週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

あの新宿「時屋」の「冷やししるこ」

😋第1ラウンド

 

新宿「時屋(ときや)」といえば、ドラえもんを生んだ藤子不二雄が愛したどら焼き屋兼甘味喫茶。

 

どら焼き好きにとっては避けては通れない場所でもある。

 

あまりに暑かったので、久しぶりにここでオアシスすることにした。

小豆色の日除けのれんが相変わらずいいね。

戦後の新宿の面影を残すレトロモダンな店内(当時のモノクロ写真がクール)。モダンジャズが流れ、つい新宿の歴史の一部が頭をよぎる。

下積み時代から藤子・F・不二雄がこの店のどら焼きが大好物で、「ドラえもん」はここから生まれたという説もあるほど。

 

私は「おばQ」よりもドラえもんファンなので、ここに来ると、大山のぶ代さんの声とともにドラえもんがひょっこり現れそうな気がする。

 

メニューの中から「冷やししるこ」(税込み710円)を頼む。

角盆に乗って、ガラスの器にたっぷりと広がる「冷やししるこ」。

いい小豆色(こしあん。小さな白玉が10個浮いている。

 

熱い緑茶と箸休めの柴漬け。

 

スプーンですくって、口に運ぶ。

とろりとしたこしあんは甘さがほどよい。

 

多分小豆は北海道産だと思うが、店のスタッフに聞くと「あんこは自家製です。その時々でいい小豆を使っていると聞いてますが、詳しいことはここではわかりません」。

 

どこでもドアで仕事場に行きたいところだが、そうもいかないのが残念(当たり前だよ)。

ほんのりと塩気があるこしあんの冷製おしるこで、その冷たさが舌先にまったりと絡みつくよう。

 

小豆の「呉(ご)=中身」をストレートに感じる。

 

小豆のでんぷん質がとろみを幾分強めにしている?

 

白玉は小さいが、もちもちしていて、それがいいアクセントになっている。

 

熱い緑茶と細かく刻んだ柴漬けも気が利いている。

創業は昭和23年(1948年)。小田急百貨店の開業と同時にここでどら焼きの販売も始めている。

 

戦後の一つの夢が「時屋」のあんこの中にぎゅっと詰まっている、そう思うと、どら焼きも手土産にしたくなった。心ウキウキ。

 

😋第2ラウンド

 

【どら焼き2種類ゲット】

・中どら焼き(税込み300円)

・栗中どら(同 330円)

〈中どら焼き試食〉

どら焼きは小・中・大・特大の4種類。

 

今回ゲットしたのは定番の「中どら焼き」(直径約110ミリ×厚さ約30ミリ)。重さは149グラムほど。上野うさぎやのどら焼きよりも一回り以上はデカい。

中サイズでこの大きさ、特大に至っては直径が25センチ、重量は1.3キロ。予約しないと買えないようだ。

「時屋」の焼き印。どら皮はしっかりした王道のスポンジで、濃いめの焼き色。卵黄の香り。

中のあんこは小倉餡。蜜煮した大納言小豆とつぶしあんをブレンドしたような作りで、量もたっぷり詰まっている。

やや甘めに炊かれている。

 

大納言小豆(北海道産?)の粒々感が舌に心地よい。

 

〈栗中どら試食〉

栗入りのどら焼きは中のサイズのみ、というのが渋い。

 

重さが中どらやきよりも少し重く、167グラムほど。

栗は2個。お月様が少し離れて二つって感じ。

 

いい硬さに蜜煮されている。

 

それがいいアクセントになっていて、濃厚なあんこをいい意味で引き立てている。

個人的にはこちらの方が好みかな。

 

藤子・F・不二雄を想いながら、冷たい麦茶で彼が愛したどら焼きを2種味わう。

 

どこでもドアもタケコプターも今は要らない。

 

このどら焼き2個で十分。さすがに夕飯抜きかも。

 

「甘味喫茶 時屋」

所在地 東京・新宿区西新宿1-5-1小田急ハルク1F

最寄り駅 JR新宿駅からすぐ