新一万円札の顔になった渋沢栄一の出身地、深谷市にはいい和菓子屋さんが多い。
「古伝餡 濱岡屋」(こでんあん はまおかや)もその一つ。
創業が明治25年(1890年)。現在5代目。
あんこづくりのこだわり方が凄い。
あの徳光和夫さんもこの店のあんこのファンらしい。私もここの豆大福「明治大福」を食べて以来のファン。
残暑がまだまだきつい中、久しぶりにモダンな店構えの暖簾をくぐった。
目的は古伝餡を二重三重にたっぷり使ったスペシャルなかき氷。
それに渋沢栄一のどら焼き。
★ゲットしたキラ星
古伝餡かき氷(カフェで)900円
栄一バターどら焼き 259円
深谷どら焼き(栗入り)270円
※税込み価格です。
【センターは?】
古伝餡かき氷:びっくりのあんこ三重奏
奥が和モダンなカフェになっていて、ガラス張りの広い窓からは庭の緑が見える。
昔使っていた木製の菓子型が壁面に飾られていて、さすが渋沢栄一の街、と妙な感心。
生いちごのピューレをたっぷり使ったいちご水も美味そうだが、あんこ好きにとってはここは浮気(よそ見)はできない。
メニューから「古伝餡のかき氷」を選んだ。
◎実食 写真を見ていただきたい。
純水の氷を削ったふわふわのかき氷の上から緩めのつぶあんがドドと崩れ込んでいた。
上から見てもスゴ!
絶景かな。
このつぶあん、特製レンガの釜炉でじっくりと炊いたものとか。
〈一口メモ〉深谷は明治20年に渋沢栄一が造った日本煉瓦製造会社(東京駅のレンガもここで造られている)の工場があった地で、深谷は「レンガのまち」として知られている。レンガとあんこの組み合わせは面白い。
十勝産えりも小豆×上白糖でコトコトと煮詰めている。
明治以来のつくり方を伝承しているようだ。
食べ進むと、さらに驚かされるのが、中に別のつぶあんがドカと隠れていること。
緩めのつぶあんをさらに煮詰めて、砂糖もさらに加えて、濃厚に仕上げているもの。
ねっとりとした甘めのあんこで、塩気もほんのり。
純水の氷との相性もよく考えられている。
あんあんしながら食べ進むと、さらに底にはこしあんが控えていた・・・。
あんこの三重奏とは、ありそうであまりないのでは?
怒涛の悶絶あんこ。
好みにもよるが、練乳をかけると、プラスアルファが楽しめる。
あんこと練乳の相性は悪くない。
餡ビリーバブルなかき氷。
これで税込み900円はコスパ的にも悪くないと思うが、いかがだろう。
【セカンドは?】
栄一バターどら焼き:バターと古伝餡の合体
左右82ミリ程度の大きさで、キツネ色の表面には渋沢栄一のシルエット。
重さも70グラムほど。
つぶあんのボリュームもまずまず。
バターの風味が強めで、しっとりとしたどら皮とともに口の中で絡み合うと、「いいどら焼きだなあ」と余韻を楽しみたくなる。
バターの塩気が効いている。
深谷とらやき(大粒栗入り):白っぽい生地にトラ模様のどら焼き
こちらは約90ミリ×83ミリと少し大きい。
どら皮に和三盆も使っている。
「栄一バターどら焼き」よりもライトな感触で、味わいも上品(淡い)。
「大粒栗入り」と表記してあるが、蜜煮した栗は思ったほど大きくはない。
その分、つぶあんはたっぷりあり、よりシンプルな味わい。
見た目のエレガントさとくちどけの良さが印象的。
これはこれで「深谷」を楽しめる。
「古伝餡 濱岡屋」
所在地 埼玉・深谷市西島町2-18-14
最寄り駅 JR深谷駅から歩約5分