饅頭(まんじゅう)の中でも温泉まんじゅうは格別である。
たまに行く箱根で、気が向いたときにお土産に買うのが「元祖温泉まんじゅう」。
数多い箱根温泉まんじゅうの中でも、ここは外せない。
それが箱根湯本駅から目と鼻の先の「丸嶋(まるしま)本店」。饅頭専門店というのがくすぐられる。暖簾と看板、店構えがそう派手ではないのが好み。
創業が明治30年代(1900年前後)で、箱根の温泉まんじゅうの中でも一番歴史が古い。当初は和菓子屋だったが、途中から饅頭一本に絞ったようだ。現在3代目。元祖と名乗れる資格があるのはここだけらしい。
10年ほど前のこと。試食させてもらうと、実に美味かった。
今回もふらりと立ち寄った。
白と茶の2種類あり、それが5個ずつ入った10個入り(一箱 税込み950円)をゲットし、家に持ち帰ってから賞味した。
形は小ぶりな俵型で、小麦粉の皮が白と茶色の2種類。
表面に「箱根 丸嶋」の焼き印があり、そのシンプルが歴史を感じさせる。
中のあんこはしっとりしたこしあんで、ほどよい甘さ。小豆の風味が立つ。特徴的なのは塩気が強めで、それが絶妙な味わいを作っている。
どちらかというと茶色の皮の方が好み。店の説明では「黒糖を使ってます」とか。
面白いのは中のこしあんは同じで、皮だけが黒糖入りかどうかの違い。
この黒糖入りが自然で、フツーなら目立ちすぎるのに、絶妙なバランスを作っている。
添加物を使っていないので、賞味期限は約3日ほどだが、2日目に食べたら、皮がいくらかパサついていた。
温泉まんじゅうの美味さは作りたてに限ると思う。
丸嶋本店も毎日朝早くから職人さんが蒸かしている。
なので、妙な結論になるが、店で試食したときが一番美味かった。
所在地 神奈川県足下郡箱根町湯本706