日曜新企画、増刊号「はみ出しあんこ情報」は、ディープなファンが多い、十条銀座商店街の金星のれん「だるまや餅菓子店」の「ぼたもち!」です。
「おはぎ」と言わないところが下町らしくてシビれる。
😁一説では萩の季節(秋)は「おはぎ」、春の牡丹の季節は「ぼたもち」。だが、個人的な語感としては「ぼたもち!」に平伏したくなる。こころから。
なので、だるまやで「ぼたもち」の表記を見ると、あんこころがヨロとよろめく。
ここのぼたもちは2種類。
つぶあん(左)とこしあん(右)。それぞれ1個250円(税込み)。
☆金星あんこ:こしあんのぼたもち
〈評価〉でかい。サイズは約70ミリ×50ミリ。重さもヘビー級108グラム。
実にしっとりとしたこしあんで、塩気がかなり強め。
その塩気があんこの粒子の中にしっかり馴染んでいて、食べた瞬間、「うめえ」と言葉が漏れるほど。絶妙なアクセントだと思う。
つぶあんの素朴に対して、ある種の気品すら感じる。
その分厚さ。
甘すぎないのも後を引く。
餅米は山形産(ヒメノモチ?)を蒸し籠で二度蒸し。途中で塩水を振りかけ、味に深みを与えている。目に見えない、手の込んだ作り方。
素材へのこだわりは小豆(栽培農家にまでこだわる)を見てもわかる。
以前、3代目が「いいものならどこまでも探しに行く」と話していたことを思い出す。
創業は1947年(昭和23年)。2代目が昔気質のいい和菓子職人で、女将さんとともに店を仕切っているが、たまたまなのか3代目は旅に出ていて不在だった。
併設する甘味処で「田舎しるこ」もいただく。極楽は確かにある。
★銀星あんこ:田舎しるこ
〈評価〉この田舎しるこはあまりに素朴で、評価に困った。
ごらんの通り、柔らかな粒々の海。湯気。その素朴が小豆の原始的なパワーを「お若いの、そう急ぎなさんな」とたしなめているような、穏やかな味わいで、それゆえに、焼いた餅(2枚)の一部焦げすぎ?も気にならない。
アクをわざと残している?
ぼたもちほどではないが、こちらもいい塩気がほんのり。
この唐変木め、これが本来の田舎しるこっつうもんだ。と言われている気までしてくる。
NGあんこではなく、銀星あんこ。
となりのテーブルで男女3人組がかき氷を美味そうに食べていた。
ここはかき氷の人気店でもある。冬にもかき氷、というのが下町の甘味処の矜持だと思い知らされた。
😎教訓⇒以前食べて感動した「あまおう草餅」は今回は売り切れていた。あんこの神様はときに気まぐれでもある。
「だるまや餅菓子店&甘味処」
所在地 東京・北区十条仲原1-3-6