新型コロナウイルス症候群で気が滅入るので、本日は特別編(笑)。
テーマはお酒とあんこの恋愛。
フツーに考えると、ミスマッチだが、先入観を捨ててみると、これが「案外イケるじゃん」に変わるのではないか?
例えば、羊羹(ようかん)とウイスキー。
今回は日光「吉田屋羊羹本舗」のひと口羊羹3種類(煉り、塩、大納言)を用意した。
特別ゲストとして、豊橋「絹与(きぬよ)」の2色羊羹(久礼羽=くれは)との相性も試してみた。この結果は最後に。
ウイスキーは酒棚から「スーパーニッカ」(小瓶)と「ニッカピュアモルト 蔵出しウイスキー」を出した。基本的に今回はオンザロックで試すことに。
あんこソムリエになった気分(笑)。
まず3種類の中で、もっともマッチしているかな、と感じたのは、「煉り」だった。
賞味の仕方は以下の通りです。
まず羊羹をひと口⇒それを味わってから、ウイスキーをゆっくりと流し込む⇒相性と余韻を楽しむ⇒それを繰り返す。
煉りのきめ細やかさがオーク樽の芳醇な香りで消されるかと危惧したが、そうでもなかった。控えめな煉りの風味が、ウイスキーの猛烈な春一番の下で、しっかりと残っている感じ。このギャップが意外にいい。もちろん個人的な感想だが。
塩と大納言も悪くはないが、予想に反して、煉りほどの相性の良さは感じなかった。羊羹のクセが少し強すぎて、ウイスキーがちゅうちょ。お互いに恋愛を嫌がっている印象。
ウイスキーと羊羹の組み合わせは、敬愛する作家の開高健がエッセイの中で書いている。羊羹は虎屋の「夜の梅」だったが(笑)。開高健の独特の感性と趣味の良さ(?)がよく表れていると思う。
お酒と和菓子の相性については、池波正太郎の方が達人の領域だったと思う。きんつばや饅頭など「あんこ好き」は筋金入り。
酒席の後、ふらりと神田・須田町の「竹むら」に立ち寄って、お汁粉で仕上げを楽しんでいたという。
今回はウイスキー編だが、日本酒(辛口)や焼酎、白ワイン編も気が向いたときにレポートしたい。どうなることやら(ほろ酔い)。
最後に「絹与」の「久礼羽(2色羊羹)」との組み合わせ。結論から言うと、これは別格だった。羊羹自体のなめらかな洗練と抑えられた甘みがピュアモルトと意外な相性を見せてくれた。ブランデーも合いそうだ。「ほう」の世界。
とりあえず結論。いい羊羹にはウイスキーを飲み込んでしまう包容力があると思う。
あんこの女神と酒神バッカスの出会い。
新しい組み合わせをこっそり楽しむのも、そう悪くはないと思う。甘い密会? 下戸には禁断の世界なので、取り扱い注意ですが(笑)。