週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

究極のこしあん「ときわだんご」

 

「浦和名物 ときわだんご」のかすかな名声は聞いていたが、今回ようやく訪問できた。

 

あんこ好きの間では浦和レッズよりもときわだんごだよ」とつぶやく人もいる(私は浦和レッズのファンだが)。

 

何せ創業が明治8年(1875年)、浦和駅ができる前からこの場所に暖簾を下げているのだから、年季が違う。

f:id:yskanuma:20211117193439j:plain

 

浦和コルソの一角。暖簾をくぐると、雰囲気のある小さな和菓子屋さんのレトロな世界。栗蒸しなど餅菓子が並んでいる。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」もここにはかなわないと思う。

f:id:yskanuma:20211117195424j:plain

 

ときわだんごを一折買おうとしたら、品のいいご高齢の女性から無添加なのでできれば夕方までに食べてくださいね」と念押しされた。

 

これはすごいかも・・・女性のお顔をまじまじと見てしまった。

 

五代目女将さんだった。わわわ。うらわわわ。

f:id:yskanuma:20211117195606j:plain

 

方針転換。甘味処でも食べれるとわかって、腰を落ち着けてから、一人前(緑茶付き 税込み650円)を頼んだ。和菓子は作り立てが一番だと思う。特にだんごや餅菓子は。

 

歴史を感じる、むしろ簡素な和づくりの店内。

f:id:yskanuma:20211117195709j:plain

 

ほどよい広さ。常連客が多いようだ。

 

驚いたことにNHK大河ドラマの主人公、渋沢栄一がこのだんごのファンで、園遊会などでよく使っていたそう。

 

【本日のセンター】

こしあんきな粉(糸切りだんご5個ずつ)の美味さに舌を巻く

f:id:yskanuma:20211117195807j:plain

 

編集長「これはちょっと驚きだった。米粉よもぎのだんごもきれいな味わいだけど、こしあんが素晴らしい。しっとりとした舌触りで、塩気が強めだが、口に入れた瞬間、いいあんこの雑味のない風味がふわっと立ち上がって来たよ。まるで春風!  おおって感じ」

f:id:yskanuma:20211117195854j:plain

 

あん子「また始まった。上にバカが付く感動屋さん(笑)。部員の私を置いて一人で食べに行くなんて、編集長としては失格ですよ」

編集長「悪かった。でもホントだよ。こんなに感動したこしあん奈良・葛城市『中将堂』のよもぎ以来かも。舌に粒子を感じるあんこってそうはない。だんごは中将堂ほど柔らかさは感じなかったけど、こしあんの魅力が凄すぎ」

f:id:yskanuma:20211117195947j:plain

f:id:yskanuma:20211117200045j:plain

f:id:yskanuma:20211117200113j:plain

 

あん子「ま、好みだったということですね(笑)。で、素材や作り方もちゃんと聞いたんでしょ?」

 

編集長「それが・・・小豆は多分北海道産の厳選小豆だと思うけど、五代目女将さんに『そんな難しいこと言わないで、とにかくじっくりと召し上がってください』と言われちゃった。その通りなので、これは分析よりも味わうことが大事とあれこれ聞くのをやめた(笑)。もっと早く来るべきだった。本物だよ、この店は」

f:id:yskanuma:20211117200155j:plain

f:id:yskanuma:20211117200237j:plain

 

あん子「名物にうまいものなしって言うけど、ここは別次元ってわけね。ごちそうさま」

f:id:yskanuma:20211117200341j:plain

 

編集長「忘れるところだった。きな粉も絶妙だったよ。白っぽいきな粉で、こちらも口の中で吹き上がるような香ばしさだった。木の器も含めて、凄いだんごなのは確かだよ」

 

【本日のサブ】

コーヒーを飲みながら鹿の子と栗むし羊かん       

f:id:yskanuma:20211117200925j:plain

 

「鹿の子」(税込み180円)と季節限定の「栗むし羊かん」(同200円)は賞味期限が翌日まで持つので、編集室に持ち帰って賞味した。

 

どちらもやや大きめ。

f:id:yskanuma:20211117202002j:plain        f:id:yskanuma:20211117201821j:plain       

 

職人の熟練の手の動きが見えるようなお姿。

 

あん子くんがコーヒーを淹れてくれ、じっくりと味わうことにした。BGMはショパンが合いそう。

 

編集長「鹿の子も塩気がほんのりでいいあんこだ。寒天の膜と大粒の小豆(大納言?)がやや硬めで、中のなめらかなこしあんとの対照がいいね」

f:id:yskanuma:20211117202518j:plain

 

あん子「ただのだんご屋さんではないのがわかる。編集長が言うようにこしあんのレベルが確かに高いですね。私は大納言小豆はもう少し柔らかいほうが好きかな」

f:id:yskanuma:20211117202648j:plain

 

編集長「でも小豆の風味がすごいでしょ? 五代目女将さんは教えてくれなかったけど、上質の素材を使っているのがわかる。野暮を承知で言えば、十勝産えりも小豆じゃないかな。みやびか同等の小豆を使っているんじゃないかな」

 

あん子「栗むし羊羹はきれいな栗がドカンと乗っていて、素朴で剛毅な印象ですね。こちらも塩気がほんのりで、ときわだんごは塩気をうまく使っていて、関西のものとはそこが違う気がする」

f:id:yskanuma:20211117202753j:plain

f:id:yskanuma:20211117202930j:plain

 

編集長江戸⇒東京のあんこが底流にあると思うなあ。五代目女将さんからも『だんご屋にそんな野暮なこと聞かないでよ』と言外に言われた気がする。聞きたがる病の私としては少し反省しなくっちゃ」

 

あん子「私を置いていった罰かもね(笑)。コロナでしばらく行ってないけど、浦和に行きたくなったわ」

 

編集長浦和レッズの応援がてら、近いうちに行こう」

 

あん子「いつになることやら・・・」

 

「ときわだんご」

所在地 さいたま市浦和区高砂1-21-1コルサ1F

最寄り駅 JR浦和駅西口すぐ

 

 

              f:id:yskanuma:20211117200637j:plain