約6年ぶりに新潟市・古町にある「角田屋(かくだや)」にドタリと舞い降りた。
目的は朝ナマの餅菓子、あんこ菓子。
メーンストリート沿いにそこだけ昭和レトロなオーラを放っている、あんココロがくすぐられる店構え。

6年前とほとんど変わっていない。
「角田屋」の紺地の暖簾が渋い。
何故か故郷に帰ってきた気分。
★ゲットしたキラ星
豆大福 140円
草大福 140円
水ようかん160円
笹だんご1個200円
草だんご300円
二色だんご280円
※すべて税込み価格です。

【センターは?】

6年前に食べてそのあまりの美味さに驚かされた。
今回はどうか?
見た目はまったく変わっていない。

餅粉のかかり方、よもぎを練り込んだ朝搗き餅のずっしりした手触り感。
「久しぶり!」
と声をかけたくなった。
😂実食タイム
無添加づくりなので「本日中」に食べなければならない。
なので、夜8時過ぎ、ホテルで味わうことにした。

餅がほんの少し固くなっていて、その分期待が膨らむ。
本物の証明でもある。
マイナイフで切ると、中はぎっしり詰まったきれいなこしあん。


北海道産小豆×上白糖。
代々受け継がれた製法で丁寧に炊いたことがわかる上質なあんこで、口に入れた瞬間、よもぎの香りとともにそよ風が吹き上がってくるよう。

6年前の方が驚きが強かったが、それでも絶妙な塩気がジワリと来る。
たまらないな。
3代目店主の手作業を感じる、地元でも愛される朝ナマの名店の底力、やはり凄いものがある、といい余韻の中でしばし浮世を忘れる。
【サイドは?】
豆大福:青豆の食感とつぶあんの絶妙

角田屋の豆大福は豆が赤えんどう豆ではなく青豆を使っている(新潟では珍しくはない)。
青豆は数個だが、柔らかな杵搗き餅との合体が噛んだ瞬間、独特の風味を放ち、それがとてもいい。


自家製つぶあんの甘すぎない、素朴な風味が中心部から湧き上がってくる。
塩気のほんのり。
うめえ、の3文字がつい漏れる。
●あんヒストリー
「角田屋」の創業は大正4年(1915年)。百年老舗。現在3代目。祖父の時代から新潟の素材(黄金餅)を生かしたつくり方を受け継いでいる。6年前は朝8時半開店だったが、現在はさらに時間を早め、明け方に近い7時15分に口開けをしている。朝ナマの王道中の王道を地道に、しっかりと歩んでいる。餅菓子王国・新潟の頂上の一つに位置する店だと思う。笹だんごのファンも多い。

水ようかん:エッジの利いたみずみずしい凝縮感

今回初めて味わったのがこの水ようかん。
いい小倉色で、菓子楊枝で口に運んだら、しっかりとした歯触りと絶妙な塩味が穏やかに押し寄せてきた。

練りと水ようかんの中間くらいの舌ざわり。
口どけの良さもいい。
3代目店主の腕、今回も期待を裏切らない。

早朝に店を再訪した時に「今、蒸し上がったばかりですよ」と女将さんの一声。
ありがたいことに1個ずつバラでも買えるので、胃袋の容量の関係で3個だけゲットしたが、食べたのは夜で約12時間後のこと。
それでもまだ温もりと芯から素朴な、深みのある味わいが立ち上がって来た。

新潟では指折りの笹だんご、と称賛の声もある。
無添加づくりの、越後笹だんごの原点を味わっている気分になる。

ひと噛みごとに広がる豊かな風味に、確かにうめえ(二度目)言葉が漏れそうになった。
二色だんごと草だんご:どちらも素朴なあんこの吹き上がり方

二色だんごはこしあんとみたらしの2色。
こしあんのなめらかさが秀逸。

柔らかな米粉餅との舌触りがとてもいい。
草だんご:東京・柴又と同じ草だんご×つぶあんの圧倒

つぶあんのふくよかな量に圧倒される。
押し寄せる素朴な風味にしばし我を忘れるほど。

寅さんが食べたら何というか、あれこれ想像してしまった。
さくらよ、シンプル・イズ・ベストだぜ、ってか?(勝手な想像です)。
あんこの星座群にまたしても感服🙇♂️
「角田屋」
所在地 新潟市中央区本町通7番町1093-3