週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

京都の奥座敷🙇‍♂️隠れ名店「亀廣宗」の烏羽玉

 

私的には京都はあんこの魔都、という他はない。

 

外国人観光客のあまりの多さに改めて驚かされるが、和菓子への関心も世界レベルで広がっているのを実感する。

 

だが、京都の奥の深さは驚きを通り越して、ほとんどカフカ的(?)でさえある。つまり迷路の迷路の迷路的な(何だと?わかりにくいよ)。

ややこしい書き出しになってしまったが、人通りの少ない松ヶ崎に渋い看板を掲げる京菓子司 亀廣宗」(かめひろむね)」を書こうと思うからです。

 

😎アプローチ

京都の畏友が「あんこを名乗るなら『亀廣宗』の烏羽玉をぜひ食べるべき。ネットで調べるとそのわびさびの店構えに驚くよ」と言ってきた。

 

彼がよく行く高倉通路地の老舗料理屋の女将さん(和菓子にかけても辛口の舌を持つ生粋の京都人)がメディアでよく取り上げられる老舗を次々と撫で切りにし、お眼鏡にかなう和菓子屋は数えるほどしかないという。

 

その女将さんが「亀廣宗」の烏羽玉(うばたま)は本物で、とっても美味い、と話していたそう。

 

亀廣宗? 五亀二鶴の系譜は少しは知ってるつもりだったが、し、知らなかった(汗)。この亀廣宗は私の敬愛するあの「亀末廣(かめすえひろ」から暖簾分けした希少な店であることも教えてくれた。

 

これは行くっきゃない。

炎天下、大きなリュックを背負って、地下鉄烏丸線に乗り換え、松ヶ崎駅で降り、10分ほど歩いた。汗がどんどん噴き出す。

 

外国人観光客もここまでは来ないだろうな、きっと。

 

あった、侘しさと紙一重の渋いオーラを発光する、「京菓子司 亀廣宗」のシンプルな屋号。小さな店構え。ただ者ではない気配・・・。

 

★ゲットしたキラ星

烏羽玉 50円×6個=300円

最中 200円×3個=600円

懐中しるこ380円×2個760円

くずまんじゅう250円

涼風  380円

 ※すべて税込みです。

 

【センターは】

烏羽玉(うばたま):希少な丹波大納言の凝縮力

小さな木箱に入った24個入りを買いたかったが、胃袋の容量とと予算の関係で6個(一個売りもしてくれる)ゲット。

 

ごらんの通り、直径25ミリほどの黒光りする珠玉の一品で、黒糖で仕上げたこし餡を羊羹の薄い膜でくるんでいる。

濡れた烏の羽のよう、というよりも一瞬ハッとする美しい黒曜石のよう。

 

頂上にはきれいな白ゴマが3粒。思ったよりも小粒だが、引力の強さについよろめく。

 

🥸実食タイム☕️

敬意を表して東京・日本橋「さるや」の黒文字でいただく。

最初のアタックは黒糖(多分波照間産)の風味。

 

自家炊きこし餡(丹波大納言小豆を使用)のあまりになめらかな舌触り

 

薄い羊羹の膜がいいアクセントになっている。

舌の上で繰り広げられる小さなドラマに「後朝(きぬぎぬ)の別れ」すら感じる。

 

甘すぎない、上質で深い味わい。余韻の長さも特筆したい。

 

これぞあんこ玉の究極の姿、と言えるかもしれないな。

 

●あんヒストリー

「御菓子司 亀末廣」で菓子職人修業後、数少ない暖簾分けとして現在の地で開業。昭和28年(1953年)のこと。現在2代目。ご高齢ながら、妥協しない素材へのこだわり、伝統的技法を今も守り続けている。烏羽玉のほか、練り羊羹上生菓子、最中、干菓子など茶道の師匠筋からの注文も多い。メディアにあまり露出しない、京都の奥の深さを感じさせてくれる店の一つ。

 

【サイドは】

最中(御苑):種(皮)と極上つぶ餡の合体力

 

菊の模様の伝統的な形の最中で、種のしっかりとしたサクサク感と濃密なつぶ餡がひと噛みするたびにふわりと口中に広がる。

つぶ餡は丹波大納言小豆×白ザラメ

 

地味だが煮詰め方が丁寧で、やはりプロフェッショナル。

ねっとりと、いい小豆の風味を運んでくる。

 

今どきの和菓子店とは一線を引く素朴でいい最中、と実感する。

 

🙇‍♂️上生菓子2種

くずまんじゅう:丹波大納言のこし餡×吉野葛

少し冷やしてからいただく。

手漉しのこし餡の上質な風味が口中に広がると、なぜか「亀屋~」と叫びたくなった(笑)。

まったりとした、粘膜にささやきかけるような深い味わい。

 

吉野葛の半透明の膜が舌に滑る感触も気持ちいい。

 

たまらん、京都の奥座敷って感じかな。

 

涼風:2層の羊羹がさわやかに来る

これも少し冷やしてからいただく。

 

練り羊羹と錦玉羹の2層仕立て

 

京のはんなり。

2つの味わいが口の中で溶け合う感触が素晴らしい。

 

少し甘め。

余韻も含めて、確かに涼しい風が舌の上でそよぐ。

 

亀末廣の2層の羊羹を思い起こした。

 

懐中しるこバリバリの餅とさらし餡のドラマ

懐中しるこしっかり作る和菓子屋さんは少なくなっている。

 

まずはお椀と箸を用意してっと。

きつね色の焼き色の板餅は思ったよりもかなり固く、それを両手で割って、自家製さらし餡とともに熱湯を加える。

ゆっくりとかき混ぜ、餅が柔らかくなるのを待つ。

 

さらし餡は次第にねっとりしてきて、いい具合におしるこの世界に変化していく。

添加物などは使っていないので、待つ時間と次第に柔らかくなってくる餅の感触が思ったよりも自然で雑味がない。

 

真夏なのに一瞬だけお正月が来たような感覚になる。

 

冷やして食べても美味しいと思う。

 

京菓子司 亀廣宗」

所在地 京都市左京区下鴨高木町9の4