東京・府中は三鷹時代に何度か通ったが、その頃は所属していたB級メディアの仕事に追われて、和菓子屋巡りはおろそかになりがちだった。
今回久しぶりに府中駅で下車し、あんこネットワークの情報を頼りに、市内をあんブラ。
狙いは地元客に愛されているという「餅菓子の石さか」。
軽い驚きが走った。

今どきの店とは一線を画した、あまりにもシンプルな店構え、むしろひっそりとそこにある・・・どこか懐かしい、隠遁者の気配さえある。

渋いオーラ。
しばらく立ったまま見ていると、私のあんココロがざわめいた。
一人二人と地元の主婦らしい客が入っていく。
その一人に聞くと、「豆大福が凄くおいしいですよ。見ればわかります(笑)」と屈託がない。

3~4人くらいしか入れないような店内に入ると、豆大福や饅頭類、串だんごなど朝生の和菓子がレトロなケースに並べられていた。いなりやのり巻きなどもある。

すぐ奥が仕事場になっていて、いい具合に水蒸気がのぼり、そこに店主らしきお方が朝生菓子をつくっている最中だった。いい光景。
当たり!の予感がずしんと来た。
★ゲットしたキラ星たち
豆大福 150円×2個
きんつば 150円×1個
あんだんご 100円×2本
※すべて税込み価格です。

【センターは?】
豆大福:赤えんどう豆のビッグバン

ぼこぼこが半端ない。
赤えんどう豆の量と餅粉の絶妙なかかり方にあんココロが鷲づかみにされた。
インパクトにおいて、護国寺「群林堂」の豆大福とそん色がない(個人的な感想です)。

確かにすごいね、こりゃ。
若女将さんの「今日中に、早めに食べてください」の言葉で、駅近くの喫茶店でこっそりいただくことにした。
😀実食タイム 大きさは群林堂や松島屋(泉岳寺)とほとんど同じくらいのサイズ。
手で持つと、その存在感がずしんと響くよう。

石臼搗きの搗きたて餅と黒々とテカる自家炊き赤えんどう豆(多分北海道産)の常軌を逸したかのような(?)合体が予想越え。
赤えんどう豆はやや固めだが、それが噛むたびに塩気とともにいい風味がどんどん広がる。

餅の柔らかさとの掛け算が素朴に素晴らしいとしか言いようがない、
中のつぶあんはふっくらと柔らかい。ボリュームも十二分にある。
北海道産小豆を丁寧に炊いて上白糖で仕上げているようだ。

店主の丁寧な仕事ぶりまで伝わってくる。
これほどの豆大福と出会えたことに感謝したくなった。
【サイドは?】
きんつば:あまりに柔らかな豊饒に驚く

噛んだ瞬間、歯がすっと入る。何という柔らかさ。
北海道産小豆のいい風味がふわりと来る。

きんつばはずいぶん食べているが、これほどつぶあんが緩やかなのはあまり記憶がない。
薄皮一枚のワザ。
造りたてのせいかもしれないが、計算されたかのような、ぎりぎりのゆるゆる感に心まで溶かされそうになる。

見た目の見事なあんこの透け歩合からして、「これは」と思わせられたが、食べ終えた後の余韻もどこか穏やかで安らぐ。
癒し系のきんつば、。
寒天の存在はすっかり溶け込んでいるよう。
この素朴な上質、たまらねえ、と江戸弁で言いたくなった。
😎あんヒストリー
創業はどうやら1973年(昭和48年)。店主が作業中だったので詳しくは聞けなかったが、清楚な女将さんの話によると現在2代目。素材にもこだわった無添加づくりの製法を受け継ぎ、店を広げずに地元客を大事にした街中の和菓子屋さんを貫いている。
遠くからわざわざ買いに来る常連客も多い。
あんだんご:こしあんの塩気が絶妙

4玉の串あんだんごで、米粉餅の柔らかさとたっぷりと乗った自家製こしあんのバランスがとてもいい。

こしあんの塩気が強めで、そのマジックが全体をワンランク上に押し上げていると思う。
一本100円が信じられない。
地元に密着した、店主(代々)の心意気まで感じられる、見事な朝ナマ和菓子の存在に、あんこの神様がここにもいると思わずにはいれなかった。
「餅菓子の石さか」
所在地 東京・府中市宮西町3-16-2
