週刊あんこ

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「笹だんごのチャンプ」お取り寄せ

 

編集長「今日のお取り寄せは私のだーいすきな、越後笹だんごです。それも長岡の江口だんご! 今回は日曜特別号でーす」

 

あん子「テンション上がりすぎ(笑)。大好きなことはわかるけど、ここは抑えておさえて。江口だんごは数多い笹だんごの中でも編集長の評価がかなり高いのよね」

 

編集長「私が食べた中ではチャンピオン級だよ。つぶあんがメーンだけど、実はこしあんもあるんだ。これはちょっと手に入りにくい。つぶあんは通年だけど、こしあんは夏場はお休み。6月いっぱいで製造をストップするんだ。今回はぎりぎり何とか間に合ったよ、ふうーっ(汗)」

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あん子こしあんのほうが少し大きくて、舌代も高いのよね。笹の香り、よもぎ餅の柔らかさ。何よりもあんこの美味さがビミョーに違うんでしょ?」

 

編集長「王道はつぶあんで、そりゃあ文句をつけようのない美味さだけど、こしあんのきれいな風味と希少価値を今回はセンターにしたい」

 

あん子つぶあん好きの編集長の言葉とは思えない。ホントはどっちも好きなんでしょ?」

 

編集長「つらいとこだよ。女優に例えると栗山千明深田恭子みたいなもの。どっちがどっちとあえて言わないけど、私にとっては究極の選択に近いよ。つらいつらい(汗)」

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あん子「あきれるわ。でも今回はセンターにこしあん笹だんごを選んだ。食レポが楽しみ。ヘンな表現したら許さないわよ」

 

編集長「添加物を使用していないので、お取り寄せしたその日にすぐ食べてみた。正座してね。個人的な感覚だけど、天にも昇るあんこ、だよ」

 

あん子「はいはい、もう時間がないわよ(笑)。早く食レポ、お願いします」

 

【本日のセンター】

こしあん笹だんごのこだわりに驚く

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今回お取り寄せしたのはこしあん笹だんごが5個、つぶあん笹だんごが10個(上の写真、こしあんが右、つぶあんは左。断面図です)。

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お取り寄せの注文は5個単位となるが、1個当たりに換算すると、つぶあんが1個160円(税別)になる。重さは60グラム。

 

対してこしあん笹だんごは1個200円(同)。重さは73グラム。外見はそう変わらないが、よく見るとこしあんの方は笹の両側がカットされている。つぶあんの方は片側だけがカットされている(写真で見比べてほしい)。

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笹の香りがぷーんと立ち上がってくる。越後笹だんごならではの魅力で、これが好き物にはたまらない。

 

笹の葉は1個当たりなんと5枚! フツーの笹だんごよりも1~2枚くらい多い。これは風味を逃がさないためのようだ。

 

バナナの皮をむくように、一枚ずつ脱がして・・・失礼、はがしていく。

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江口だんごの笹だんごは比較的はがしやすい。これはありがたい。

 

よもぎ餅の色はかなり濃い。

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厳選した地場のもち米だけを使用、そこによもぎを加えて搗(つ)いてから練り、自家製あんこをたっぷり入れ、笹の葉で包み込み、イグサで結わえてから、蒸し上げる。

 

蒸し方も「後蒸し」という昔ながらのやり方だそう。

 

創業が明治35年(1902年)ごろ、現在4代目。

 

手作業にこだわり、あんこの作り方にもこだわりがある。

 

つぶあんはもちろんのこと、こしあんの美味さがあまりに絶妙だったので、電話取材を試みた。

 

「うちは餅屋ですから」

 

と謙遜(自負?)する男性は、たまたまだったのか4代目だった。

 

ベースのあんこは北海道産厳選小豆を使用。これは予想通り。だが、話すうちに商品によって砂糖を使い分けていることがわかった。

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こしあん笹だんごには白ザラメつぶあん笹だんごにはグラニュー糖ブレンドしていることも教えてくれた。他の商品には黒糖なども使っているとか。

 

こだわり方がただの笹だんご屋さんではない。

 

こしあんふくよかさとすっきりした美味さ。

 

なめらかな粒子を舌に感じる。

 

塩気のほんのり感。

 

天にも昇る、きれいな余韻。

 

よもぎを飲み込む鮮烈な笹の香り。

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賛辞ばかりになってしまったので、あえて言わせてもらうとこしあん笹だんごも通年販売にしてほしいのと、お取り寄せ対象ではない大福類(店に行かないと買えない)もこのコロナ禍のなか、地方発送してほしい。ここはあんコールとダジャレでお願い(はずしているかも)。

 

【本日のサブ】

定番つぶあん笹だんご

 

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主力という意味ではこちらがセンターかもしれない。つぶあん好きにとってはこちらの方が正統かな。

 

皮まで柔らかく炊かれていて、小豆の風味が口の中で爆発するよう。

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素朴な、ある種洗練されたつぶあんで、塩加減も絶妙。

 

ラニュー糖を加えて練り上げているので、その分、小豆の風味がストレートに出ているのではと思う。

 

よもぎ餅との相性もとてもいい。

 

個人的には新潟県内でこれまで食べた笹だんごの中でもトップクラスの美味さなのは間違いない。ホントです。

 

少々高めの設定だが、コロナと梅雨とややこしい世相を忘れて、越後の本物の笹だんごで小さな、ささやかな、黄金の時間を楽しむのもそう悪いことではない。

 

残りの笹だんごは冷凍保存して、あとでまた楽しむことにしよう。

 

〈江口だんご本店〉

新潟・長岡市宮本東方町52-1

 

・今回のお取り寄せ

こしあん5個  税込み1080円

つぶあん10個    1720円

 合計2800円(送料等は別途)

 

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