週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

「紅白しるこ」vs「あわぜんざい」悩む

 

浅草に行くか、上野にするか令和6年の最初の悩み。

 

目的はおしることぜんざい。

このところ毎年、正月は浅草なので、今年は湯島天神に参拝してから、上野であんこ初めを選んだ。

私にとっては懐かしい場所(昔住んでいたので)。

 

で、寒風の中、「あんみつ みはし本店」に着地した。

前日に電話で混雑状況を確かめ、店のスタッフから「午前中の方が比較的空いてますよ」とのアドバイスを得て、暖簾をくぐったのは午前11時前。

 

このあたりの応対も下町気質の残る「上野みはし」ならでは。いいね。

 

特に「紅白しるこ」は正月限定で、「10日までです」とか。

 

ぎりぎり間に合った(電話したのは9日)。正月早々餡ラッキーだよ。

 

★ゲットしたキラ星

 紅白しるこ(つぶあん) 720円

 あわぜんざい(こしあん)720円

  ※いずれも税込みです。

 

【センターは?】

奇跡の一椀「紅白しるこ」

 

寒ければ寒いほど、温かいおしることぜんざいは五臓六腑、いや心にまで沁みる。

 

全身あんこ好きとしては二つを同時に味わいたい。

 

女性スタッフが二つのお椀を置いていった。くすっと笑みを浮かべた気がした。

 

二つが東西横綱の土俵入りのように並んだ。

写真右が紅白しるこ、左があわぜんざい。たまらん。

 

蓋を取る瞬間、幸福ホルモンで卒倒しそうになるが、ぎり踏ん張る(笑)。

恍惚の踏ん張り、てか。

 

紅白しるこ:紅白の焼き餅(大きめ)が二つ。濃厚なつぶあんの海に浮かぶ。熱い海。

〈味わい〉どろりとした小豆の粒々のテカリ、水分量が少なめなので、箸に乗せることもできる。

 

北海道産小豆のいい匂い。砂糖は上白糖だと思う。

濃厚な甘さ。コク。

 

焼き餅の香ばしさと伸び。

洗練というより、素朴な、上野の一途な野暮を隠し味にしたような、つぶあんのしるこで、塩気が文字通りいい塩梅になっている。

 

みはしの掟。ボリュームが素晴らしい。

紅白の焼き餅2枚を頬ずりするように食べると、セロトニン(幸せホルモン)の波が押し寄せてきた。

 

【セカンドは?】

あわぜんざい:なめらかなこしあんとプチプチもちきびの合体。

〈味わい〉浅草「梅園」のあわぜんざいとほとんど同じ構成だが、どろりとしたこしあんの味わいがほんの少し違うと思う。炊き方の違いかもしれない。

 

あくまでも個人的な印象。

syukan-anko.hatenablog.jp

 

浅草梅園=洗練度が高い。吹き上がる小豆の風味。

上野みはし本店=素朴度が高い。全体のボリューム感。

昔は粟(あわ)を使用していたが、どちらの店も現在はきびを使っているようだ。

 

みはしのもちきび(北海道産もちきびを使用)の方がプチプチ感が強い印象で、素朴なこしあんとのマリアージュもより素朴を感じる。

どちらもこしあんの美味さがマックスに近い。

 

塩気はあまり感じない。

 

もちきびのクセがなめらかなこしあんとよく合う。

 

粟餅は京都・北野「澤屋」や会津・柳津「粟まんじゅう」など、古くから日本人の舌を魅了してきているが、こしあん(江戸⇒東京ではぜんざい)との相性がピカ一だと思う。

 

上野みはしの箸休めは小梅。これが小粋。

二つをすっかり堪能すると、こいつは春から縁起がいいわい、言葉が自然と洩れた。

 

●あんヒストリー

創業は昭和23年(1948年)。現在2代目。戦後間もないころ、上野公園下であんみつ屋を開く。「みはし」の店名の由来は上野寛永寺への参道を横切っていた不忍池からの川に三つの橋が架かっていたことから。地名も三橋町だったようだ。素材選びからあんこへのこだわりが深い。

 

《小豆のつぶやき》

▼上野界隈はあんこ好きにはたまらない▼「黒門町うさぎや」や「つる瀬」、甘味処「みつばち」、さらに足を延ばすと江戸根元、最中の「壺屋総本店」、さらにさらに・・・▼挙げるときりがないほどの隠れたあんこエリアでもある▼胃袋と財布が足りなくなる。

 

「あんみつ みはし本店」

所在地 東京・台東区上野4-9-7