週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

奇跡の笹だんご😂創業5百年超、山奥の和菓子屋

 

みちのくあんこ旅で西会津町・野沢(旧越後街道野沢宿)にドタリと着地。初めての訪問。

 

ここは実は私のルーツの一つで、今回は謎に満ちた3代前の先祖の影を追う目的もある。

 

正直に言うと、田舎すぎて、和菓子屋はあまり期待していなかったが、思い込みとバカに付ける薬はない(笑)

あんこ旅を始めて約8年になるが、その中でも個人的な驚きという意味ではベスト5に入る、私にとっては奇跡的な出会いとなった。

 

会津若松を超え、新潟方面に進み、野沢に入るとモダンな造りの「道の駅 にしあいづよりっせ」が見えた。

 

名物の「みそ饅頭」や洋菓子類も置いてあった。

 

そこから近い、目的の一つ「御菓子司 上野」の暖簾をくぐることにした。

これがとんでもない歴史の和菓子屋さんだった。

 

★ゲットしたキラ星

会津大山笹だんご

   5個1000円

草大福 1個200円

油ぱん 200円

 ※すべて税込みです



【センターは】

会津大山笹だんご:越後超え?極上つぶ餡の世界

饅頭や生菓子類なども実に美味そうだったが、私の目は小さくオーラを放つ笹だんごに張り付いてしまった。

 

笹だんごは西会津町の延長線上にある新潟の郷土菓子だが、この店のものは笹の色、鮮度、団子紐の見事なくくり方までほとんど完璧に見えた。

新潟が近いとはいえ、本家よりもひょっとして上回っている?

 

で、店の方につい余計な質問をしてしまった。

 

「新潟みたいですねえ」

 

すると「野沢は昔から越後文化圏なんですよ」

 

🧐実食タイム

きれいな笹は一つ当たり2枚。地場の大笹を使っているようだ。

見事な包み方。

 

笹は思ったよりも剝きやすく、中のよもぎが笹とよもぎのいい香りを吸い込んでいて、いいもっちり感で「おいでやす」と現れた。

さらに驚かされたのは中のつぶ餡

温かみのある、上質な、心にまで染み入ってくるようなふくよかなつぶ餡で、ひと噛み、ふた噛みすると、「このつぶ餡、すごい」と唸りたくなった(オーバーではありません)。

店の方に聞くと、小豆は北海道産きたろまんを使用、砂糖は上白糖で炊いているとか。

 

よもぎ餅を含めて昔からすべて無添加手づくりなので、日持ちが短いとも。

 

新潟の笹だんごはこれまでずいぶん食べているが、そのトップクラスに負けない、いやそれ以上の感動の波が押し寄せてきた。

絶妙な甘さ、かすかな塩気・・・まさかかような場所にかような和菓子屋さんが存在していたとは・・・みちのくウオッチャーの一人としては穴があったら入りたいよ(汗)。

 

あっという間に3個舌の奥へと消えていった。

 

私にとっては思いもよらない隠れた名店の発見で、店の由来を聞いたら、ほとんど奇跡が起きた、とバカみたいだが、そう思うしかない。

 

●あんヒストリー

▼店主に話を伺うと、驚くなかれ創業が文禄元年(1592年)で、店主は「私で22代目になります」▼ビックリを通り越して、ホンマかいな、と半信半疑の気分。文禄元年と言えば、太閤秀吉が明を征服しようとして、朝鮮に大軍団を送った年。理由を聞いてある程度納得がいった▼この店のルーツは京都の和菓子屋で、あの戦国武将・蒲生氏郷松坂城会津若松城)に就いて会津にやって来たという▼織田信長に見込まれて二女を正室に迎え、信長死後は秀吉に仕え、39歳でこの世を去った悲運の武将▼利休七哲の筆頭でもあり、私が個人的にずっと追い続けている武将でもある▼現在は和菓子のほかに洋菓子もつくっていて、進取の気性に富んだ氏郷の遺伝子を感じなくもない▼京都由来の干菓子(葛湯)も希少価値。

 

【サイドは】

😍草大福:あんこの美味さと草餅の柔らかな合体

これもつぶ餡の美味さ×草餅の上質に唸りたくなった。

 

新潟の餅菓子の美味さは全国でも有数だと思うが、この店が会津よりもむしろ越後の匂いがするのもなるほど、と思ってしまう。

あんこの穏やかなまろみと吹き上がり方がレベルを超えている。

 

1個は大きめで平べったい。

伸びやかな草餅を手でちぎって味わうと、つぶ餡との口内合体がしばらくの間極楽に変換する。

 

こんな山奥の町で(失礼)、以前は宿場町とはいえ、京都や東京の名店に引けを取らない、素晴らしい和菓子との出会い。あんこの神様に感謝、だよ。

 

😵‍💫油ぱん:こし餡のあんぱんを油で揚げた絶品

これには驚かされた。あんドーナツとは別に私の目に飛び込んできた。

 

大きいあんぱん(中はこし餡)を油(多分植物油)で揚げたものだが、すべて自家製で、パンの美味さもこし餡の控えめな甘さも上質で、口に入れた瞬間、あんドーナツよりも柔らかな食感とこし餡のそよ風がぐわんと押し寄せてくる。

う・め・えー。

 

そのまま食べると、手に油が付くのが少々難点だが、うまく食べれば、これは意外な発見で、この店が素材選びから製法まで京都の遺伝子を受け継いでいるのを感じる。

 

東京や京都などの情報ばかりに過剰に目を奪われていると、地方の宝石を見失う・・・かもしれないな。改めてそう思うのだった。

 

「上野菓子店」

所在地 福島・西会津町野沢字原町乙2144

最寄り駅 磐越西線野沢駅から歩約8分