猛暑とコロナ増で「うっとーしー!」日々が続く。
こういう時は大好きな甘味処でかき氷、と涼みたい。
久しぶりに東京・湯島の甘味処「みつばち」の暖簾をくぐる。奥が喫茶室。
創業が明治42年(1909年)の老舗甘味処。
いつもなら「小倉鹿の子」に目が行くが、あまりの猛暑にペンギンになりたくなった(笑)。
創業当時からのメニュー「氷あずき」(税込み 680円)を注文すると、店の若女将さん(?)が「トッピングはいかがですか? 白玉とか小倉アイスもありますよ」と来た。
あんこハートがぴくん。絶妙な合いの手。
「では小倉アイスをお願いします」
プラス120円で計800円なり。リーズナブル。
小倉アイスはこの「みつばち」が初めて世に送り出したもので、2代目が大正4年(1915年)に「偶然の産物」として考案しているようだ。
元祖小倉アイスの店ということになる。
私にとってはこの夏、最強の組み合わせかも。
猛暑+コロナよりも氷あずき+小倉アイスの方が、はるかになごむ。
錫(すず)製の渋い受け皿にあんこの「南極」が乗っている?(そう見えなくもない)
あずきは蜜煮した大納言小豆(北海道産)で、削り氷の下に広がっている。
派手なかき氷屋さんが多い中で、ここの氷あずきは昔ながらのシンプルさ。
それが渇いた心に心地よい。
その横に元祖小倉アイスがどっかと添えられている。
たまらん光景だよ。
😎下は約5年前の「小倉鹿の子」の記事です。
【イッツ・賞味タイム!】
作法上、まずは氷へ。やや粗めの削り氷で、最近多いふんわり系のものとは違う。昔ながらの東京下町のかき氷だと思う。
蜜煮した大納言小豆は固め。小倉鹿の子のような、ふっくら感はない。
それは氷のせいか、たまたまの出来なのかは不明だが、その分、大納言小豆の素朴な風味と歯ざわりがストレートに来る。
甘すぎず、塩気もほんのり。
あっさりとした砂糖水が、このみつばちが東京下町の甘味処だということを教えてくれる。
小倉アイスはこちらも北海道産大納言小豆の小倉アイスで、あんこがアイスの中に見事に溶け込んでいる。
なめらかな舌触り。
口の中に広がる小豆の風味がそよ風となって、脳天へと抜けていく。
そんな表現をしたくなる。
全体を上から見ると、かき氷が白いフトンのようにも見えるが、底に広がる大納言小豆は意外にボリュームがある。
それでもこれだけだったら物足りなかった気もする。小倉アイスをトッピングしてよかった、と私のあんこ熱を見抜いた若女将の配慮に感謝する。
周囲を見回すと、常連客が多いようで、世代は老若男女。老いも若きも「氷あずき」か「白玉ぜんざい」を注文する人が多い。それに「あんみつ」・・・。
「この前、テレビの取材で徳光さんが来たのよ。野口五郎と岩崎宏美も、それに田中律子もここで食べてったのよ」
「ああ、あの番組ね。徳光さんてあんこが好きなのねえ」
隣の席の常連さんの何気ない会話。下町雀のさえずりも心地よい。
すぐ近くには「つる瀬本店」もある。「あんみつ みはし本店」も近い。
やっぱり湯島エリアは日本の夏には欠かせない、ね。
「甘味処 みつばち」
所在地 東京・湯島3-38-10