紅葉よりあんパン、である。個人的には(笑)。
5年ぶりに那須高原であんぱんの名店に立ち寄った。
「那須あんぱん」の白地の暖簾がまぶしい。
ベーカリー「パン・ドゥ・ルアン」。
知る人ぞ知る店。御用邸にも隠れファンがいるらしい。
今回の狙いは前回、売り切れていた「生クリームあんぱん」。
キューブ型の、見事な一品だと思う。
つぶあん(右)とこしあん(左)の2種類。それぞれ税込み220円。
注文を受けてから自家製の生クリームを注入する。
なので鮮度が違う。
カフェコーナーもあるので、そこで新鮮なうちに食べることにした。
パンの美味さにまず唸る。
香ばしさ、密度、もっちり感・・・すべてが素晴らしいとしか言いようがない。
あんこのぎっしり感と生クリームのはみ出そうなほどのボリューム。
北海道産小豆のきれいな風味。
甲乙つけがたいが、こしあんよりつぶあんの方がより小豆の風味が立っていると思う。
甘さが絶妙。柔らかな充足が舌に残る。
なので、好みはつぶあんの方。
店主は那須湯本にあった「ホテル瑠庵(るあん)」でディナー用にパンを焼いていて、その延長線上でベーカリー「パン・ドゥ・ルアン」を開いたようだ。
そのとき、皇室のやんごとなきお方もここのあんぱんのファンだったという。
3.11後に現在の場所に移転。
今も飛び切りのパンを作り続けている。
「那須あんぱん」(小 税込み220円)もつぶあん(右)とこしあん(左)の2種類。
見事なあんぱんで、二つに切ると、あんこが少ないように見えるが、もっちりしたパンとのバランスがとてもいい。
店主によると、那須は水がいいこと、牧場が多いので乳製品のレベルが高いこと。それがパンの美味さにつながっているのではないか、とか。
もう一つ、「丸ごとりんごパン」(税込み580円)も気になって賞味した。
紅玉を丸ごと一個、じっくりと蜜煮して、自家製カスタードクリームでコーティング、それをリンゴの形のパンで焼き上げたもの。
とにかく見ていただきたい。
5年前と値段が変わっていない。
上質の美味さも変わっていない。
パン職人としての店主の腕と姿勢に脱帽したくなる。
こういう横綱級のあんぱんが隠れている。那須の奥は深いと思う。
紅葉を楽しみながら、那須の宝石のようなあんぱんを味わう。
京都もいいが、那須もいいぞえ。
最寄駅 JR黒磯駅からバス。できればクルマ利用の方が便利。