週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

パンと和菓子が合体「奇跡のあんぱん群」

 

編集長「ふふふ今回は特にすごいぞ。北関東のパン王国・那須で出会った本格的ベーカリーのあんぱん、ビックリだったよ。あんぱんだけで6種類~8種類も作っている。それもオリジナル」

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あん子「バレてます(笑)、『パン工房ドリーム』でしょ。パン好きなら知ってますよ。天然酵母のパンやプレミアム食パンなど、近くに御用邸もあり、皇室関係にもファンがいるって話よ」

 

編集長「『パン香房ベル・フルール』とかね。『ペニーレイン』も有名だけど。その他にもいいパン屋さんが多い。でも、ことあんぱんにかけては、この『ドリーム』が凄すぎると思うな。那須街道沿いに派手な『全国1位のパン屋さん』の看板に好奇心がむくむく。正直に言うと、この手の宣伝は苦手だな、と半信半疑で細い道を500メートルほど奥へと入っていったら、あったんだよ、夢の世界が(笑)」

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あん子「前口上はそのくらいにして、早く夢のあんぱんがどんなものか、先に行ってくださいな。今回は4種類、選んだんでしょ?」

 

編集長「わかったよ、ではアンビリーバボーなあんぱん群の中から選んだ4種類、花道から登場してもらうことにしよう」

 

【本日のセンター】

はんなり和菓子あんぱん(1本 税込み980円)

那須あんぱん(1個 同350円)

四角いあんぱん「未来」(同 260円)

 

今回は一つ選ぶのは無理と判断。なので、この三つを変則的にセンターに置くことに致しました。

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まずは「はんなり和菓子あんぱん」。大きな長方形でとてもあんぱんには見えない。175ミリ×90ミリ×厚さは40ミリ。重さは約460グラム。こんがりきつね色の焼き色、アーモンドがちょこんと3個。ほお~が三つほど。

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レンジで20秒ほど温める。焼き立てに近い感触になると思う。切ると、中からつぶあんと半月状の栗が現れた。何というチャレンジ、従来の発想ではない。

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確かにパンと和菓子のコラボ。

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北海道産小麦を使ったパンはやや固めで香ばしい。中のあんこが素晴らしい。北海道十勝産小豆を使用。さらに取材したら、わざわざ京都の製餡所から特注で取り寄せているとか。

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「はんなり」の意味がわかった。糖度は45度(他のあんぱんもほぼ同じ糖度)で、甘さは抑え気味。好みにもよるが、つまり絶妙な甘さ。小豆の風味がきれい。

 

ちょこんと乗ったアーモンドが小さなアクセントになっていて、芸が細かい。

 

続いて「新那須あんぱん」(下の写真右側、左は四角いあんぱん未来)。

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これは実に不思議なあんぱんで、淡いきつね色の焼き色、メープルの香りが味わいを深めている。

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パン生地はふわり感としっとり感が融合していて、中のあんこがすごい。十勝産大納言小豆を使用、とろりとした鹿の子のよう。食べると、抑えられた甘さと蜜煮された大納言のふっくらした風味がふわりと広がる。

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絶妙という言葉がぴったりくる美味さで、パンと和菓子の見事な恋愛と言いたくなる。

 

四角いあんぱん「未来」は形といい、白っぽい焼き色といい、中のやわらく炊かれたあんこ(小豆あんとこしあんブレンド)が素晴らしい。それが、これでもかとぎっしり。

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確かに未来を感じさせる、進化系のあんぱんかもしれない。

 

しっとりとしたパン生地、つぶあんのボリューム・・・コスパ的にも私的にはこれが一番来た。初めて体験する食感。ねっとり感とほどよい甘さ。

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あんぱんを超えたあんぱん。

 

あんこが自家製だったら、もっといいのだが、こういうユニークな試みもこのレベルまで来ると、脱帽するしかない。パン王国ならではのありえないチャレンジだと思う。

 

「パン工房ドリーム」の創業は1996年(平成8年)。今回初めて「全国一」の理由を聞いたら「お取り寄せパン部門でずっと1位を取っているんですよ」とか。

 

今回は番外にした「元祖那須あんぱん」(下の写真)は創業当時からのもの。つぶあんと栗のあんぱん。へそにはクルミ。1個330円(税込み)。これが一番、見慣れたあんぱんに近い。他のパンも含めて、全体的には強気の価格設定だが、満足感が十分にあると思う。

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製法などは「企業秘密」で踏み込めなかった(当然ですが)。

 

パン王国・那須はホント奥が深い。

 

今回はご紹介できなかったが「20歳のあんぱん」とか「60歳のあんぱん」などもある。意味不明だが(笑)。

 

こういう遊び心もある本格的なパン屋さんが林の奥に存在していること。コロナ禍を忘れさせてくれる、至福のひとときだった。

 

個人的には東京・浅草の「あんですMATOBA」よりも驚いた。

 

ドリームとはベタだが、よくぞ付けたり。

 

・パン工房ドリーム

所在地 栃木・那須郡那須町湯本460-1

 

 

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