師走のぽかぽか。
こそばゆい話ですが、個人的にまずはビックリの餡ハッピーなニュースから。
現在発売中のマガジンハウス刊「&プレミアム2月号」で、私めがあんこマニア対談に出演しております。ウソみたいですが(笑)。
これが表紙です。
全体のテーマは「あんこと、きなこ。」で、計70ページ以上にわたって、ディープな和スイーツ情報が網羅されていて、単に一読者として見ても凄い情報量です。
数年に一度発行される同社の「ブルータス」あんこ特集は私もファンですが、今回の「&プレミアム」は質量ともにマックスだと思います。
昨日初めてページをめくりながら全体を見て、マガジンハウスの編集力に驚かされました。和スイーツ好きにはぜひ手に取って見ていただければ幸いです。
などとつい宣伝してしまいました。お許しを。(汗)
めでたい話なので、本日は「赤坂とらや」限定の2品を取り上げようと思います。
今もなお和菓子界の最高峰に位置する、別格の店とも言える。
★今週のキラ星
「千里の風」(ハーフサイズ) 1944円
虎屋饅頭 1個562円
※赤坂店だけの限定品。税込み価格です。
【センターは?】
白小豆の虎模様の煉り羊羹「千里の風」
「虎は千里を走る」ところからのネーミングだと思うが、まずはご覧ください。
見事な虎模様で、紙箱から取り出すと、目が吸い込まれそうになる。
技術力の凄みを感じる。
サイズは120ミリ×60ミリ×厚さ36ミリほど。ずしりと重い。362グラム(包み込みで)。
味わい:希少な白小豆は契約農家の高級種を使い、白ざら糖でじっくりと練り上げている。絶妙な寒天の溶かし方。
雑味のない、すっきり感のあるやさしいコクが有機白小豆のもの。甘すぎないのが上品。
歯にくっつきそうでくっつかない。その絶妙感。
ひと噛みごとに口の中に春が訪れる。そんな感覚。
柔らかな余韻が心地よい。
【サイドは?】
虎屋饅頭:虎屋の長い歴史の中心に鎮座する酒饅頭。予約しないと買えないと思っていたが、運よく赤坂店限定(11月1日~3月15日まで)で置いてあり、ゲットラッキーできた。
すぐに固くなるので、賞味期限は「本日中」。
自宅に戻ったのが夜遅かったので、艶やかな皮は表面張力がかなり進んでいて、その弾力に驚かされた。
酒饅頭は大好きで、これまでかなり食べているが、これほど猛スピードで固くなるのは初めてかもしれない。
サイズは65ミリ×40ミリほど。かなり大きい。重さは約62グラム。
〈味わい〉酒種のいい香りが半径80センチくらいを埋め尽くすよう。たまらない。
糯米(もちごめ)と麹で元種をつくり、小麦粉と練り込み、じっくりと寝かせる。連綿と続く、虎屋秘伝の製法を今も守っている。
販売日に蒸かす。さすがのこだわり方。
なので弾力のある皮を割ってよく見ると、自然な気泡があり、食感がもっちり⇒コシの強さが強烈。
酒種の香りとともに、みるみる固くなるのがわかる。
中はピュアなこしあん(北海道産厳選あずきを使用)で、小豆の精が発色しているよう。
甘さがほどよい。塩気は感じない。
日光湯沢屋の酒饅頭と似ているが、それよりもさらに繊細で密度が濃いと思う。
虎屋饅頭の取り扱いには注意が必要だなあ、とため息をつきたくなる。
半分だけ残して、翌日、すっかり固くなったのをトースターで焼いてみた。
別の香ばしさが出て、固めの歯触りの変化とともに、これはこれで十分楽しめる。
あえて。虎屋饅頭の二刀流楽しみ方、と言えなくもないかな。
《小豆のつぶやき》
▼今回は特別編となったが、「&プレミアム2月号」には虎屋饅頭も千里の風も出ていない▼だが、日本全国のあんこときなこ菓子のきらめくような情報量に改めてびっくりさせられる▼今夜は布団の中でもう一度じっくりと読み、眺め、楽しもうかなっと(笑)。あ、よだれが・・・。
「とらや赤坂店」
所在地 東京・港区赤坂4-9-22