江戸時代末期創業、東京の老舗「梅花亭」は霊岸島本店(中央区新川)をはじめ深川店(最も多く通った)など敬服する暖簾の一つ。
だが、つい最近まで永福町の梅花亭は知らなかった(冷や汗)。

余分な飾りがないシンプルな、それでいてどこか垢抜けた、凛とした店構え。

完全予約制と聞いていたので、前々日に予約。来店時間まで聞かれたので、「では午後3時にお伺いしたいですが」と伝えた。軽い緊張。
京都屈指の上生菓子屋「嘯月(しょうげつ)」のイメージが脳内にちらついた。
これが想像越えの凄い店だった。
★ゲットしたキラ星
おらんだまんぢゅう 130円
栗蒸し羊羹(1棹)1080円
子福餅 150円
どら焼き 170円
※すべて税込み価格です。

【センターは?】
栗蒸し羊羹:極上という言葉を捧げたくなる季節限定品

竹皮包みの本格的なオーラが静かに発散している。
サイズは180ミリ×42ミリ(竹皮込みで)ほど。

竹皮の香りを楽しみながら剝がしにかかると、小倉色の本体が現れた。
蜜煮栗と刻み栗がぼこりぼこりと入っている。


柔らかな予感に包まれている。
これはいい栗蒸しだなあ、と見入ってしまった。
🧐実食タイム 驚かされるのは蒸し羊羹部分も蜜煮栗も歯がすっと入る柔らかさ。



しかも小麦粉+葛粉よりもこしあんの存在感が強い。
上質な、舌を撫でていくようなしっとり感。
蜜煮栗のいい風味が広がってくる。

恐るべき柔らかさ。
これまでの梅花亭とどこか違う、店主の強いこだわりが底流に流れているような。
京都の上生菓子屋に通底する美味さ。
それでいて価格のリーズナブルさ。江戸の心意気かも、と言いたくなった。
【サイドは?】
子福餅:求肥餅×小倉餡の絶妙

これはこの季節限定の亥の子餅(いのこもち)の一種だと思うが、ここでは子福餅・・・そう命名しているのではないか?(間違っていたらごめんなさい)。
あんこの素晴らしい透け方にあんココロがときめいた。

それを求肥餅で丁寧に包んでいる。

上質な舌触りと風味が舌の上でふわふわと広がる。
小豆の粒子まで感じる、ドンピシャ好みの小世界。
食べながらきれいな余韻を楽しむ。
😎あんヒストリー
創業は1970年ごろ。現在2代目。いい和菓子職人の柔らかな、それでいて芯を感じさせる店主は口数が少ない。なのではっきりとはわからないが、先代は霊岸島本店と兄弟関係のようだ。ここの凄いところは生菓子は作りたてが一番美味しいをポリシーにしていること。完全予約制にしているのも来店時間まで聞くのも、その時間に合わせて作るからだと思う。これは凄いことだと思う。

どら焼き:皮のふっくら感とつぶあんの柔らかな合体


サイズは直径80ミリほどの円形で、そう大きくはないが、きれいな焼き色と自家製つぶあんのふくよかなリッチ感がとてもいい。

北海道産小豆のいい風味を極限まで閉じ込めたような、上質なあんこ。
雑味がない。ボリュームも不足がない。
これで170円は得した気分になる。
【おまけの逸品】
おらんだまんぢゅう:究極のあんドーナツ?

電話で予約した時、「おらんだまんぢゅう」は30分以内に召し上がってください、と言われた。
永福町だけのオリジナル。店主のこだわり。
30分だって? びっくり。
揚げたてが一番美味しい、とも。
店内で食べるしかない、と思い、店の端っこにあった長椅子で食べてもいいですか?とダメもとで聞いてみたら「保健所がうるさいので」とやんわりNG(当然です)。

近くに喫茶店も見当たらないので、仕方なく店の外で味わうことに。
揚げたてをふうふうしながら食べた。
大雑把に言うと、一種のあんドーナッツだが、サクッとした生地と中のお自家製こしあんの掛け算がとてもいい。
ほんのり塩気。外の寒さを一瞬忘れる美味しさだった。
ちなみに2個買ったので、夜遅く自宅に着いてから残りの1個を食べたら、すっかり冷めていたが、それでもとても美味しかった。
「永福町梅花亭」
所在地 東京・杉並区永福2-56-2
