんのり。小豆の素朴な風味が口の中で広がる感覚はボリュームといい味わいといい、いい意味で田舎の超B級まんじゅうだと思う。
すべて食べ終えたら、腹回りが5センチほど膨らんだ気分に陥った。
「卯三郎茶屋」