新潟から日本海に沿って北上の途中で「米粉のふるさと」とも称される胎内市(たいないし)にふわりと立ち寄ることにした。
人口2万6000人ほどの小さな町だが、ここは酒饅頭ファンにとっては避けて通れないエリアだと思う。


メーンの駅(中条駅)周辺で情報収集すると、「乙(きのと)まんじゅうや」と「浜屋」の名前が挙がった。
「乙まんじゅうや」は創業が文化元年(1804年)という日光「湯沢屋」とほぼ同時期に乙地区で創業している超老舗で、日本の和菓子の歴史においては文化・文政期はいぶし銀のオーラを放つ時代でもある。
もう一軒の「浜屋」は駅から近い場所にあり、こちらも「もともとは餅屋さんで、いい酒まんじゅうをつくってますよ」(地元の主婦)。
距離と時間の関係でまずは「浜屋」の暖簾をくぐった。

★ゲットしたキラ星
酒まんじゅう 130円
大福 120円
ごままんじゅう120円
豆ようかん 150円

★さらに道の駅でゲット
乙まんじゅう1個 130円
※すべて税込み価格です。

【センターは?】
2軒の酒饅頭:「浜屋vs乙(きのと)」食べ比べしてみた
乙まんじゅうは売り切れが早いため、今回は購入できなかったが、ラッキーなことに道の駅で何とかゲットできた。
〈浜屋〉並べてみると形から微妙に違う。浜屋㊨の方が厚みがあり、球形に近い円形。上に焼き印がある。

サイズは68ミリ68ミリほど。重さは54グラム。

生地のふっくら感ともちもち度がほどよい。
作業に手間暇をかけているのがわかる。
麹と米でどぶろくを造り、小麦粉と混ぜ⇒練り⇒じっくり寝かせる。
なので、口に含んだ感触がやさしく、こしあんとのマリアージュも素朴で上品。

甘すぎず辛すぎず、ほどよい甘さ。
〈乙まんじゅう〉手づくり感がより強めで、生地の色も木綿色がかっている。

中はこちらもこしあん(自家製)。

江戸時代からほとんど変わらない無添加づくりの製法で、そのためか食感も味わいも麹の香りも素朴で密度が濃いめ。もっちり度も強め。
サイズは約65ミリ×65ミリほどだが、きれいな円形ではない。手づくり感強め。重さは約47グラムほど。
こしあんもやや濃いめで、それゆえに素朴な、噛むたびに唾液がどんどん出てくるような味わいがたまらない。

あんこは北海道産小豆×上白糖で、浜屋は北海道産小豆×グラニュー糖のよう。
ずるい逃げ方だが、どちらも甲乙付けがたい。
どちらも「うめえ酒まんじゅう」という他はない。
【サイドは?】
大福:餅粉たっぷりのこしあん大福

もともとが餅屋さんだったようで、笹だんごも美味そうだったが、大福のお姿にあんココロが引き込まれた。
餅の柔らかさとピュアさ、それになめらかなこしあんとの合体が素晴らしい。

ほんのりと塩気もあり、新潟の餅文化のレベルの高さがここでも実感できた。
こしあんの中によく見ると、小豆のつぶも混じっていて、これがいい風味を加味している。
ごままんじゅう:黒ごまの餡入り大福餅

新潟の和菓子屋さんでごままんじゅうは珍しくないが、「もち」と言わず「まんじゅう」と表現しているのは新潟ならではかもしれない(他の地にも?)。
ごまは炒ったすりごまで、それがびっしりと表面を覆っている。

ごまと餅とこしあんの三角関係が口中で絡み合う感覚がたまらない。
日持ちしないのが、この朝ナマのいいところでもある、と思う。
豆ようかん:大福豆×生羊羹の舌ざわり

羊羹というよりも水ようかんに近い舌触りで、上層部に大福豆がボコボコと闇夜に咲くように入っている。
大福豆がいいアクセントになっていて、柔らかな羊羹部分とのマリアージュがとてもいい。

塩気もほんのり。
こういうようかんはひょっとして越後ならではかもしれない。
千代華:皮の薄い上品などら焼き?

半月状の形がキュートだが、味わいは上品などら焼きみたい。
中はたっぷりのこしあん。

黒糖も少し入っているようで、その掛け算がすつ、すっと入ってくる。
口どけもいい。
●あんヒストリー
「浜屋」⇒女将さんによると、創業は大正か昭和の初めくらいで、はっきりしないそう。「うちのおばあさんのその上」まではわかるそうだが、もともとは餅屋だったようだ。現在の店主(3代目?)は洋菓子職人から和菓子職人になったとか。
乙まんじゅうや⇒創業は文化元年(1804年)で、初代は北陸の古刹・乙宗寺の門前で酒饅頭づくりを始めたそう。
「菓子 浜屋」
所在地 新潟・胎内市本町3-37
「乙まんじゅうや」
所在地 新潟・胎内市乙1235