週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

港町の絶品レトロ大福🧐百年老舗「三好家」

 

編集部には「どこでもドア」タケコプター」もない(当たり前だが)。

 

なので、私のあんこ旅は基本的に電車かクルマだが、今回は小豆色のクルマ(名付けて「あんカー」(笑))を駆使して、房総半島の港町・木更津を目指した。

 

古くからこのエリアは港町で、江戸⇒東京とのつながりも長い。

 

隠れたあんこスポットの条件は十分にある。時代悪に染まっていない、いい和菓子屋さんがいぶし銀のオーラを放っているに違いない・・・。

 

との見立ては当たった。

宿泊先のホテルで情報収集すると、地元の常連さんのおすすめ、豆大福の名店の存在が浮かんだ。

 

夕方、足を運ぶと、踏切のこちら側にタイムスリップしたような、昭和な店構えが見えた。

「豆大福 三好家」(みよしや)の古い屋号看板にあんココロがときめいた。

 

すでにほとんど売り切れていたので、翌朝、再訪することにした。

 

★ゲットしたキラ星

 豆大福 180円×2個

 紅大福 180円×2個

 うぐいす180円×2個

 ※すべて税込み価格です。

 

【センターは?】

大福:朝搗きの餅と白餡の絶妙合体

 

この店の特徴は食堂兼甘味処だが、コロナ以降、食堂と甘味処は休んでいて、大福類3種といなり寿司・お赤飯だけを毎日つくっている。

それが人気で、売り切れが早い。

古いショーケースには豆大福がメーンで並び、紅大福うぐいすはサイドに並んでいた。店の奥では女性スタッフがいなり寿司をつくっていた。いい光景。

 

すぐ固くなってしまうので、早めに食べてくださいね」

 

〈実食タイム〉ちょっとした行き違いで、購入して7時間後の実食となった。

センターには豆大福つもりが、紅大福があまりに美味かったので、こちらを置くことにした。

たっぷりの餅粉と隙間から覗く淡いピンク色の搗き餅。目が吸い寄せられる大物感。

 

サイズは約55ミリ×52ミリほど。重さは88グラムもある。

店のスタッフが言った通り、すでに表面が固くなりかけていた。

 

真ん中から切ると、餅のしっかりとした伸びとたっぷりの白餡が現れ、その手づくりの重厚感に心がざわついた。

口に運ぶと、白餡の絶妙な塩気がぐわんと来た。

しっかりとした餅の伸び、白いんげん豆の素朴できれいな風味(北海道産)。塩気のマジックと呼びたくなる、そのマリアージュ

 

白餡の大福はレアだが、これは私の中ではベスト5に入る味わいだと思う。

 

●あんヒストリー

創業は昭和元年(1926年)で「もう100年になりますよ」(女性スタッフ)とか。現在3代目。代々食堂と和菓子屋を併設しているようで、こうした形は全国でも少なくなりつつある。現在は食堂は休止しているが、店内はそのまま昭和のセピアを残している。ノスタルジックな世界が今も現役のまま。すごいことだと思う。

 

【サイドは?】

豆大福:東京三大豆大福に劣らない素朴感

 

この店の目玉で、餅粉のかかり方からして、見るからに三役級の存在感。

赤えんどう豆がぼこぼこと見え隠れしている。

 

大きさは紅大福と同じだが、重さは約77グラム。紅大福より少し軽めだが、手に持つとずっしりと来る。

がぶりと行くと、固くなりかかった餅の間から強めの塩味がふわりと来た。同時に柔らかなつぶ餡のいい風味が押し寄せてきた。

北海道産小豆×上白糖。

 

あえて表現すると、田舎の豆大福だが、広がる風味がすごい。

赤えんどう豆の歯ざわりと香味が追いかけてくる。

 

護国寺群林堂泉岳寺・松島屋、原宿・瑞穂に引けを取らない、昔ながらの素朴な豆大福が想定を超えて房総半島にも存在している、と感じ入ってしまった。

 

うぐいす:きな粉に包まれたこし餡のうぐいす餅

 

これも重量が87グラムと重い。

和菓子屋のうぐいす餅は求肥餅が多いが、これは早朝の搗き餅。なので、固くなりかけていた。

 

中は自家製こし餡

 

これも塩気が特徴。よく馴染んだ、絶妙と表現したくなる塩加減

きな粉が全体を包み、三つの味わいがしっかりと融合している。

 

ついうめえー、と声が出かかった。

 

上質を超えた?素朴な味わい。歯ざわり。舌ざわり。塩の利き方。

 

職人の手の感触が残る昭和の餅菓子が首都圏のローカル、木更津にあること、それを自分の足と舌で実感できたことが私にとって大きな収穫だった。

 

あんこの神様は隠れている?

 

「三好家」

所在地 千葉・木更津市朝日1丁目1-48

最寄り駅 JR内房線木更津駅から歩約3分