久しぶりに西日本あんこ旅へ。
お金もかかるが、歩き回るので体力もいる。
新幹線を乗り継ぎ、最初に舞い降りたのは広島。
新聞記者時代以来の広島。かつては吉川晃司の「モニカ」が流れ、奥田民生の「アジアの純真」が流れ、パフュームの「レーザービーム」が流れ・・・ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず。「方丈記」の冒頭部が頭の中で明滅する、なんてね。
路面電車・広電に乗り、袋町で降り、目指したのは「茶房 つるや」。

知る人ぞ知る、自家製あんこの名店で、呉市の老舗和菓子店「鶴屋安芸」(明治2年創業)がプロデュースしたシャレた甘味処。

オープンして約20年になるが、コアなあんこ好きにはたまらない品書きが揃っている。伝統と新しさ。
あん子「原爆ドームを見た後なので、心の整理がつかないわ」
編集長「確かに。でもここは頭を切り替えて、あんこの神様にすがろうと思う。心をニュートラルにしてからメニューを選びたいね」
★ゲットしたキラ星
季節の苺パフェ 700円
串団子(2串) 480円
わらび餅セット 850円
※すべて税別価格です

【センターは?】
季節の苺パフェ:自家製つぶあんの質と量に驚く
甘味処は全国各地にいい店があるが、まさか広島でこのような形でスーパーな和パフェに出会うとは。私にとっては予想を超えた発見だった。
まずはその神々しいお姿を見ていただきたい。

みずみずしい大粒苺(いちご)が4ピース、ソフトクリームに張り付くように乗っていいて、その横には美しいつぶあんがどっかと盛られ、主役のオーラを放っていた。

赤紫色のつぶあん。そのボリュームが想定を超えていた。
これはすごい、ね。
その下には白玉、さらには最中(もなか)の種を砕いた層が続いていた。

ウエハースの代わりに小ぶりのソフトせんべいというのも面白い。
正統派パフェグラスの誘惑。和と洋のお見事な合体。
あん子「あんこのきれいな色と量にびっくり。こんなパフェ、初めて見ました」
編集長「季節の旬の果物を使って、あんこと競演させている。つい見とれちゃったけど、このつぶあんがめちゃウマ。老舗和菓子屋のこだわりが透けて見えて、これまで食べた甘味処の中でも、ことあんこにかけては最上位に位置させたいよ。ドンピシャ好み」

あん子「鶴屋安芸のあんこづくりについて取材したんでしょ?」
編集長「十勝産小豆の最上級にこだわり、しかも初代からのかまど炊きを守り続けている。今回は時間の関係で本店のある呉までは行けないのが残念だけど、これだけのあんこづくり。餡場の職人さんに取材したいよ」
あん子「秘伝でしょうね、きっと。それにしても鼻息が荒いですね。落ち着いて落ち着いて(笑)」
〈実食タイム〉 苺もソフトクリームも上質で、白玉も自家製。何よりも主役のつぶあんのふくよかな味わいが素晴らしい。

かまどでじっくりと時間をかけて炊いているのがよくわかる。
小豆のいい風味が口の中で舌の上で爆発的に広がってくる。そんな感覚。
たぶん仕上げに使用している砂糖は白ザラメか鬼ザラメだと思う。

雑味がない。ふっくらと柔らかさが調和している。
私のあんこ中枢にぐいぐい迫る、上質な素朴。素朴の洗練。脳内にそよ風が吹くような。
ソフトクリームとのマリアージュも押し寄せてくる。
まさか広島でこのような出会いがあるとは(失礼しました)。
●あんヒストリー
「茶房つるや」のオープンは平成17年(2005年)。本店は呉市の老舗「御菓子司 鶴屋安芸」(創業明治2年)。初代は関西で和菓子職人修業。あんこへのこだわりはこの初代によるようだ。現在3代目だが、4代目も京都で修業中とか。「茶房つるや」のモダンさは伝統と新しさを求めているからだと思う。
【サイドは?】

編集長「串団子はこしあんにしたけど、これもワンランク上の美味さだね」
あん子「つぶあんもあるのよね。色といいつやといい、見るからに上質ですね」

編集長「これも自家製で十勝産小豆の風味がすっくと立ちあがってくるような。米粉餅も柔らかくてしかも少し焙ってある。1本240円(税別)と安くはないけど、それだけの価値は十分にある。うめ~」
あん子「こしあんのなめらかさがまるで違う。かすかに残る塩気の余韻もいいですね」
おまけ:わらび餅セット

あん子「私は編集長ほどあんこの沼にはまってないからわらび餅にしましたけど、きな粉の香ばしさとわらび餅のプルプル感が見事です。コーヒーをセットにして正解でした。甘味処のコーヒーもいいもんですよ」
「茶房つるや」
所在地 広島市中区袋町4-5
最寄り駅 広電・袋町下車歩4~5分
