新緑の5月。よもぎ餅の美味しい季節だが、JR中央本線笹子駅で途中下車した。目的は「みどりや」の笹子餅!
もともとは甲州街道の難所笹子峠の力餅だが、鉄道開通と同時に笹子駅で販売を開始、駅弁とともに中央線の名物あんこ餅となっている。
「みどりや」の創業は明治38年(1905年)。現在4代目。
木の香りがふわりと広がる経木(きょうぎ)に包まれた二口サイズ(ひと口より大きい)のよもぎ餅だが、経木を取ると、たっぷりの餅粉が「ようおいでなすった」とほほ笑んでくる(そんな感じ)。
これが実に美味しい。
柔らかな杵づきのよもぎ餅、控えめな甘さのつぶしあんのバランスが絶妙で、小ぶりなので、あっという間に3個、4個と消える。
添加物は使っていない、創業当時から変わらない製法のため、賞味期限は翌日まで。
駅近くなのにほとんど人けがない。
10個入り(紙箱)と5個入り(包み)があり、私が迷っていると、4代目店主が「昔のままなのは5個入りの方ですよ」と教えてくれた。
店主があんこの神様に見える? ありがたや。
商品は笹子餅のほかに酒饅頭のみ。
・ゲットしたキラ星
笹子餅(5個入り) 税込み500円
蔵酒まん(酒饅頭) 5個入り700円
【センターは笹子餅】
経木とよもぎの香りでタイムスリップ気分
作りたてが一番おいしい。なので、食べれる場所を探したが、空は高く、山々が迫っている。茶屋もない。駅にも人けがない(たまたま?)。
そうだ、昔の旅人スタイルで行こう!
駅の中で紙包みを取ると、いい香りとともに経木が現れた。タイムスリップ感に襲われれる。
餅粉がたっぷりかかっていて、柔らかな笹子餅が経木の上でおしくらまんじゅうをしているよう。
いいね。
落ちる餅粉を気にせずに手づかみでパクリと行く。
早朝から杵づきしている餅の柔らかさ。
それでいてコシと伸びが十分にある。餅屋の餅。
口の中に広がる二つの香りが新鮮で、昔の人が現代人よりもグルメだったのではないか、という思いが強くなる。
中のつぶしあんはねっとりとふくよかで、甘すぎない。
あんこも自家製かと思ったら「北海道産小豆を使っていて、あんこ屋さんに特注してます」(4代目)とか。
いいあんこなのは確か。
猫一匹いない、狭い駅構内で、経木を広げて笹子餅を堪能する。
往年のにぎわいを想像しながら(カッコつけすぎ)。
次の電車はいつ来るか。あっという間に5個平らげてしまった。
【サイドは蔵酒まん】
強烈な酒饅頭にふらっとする
「蔵酒まん」は円形でフツーのサイズ。小麦粉の皮はところどころ裂け目があり、手作り感が十分にある。
糀(こうじ)の香りがふわりと来た。
中はつぶあん。笹子餅よりも少し甘く感じた。
驚くべきはつぶあんの中に、核のように、酒粕のペーストが入っていること。
なので、ややオーバーに言うと、吟醸純米酒を食べているような、感覚に陥った。
近くに酒蔵「笹一酒造」があり、この蔵まんは二つの老舗のコラボ商品でもある。
酒まんじゅうは随分と食べているが、酒粕をほとんどそのままあんこの中に押し込んで使っているのは初めて。
ある意味、キョーレツな酒まんじゅうだと思う。
酒が苦手な人にはおすすめできないが、酒好きな人にはたまらない。
無人駅構内が次第に金色に輝き始めるのだった。
しばらくは極上のあんタイム・・・。
「みどりや」
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