正午過ぎ、雪の城下町、会津若松に舞い降りた。さぶ~。
大きな目的は老舗和菓子店「吉田菓子舗」のあんぱん類をゲットすること。
和菓子屋なのに、年季の入った木枠のガラスケースに並ぶ手づくりの総菜パンや菓子パン類が午前中で売り切れることも多く、私はこれまで何度か空振りしている。

パンも自家製というのがすごい。
この日は久しぶりに晴れたようで、春はまだ遠いのに、紺地の水引暖簾がどこか明るい。

路肩には残雪がしっかり積み上げられている。
県外からのファンも多く、この小さな和菓子店が昔ながらの製法でいぶし銀の輝きを放っていることがわかる。
いつもは生菓子や焼き菓子、巴最中など手づくりのキラ星を購入するのだが、今回はパン類、それもあんぱん、うぐいすぱん、あんドーナツのお宝トリオが狙い。
今年は例年にない大雪なので、ひょっとして少しは売れ残っているかも。
ラッキー、目論見は当たった。

ハンバーグなどの総菜パンはほとんど売り切れていたが、手焼きのジャムぱんやクリームぱんなどの間に「あんこ」「うぐいす」「あんどーなつ」の文字が見え、私のあんココロがキンコンカンと鳴るのがわかった。
★ゲットしたキラ星
あんこ 140円
うぐいす 140円
あんどーなつ150円
どら焼き 140円
※すべて税込みです

【センターは?】
あんどーなつ:昭和のよき素朴を練り込んだ感動の一品
まずはグラニューを星屑のようにまぶした、その容姿を見ていただきたい。

正統派のあんドーナツだが、どっしりと何があっても梃子でも動かない、その長い歴史とプロフェッショナルな手づくり感が渋いオーラを放っている・・・と表現したくなる。
大きさは左右80~83ミリほど。
「賞味期限ができれば本日中」なので、宿泊先のプチホテルでいただいた。

なので重さは量れなかったが、手に持つとずしりと来た。
店主(3代目)の想いまで詰まっているのでは?
〈実食タイム〉
いいあんドーナツを味わうには油の汚れなどは気にしてはいけない。

手で割ると、生地の柔らかなしっとり感がまるで違う。
ふっくらと凝縮の絶妙なバランス。
いい小麦粉の風味が来る。

がぶりと行く。
砂糖のザラザラな舌触りがたまらない。

主役の自家製つぶ餡は甘さが控えめで、柔らかな上質とそのボリュームが折り重なるように押し寄せてくる。

じわじわと口の中から脳天にかけて幸せホルモンが浸食してくる。お星さまキラキラ状態。
昨年暮れに京都であん友イチオシの「まるき製パン所」の昭和なあんドーナツの美味さに感動したが、個人的にはそれに匹敵する美味さだと思う。
●あんヒストリー
「吉田菓子舗」の創業は大正年間。現在3代目。女将さんの話によると、初代は七日町でパン屋としてスタートし、2代目の時に現在の馬場町に移転し、本格的に和菓子屋を始めた。いい仕事をする和菓子屋さんなのに、初心を忘れず。少量生産を守りながら代々伝わる製法で手づくりパンも焼き続けているのがすごい。全国でも数少ない例だと思う。

【サイドは?】
あんこ(あんぱん):パン生地と自家製こしあんの絶妙な融合
ごらんの通りのそそられる素朴な焼き色。卵黄のテカリ。職人の手を感じる。

サイズは約90ミリ×85ミリほどで丸い。
手で割ると、パン生地のいい香りとしっとりと柔らかな感触が来る。


中は自家製こしあん。あんこはすべて北海道十勝産小豆をじっくり炊いて、角砂糖(白ザラメ)で仕上げている。
粒子を感じるなめらかなあんこ。和菓子屋のあんこ。

ほんのりと塩気もいい塩梅。
ありそうでなかなかお目にかかれない、昭和の深い味わいが凝縮しているよう。
あんぱんはこうでなければ、との思いがじんわりと来た。
うぐいす(うぐいすぱん):楕円形と切れ目がノスタルジック
これも焼き色が素晴らしい。表面に塗られた卵黄のテカリがひと色違う。昭和な切れ目とともにそこに店主のこだわりを感じる。


中は甘さが控えめな自家製うぐいす餡(青えんどう豆)。柔らかなパン生地との相性もとてもいい。
噛むたびに唾液がどんどん出てくる感覚。ノスタルジックなうぐいすぱん。
どら焼き:どら皮の密度とつぶあんのバランス

サイズは約90×90ミリ。やや濃いめの焼き色で、しっとりと手になじむ。
蜂蜜と卵黄の風味が強め。

つぶあんは緩やかで、それが味わいを深めている。量も申し分ない。
地味だが、美味などら焼き。
1個140円はコスパ的にもスグレモノだと思う。
城下町会津若松のあんこ力はやっぱりすごいね、と改めて。
「吉田菓子舗」
最寄り駅 JR会津若松駅から歩約20分
