週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

「儀平うすかわ饅頭」あんこの衝撃

 

東京FM(全国ネット)のホラン千秋さんの番組にゲスト出演(2回放送)したことで、この週刊あんこのアクセス数も爆上がりした(びっくりしてます)。

 

「一過性の甘い現象だよ」(辛口の友人)と自戒してますが、地味~なあんこ菓子の世界にキラキラした光がちょっぴり当たったようで、あんこ編集長としてはうれしい限りです。涙が数滴・・・。

 

改めましてホラン千秋さんと番組スタッフの皆さん、聴いていただいた方に感謝いたします。

 

今回は時間の関係で放送されなかったあんこ菓子を少しだけ取り上げたいと思います。

 

その一つが和歌山・串本町「儀平うすかわ饅頭」

明治26年(1893年)創業の和菓子屋さんで、「いい仕事してますねえ」とつぶやきたくなる酒饅頭ですが、特にあんこ(こしあん)の美味さが「半端ないって!」のレベルだと思います。もちろん個人的な評価です。

 

楽天ソレドコで「47都道府県あんこ菓子」でこれをピックアップしなかったことをちょっぴり後悔したくらいです。

srdk.rakuten.jp

とにかく見ていただきたい。

吹雪饅頭のような皮の薄さといびつな形(串本の橋杭岩をイメージしたとか)、中の上質なあんこの予感に目が吸い込まれませんか?

 

2代目儀平(ぎへい)さんがへそ曲がりなお方で、「甘くないあんこがあってもいいじゃないか」と作り上げたもので、今では南紀地方を代表する和菓子になっています。

 

へその曲がり方が私の好みです。

 

・今回お取り寄せしたキラ星

儀平うすかわ饅頭 10入り×2箱 3000円

※送料は別途



〈試食レポート〉

形が一個一個微妙に違う。すべて手作りというのがすごい。

薄い皮には甘酒を使っているが、糀の香りはほのか~に程度。岡山の「大手まんぢゅう」に近い印象。

 

薄皮のシルクのようなつやつや感が迫ってくる。

驚くべきは中のこしあん

 

藤色に近いきれいな色味(店では薄墨色と表現している)で、甘さがかなり抑えられている。「甘くない」ではなく「甘さが儚い(はかない)」と表現したくなるあまりに淡い甘さ。

北海道産小豆をじっくりと炊いて、そこに白いんげんも加えている。

 

色が薄いのはそのせいだろう。

 

しっとりとした食感で、舌の先から脳天に向かって、すうーっと溶けていく感覚がたまらない。吐息が出かかる。

これまでいろんな饅頭を食べてきたが、田舎饅頭とは対極にある、上用の織部饅頭にも通じるようなピュアな余韻がしばらく残る(素朴な田舎饅頭も大好き)。塩気はない。

 

気が付いたら、皿の上から3個消えていた。あっという間。

編集部のあちこちから手が伸び、30分後には1箱きれいになっていた。

 

胃にもたれない、のも実感としてこの饅頭の特徴だと思う。

 

宅急便で届いたら、賞味期限は翌日まで。もちろん添加物などは使用していない。

 

和菓子の奥は信じられないほど深い。

 

〈あんこのつぶやき〉

放送前の段階で私がピックアップしたあんこ菓子は以下の通りです。放送されたもの、されなかったものもありますが、あくまでも個人的に「めっちゃうま~」と感動したものです。今回はほんの一部ですが、ご参考までに。

www.tfm.co.jp

●たまたまキラ星10品

・松本家「水ようかん」(福島・会津若松

・志”満ん草餅「あん入り」(東京・向島

うさぎや「バナナ大福」(山梨・韮崎)

・小島屋「勘兵衛饅頭」(栃木・大田原)

・新鶴本店「塩羊羹」(長野・下諏訪)

・絹与「今宵の友」(愛知・豊橋

・筒井松月「あやめ団子」(愛知・名古屋)

・儀平本店「うすかわ饅頭」(和歌山・串本町

・粟餅所澤屋「あわもち」(京都・北野白梅町

・菊壽堂義信「高麗餅」(大阪・高麗橋

 ※令和に試食したものの中から、あんこの山の一角です。