週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

感涙のあんこ😍新潟「さわ山」の驚き

 

約4年ぶりに餅菓子の黄金ロード新潟へ。あんこ旅「越後」編とシャレてみたい。

 

トップバッターは、今回の旅の中でも最も驚かされた朝ナマの餅菓子店「さわ山」の「大ふく」(大福餅)を取り上げたい。

新潟には大福類や笹だんごなど餅菓子の美味い店は多いが、その中でも口の肥えた地元客が早朝から並ぶ店、「さわ山」の名前を耳にしたのは数年前。

 

「あんこの美味さがとにかく一線を超えているよ(笑)」とあん友の一人が教えてくれた。

 

今回、越後へ行こうと思い立った動機の一つでもある。

 

ちら見せ、で申し訳ないが、まずは柔らかくて極端に薄い餅を何とか包丁で切った断面を見ていただきたい。

無添加手づくりで「賞味期限はその日中」なので、店に行かないと買えない。

 

それも午前中で売り切れになることも多いとか。

 

なので、午前9時過ぎに5~6人ほどの末尾に並んで、ゲットした。

友人の情報が本当か、ここは冷静に味わいたい。

 

★ゲットしたキラ星

 大ふく 145円×2個

 草もち 145円

 笹もち 145円

 笹だんご(10個)1800円

 ※すべて税込み価格です。

 

【センター】

大ふく:薄い餅につぶあんの美味さに絶句

 

豆大福好きの私にとって、大福(地元では大ふくまんじゅうと呼んでいた)は二番目の存在だが、これは違った。

 

美味い大福の鉄則、朝ナマ(朝つくったものをその日のうちに食べる)なので、宿泊先のビジネスホテルで食べることにした。

サイズは約50ミリ×50ミリ。ホテルなので重さが測れないのが残念だが、手に持つと柔らかなずっしり感がある。

 

餅は新潟産こがねもちを蒸かした杵つき餅。

 

うっすらと餅粉がかかり、薄い餅を透かすようにあんこが「おいで」とささやいた。うーむ。

 

〇実食タイム

きれいな餅の薄さとぎっしりと詰まったつぶあんに目が釘付けになった。

赤紫色の美しいつぶあん粒々がずみずしく生きていて、がぶりと口に入れたとたん、小豆の妖精がわっと押し寄せてきた。そんな感覚。

 

粒々のふっくらとした柔らかさが半端ない。

あるいはあんこのビッグバン、とでも言いたくなるほど、小豆のいい風味が爆発的に広がってくるような、とでも言いたくなるような。表現が美味さに追いつかない。

 

甘さが絶妙。甘すぎず、すっきりとした味わいだが、いい余韻が口中から消えるのに時間がかかる。

餅があまりに薄いので、妙な表現になるが、特上のあんこをそのまま食べているような、不思議な感覚に陥った。

 

すごいあんこ。

 

毎日毎日、銅釜であんこ炊きしているようだ。

 

女将さんによると、小豆は北海道産、砂糖は上白糖。

 

餅も含めて、製法は代々続く、昔ながらのやり方だそう。

 

私がこれまで食べた大福類の中でも、このあんこは美味度ベスト5に入る(個人的な感想です)。

 

感動の波におぼれそうになってしまったよ(ホントです)。

 

2個ペロリ。

 

●あんヒストリー

創業は大正時代初期。現在4代目。餅屋として、初代澤山兵二郎は一日一石の餅を手で搗き、リヤカーで運んだという。太平洋戦争で休業をやむなくされたが、戦後、2代目が初代がつくっていた「大福餅」(当時はまんじゅうと言っていたようだ)を引き継ぎ、さらに工夫を加え、現在のものに整えていった。

 

【サイドは?】

草もち:こしあんのピュアななめらかさ

 

表面にきな粉が散っていて、よもぎのいい香りが同時に来る。

中はこしあん(自家製)で、きれいな赤紫色。見た目も味わいもレベルを超えていると思う。

サイズは大ふくとほとんど同じ。

 

このこしあんも粒子を感じるようななめらかさ。

 

予想以上の味わいで、驚くほかはない。

 

笹もち:笹のいい香りがしんこ餅(うるち米の餅)とこしあんを引き立てている、この地方独特の餅菓子。

大ふくや草もちほどの感動はなかったが、フツーに美味しい。

 

笹だんご:こちらは消費期限が3日ほど。ホテルで2個だけ味わった。

 

無添加づくりで、笹(3枚)の香りとよもぎ餅(米粉餅)が素朴で、昔から私の好きなこの地方独自のだんご。

中は素朴度の高いつぶあん

 

つくり方が丁寧で、よもぎ餅とつぶあんのバランスがとてもいい。

 

餅菓子店「さわ山」

所在地 新潟市中央区夕栄町4513

最寄り駅 JR新潟駅から約2キロほど