いい和菓子屋さんが潜んでいるに違いない・・・との予感は的中した。
「御菓子司 松山樓」(まつやまろう)の屋号にあんこころがピコピコときめいた。
一軒家の志を感じる店構え。

地元では「カステラの名店」としても知られ、店内に足を踏み入れた瞬間、草餅や柏餅など季節の生菓子が渋いオーラを放っていた。


思わずほおーっ、が出かかる。
磨き抜かれた木枠のガラスケース、隅々まで神経が行き届いた清潔な店内。
常連客が数人。きれいな女将さんが明るい声で切り盛りしていた。
たまらん世界。
★ゲットしたキラ星
こし餡草もち(3個)400円
つぶ餡草もち 200円
柏餅(こし餡)250円
よもぎ(つぶ餡)250円
みそあん 250円
※すべて税込み価格です。

【センターは?】
草もち2種:こし餡とつぶ餡のツートップ

🧐こし餡の草もちは表面がきな粉に覆われていて、ほぼ球形のそそられる形。
大きさは約直径が45ミリほど。重さは46グラム。
きな粉とよもぎの香りが鼻腔にくる。

思い切って包丁を入れてみた。
きれいなこし餡(自家製)が現れて、「ようこそ」とつぶやいた気がした。

実食 草もちの柔らかさとしっとりとしたこし餡、それに香ばしいきな粉が淡く、上品に口中に広がる。

やさしい食感。
思ったよりよもぎの濃さがなく、むしろ全体の調和を優先しているよう。
洗練された上生菓子の気配。

あっという間に3個ぺろりと胃袋に消えた。
いい余韻。
🧐続いてつぶ餡の草もちに手が伸びる。


こちらはこし餡よりも一回り大きい。重さが約66グラム。
きな粉はかかっていない。
実食 よりよもぎを感じる、むしろ素朴な草もちで、中のつぶ餡がつややか。

手にくっつく柔らかな餅とふくよかなつぶ餡のマリアージュがとてもいい。
甘さを抑えた、つぶ餡の吹き上がり方がマックス。

渋抜きをしっかりしていて、北海道産小豆のいい風味が舌から鼻へと抜けていく。
うめえ、が自然と出かかる。
●あんヒストリー
創業は昭和42年(1942年)。現在2代目。初代は東京・日本橋「榮太樓」で長年和菓子修業、出身地に近い坂戸で店を開いた。東松山に思い入れがあり、店名を「松山樓」にした。「樓」は榮太樓の樓を付けたそう。2代目と女将さん(2代目夫人)から話を伺って、和菓子のレベルが高いのも納得、となった。出会いに感謝したい。
【サイドは?】
柏餅3種:こし餡、つぶ餡、みそ餡の上質な味わい
柏の葉の鮮度と薫りがとてもいい。

手抜きが見えない。
重さはこし餡が約69グラム。つぶ餡(よもぎ)が68グラム。みそ餡が59グラムほどだった。やや大きめ。

あんこはきれいな赤紫色で、しっとりと舌にささやくようで、甘すぎない、
2代目の腕、かなりのものと見た。
続くつぶ餡はよもぎ餅で、淡い色がとても上品。


味わいも私の中では一番好みかもしれない。
つぶ餡の柔らかな吹き上がりに舌を巻きたくなった。ほんのりと塩気。
地味だが、いい仕事。
三つめはみそあん。

淡いピンク色の餅と中のみそあん(白餡+味噌)の掛け算が強すぎず甘すぎず、味噌の入り方がまろやか。

柏餅はこし餡、つぶ餡、みそあんの3タイプが定番だが、この店のものはいずれも上質で丁寧なつくり方に感じ入ってしまった。
2代目店主は初代から直伝で和菓子修業したのか、聞き忘れたが、日本橋榮太樓の系譜を受け継いでいると思う。

伝統と創作。
埼玉のローカルにかような名店が暖簾を下げていること、あんこの神様はやはり存在している。
忘れてた。和三盆を使ったカステラも味わったが、素晴らしかった。
「御菓子司 松山樓」
所在地 埼玉・坂戸市千代田2-6-78
