和スイーツもここまで来ると脱帽したくなる。
ただのカステーラではない。
小豆とクリームチーズ、それにドライフルーツがたっぷり入ったカステラ。
和と洋のハーフ。
あんこ旅の途中、蒸し羊羹で有名な「追分ようかん本舗」に行くつもりが、途中で足が止まってしまった。
あの清水市入江岡商店街の和菓子屋さんで出会った一品。
ご存知の人もいると思うが、入江岡商店街はちびまる子ちゃんの舞台でもある。
さくらももこさんの実家(八百屋だった)がすぐ近くにある。
それが「四季彩菓 竹翁堂(ちくおうどう)」である。いい店構え。
創業は昭和22年(1947年)。現在3代目。
とにかく、その迫力と魅力的なボディーを見てほしい。
カステラ界のアリシア・キーズか?
そんなジャンル分けがバカバカしくなるほどの一品。
麻ひもを解き、経木のふたを取ると、甘い香りとともに、濃い焼き色のカステラ生地が現れた。漢字で書かれた「加寿丁羅」の文字が渋すぎる。
伝統と新しさがクロスした、和スイーツの新しい試みだと思う。
広い意味では小豆のカステラだが、クランベリー、イチジクなどドライフルーツがふんだんに練り込まれている。クリームチーズの姿もごろっと見える。
3代目店主の常識破りの野心作に違いない。
口に運ぶと、カステラ生地のしっとり感と全体のねっとり感がガブリ寄ってくる。
隠し味はみりんかな。
小豆の風味が隠れているのが少し残念。
濃厚な甘さで、好き嫌いが別れる味わいかもしれない。
蜜煮した北海道産大納言小豆が点々と輝いている。
白あんも練り込まれているようだ。
お茶よりもコーヒーが合うと思う。
TARAKOの声でブツブツ言いながら食べたい。
あんこ好きとしてはもう少しあんこを加えてほしい気もするけど、多分カステラがセンターなので、これはこれで仕方がないよ。
1本1200円(税込み 250グラム)は高いとは感じない。
和菓子好きだったさくらももこさんもこの店に来ていたようだ(作品の中には追分ようかんが出てくるが)。
きれいな店で、どら焼き、桜餅、草大福なども実に美味そうに並んでいる。上生菓子や干菓子類も高いレベルだとわかる。
そちらの方にも惹かれるが、3代目のチャレンジに注目したい。
最寄駅 静岡鉄道入江岡駅下車 歩約3~4分