週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

こしあん極楽地区の「パンだんご」

 

パンダとあんこ好きにはたまらない、超レアな串だんごを見つけてしまった。

 

その名も「パンだんご」。写真を見ていただきたい。笑える。愛らしい。だけど、食べてみたら、これがとても美味い。中身もクールだった。

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千葉から茨城にかけてあんこ行脚中に常総市石下だんご(いしげだんご)が食べたくなって、立ち寄った。

 

2年ほど前、「春子屋」のうわさを聞きつけて取材したところ、赤福に似た、もっと素朴なだんご(串のない餡だんご)のあまりの美味さ(ドンピシャ好みだった)に目がウルウルしてしまった。その舌の記憶が今も消えない。

 

今回訪ねたのは競うように隣接した「ゆたかや本店」

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こちらの石下だんごも見た目はほとんど変わらない、こし餡も餅も素朴であきれるほど美味い。賞味期限が「本日中」というのも同じ。つまり添加物ゼロ。

 

店内を眺めているうちに、面白い串だんごを見つけてしまった。

 

パンダがだんごになっている・・・おもろ。どんな味わいなのか気になった。

 

・今回ゲットした二品

 パンだんご 2串(150円×2) 300円(税別)

 いしげだんご(黒パック) 450円(税別)

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【今週のセンター】

パンダも驚く?あんこ入りみたらしだんご

 

竹串に刺さったパンダ君は2個。石下だんごを差し置いて、こちらをセンターにしたのはイデアと中身が「ほう」と唸りたくなるものだったから。

 

受け狙い(?)もここまでくると、脱帽もの。

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地場産コシヒカリ米粉を蒸し上げてから搗(つ)いた真っ白いだんごの中に自家製こし餡が入っている。

 

買った後「ちょっとお待ちくださいね」と言われて待っていると、女性スタッフが奥の板場であぶり始めた。いい匂いが来た。仕上げに下の部分にみたらしをたっぷりつけている。

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だんごもみたらしも作り立てがが一番うまい。どちらも無添加なので、日持ちがしないのも好感。

 

その約4時間後、自宅に帰ってから緑茶を淹れて賞味となった。

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目の周囲と手などは竹炭で黒くしている。かわゆい。

 

米粉餅はとても柔らかくて、みずみずしい。

 

中のこし餡はほどよい甘さで、裏側にほどよく塗られたみたらしとの相性もいい。

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店によると、こし餡は地場の小豆を使い、上白糖で炊き上げている。

 

ネーミングも含めて、店主はかなりのアイデアマンと見た。

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「ゆたかや本店」の創業は昭和3年(1928年)。お隣の「春子屋」も同じ創業年だったので、調べてみると、「もともとはこの一帯は食堂街で、最後に残ったのがゆたかやと春子屋なんですよ。昔からだんごも売ってましたからね」(郷土史家)

 

東京など大都市で売ったら案外イケるのでは? という実力を伴った創作だんごだと思う。

 

上野動物園から話が来てもおかしくはない。

 

【サイドは名物石下だんご】

ごらんの通り、素朴な、こし餡が波打つようなだんご。あんこ好きにはたまらない光景だと思う。

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2年前に春子屋のものを食べたときはこし餡の美味さと米粉餅の柔らかさに感動したが、この「ゆたかや本店」もドンピシャ好みだった。

 

地場の小豆を使った自家製のこし餡は色といい、しっとりした舌触りといい、自然に「うめえ・・・」と言葉が漏れるほど。

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控えめな甘さと塩気のバランスがとてもいい。

 

いい小豆の風味が口いっぱいに広がる感覚は、私的には伊勢名物赤福にも劣らない。

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常総市の郊外にかような店が2店舗、競うように90年以上暖簾を下げていることがうれしい。

 

筑西市もそうだが、茨城県南部の底力を感じる。

 

ローカルのあんこ、これからもどんどん発信したい。

 

「ゆたかや本店」

所在地 茨城・常総市本石下3054-5

最寄り駅 関東鉄道常総線石下駅から歩くと約15~20分

 

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