週刊あんこ

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大納言「白玉かの子」考

 

あんこの中でも「大納言小豆」は別格だと思う。

 

丹波大納言がその最高峰だが、あまりに高すぎるので、多くの和菓子屋さんは北海道産大納言を使うことが多い。それでも普通の小豆よりは値段が張る。

 

東京・中野サンモール商店街にある老舗の甘味処で、たまたま出会ったのが、その大納言小豆を使った「白玉かの子」だった。それがこれ。

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「甘味処 梅家」といえば、この界隈のスイーツ好きには知られた店。創業が昭和31年(1956年)で、現在3代目。入り口では最中(もなか)やおはぎ、それにおいなり、のり巻きなどが売られ、下町の甘味屋そのもの。

 

ふと目を奥にやると、そこは別世界だった。意外に広い喫茶室になっていて、メニューにはおしるこや軽食もある。和のいい世界。

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悩んだ末に頼んだのが「白玉かの子」(税込み 560円)だった。お茶が来て、白玉かの子がガラスの器に収まっていた。あんこのお姫さま、か。

 

もっちりした自家製の白玉が7個。その下のあんこの存在感が際立っていた。

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まさに鹿の子! 大粒の大納言小豆がしっとりとつややかに盛られていた。

 

濃い小倉色。ひと口でふっくら感と濃厚な小豆の風味が舌先で巻き上がった。

 

渋抜きを意識的にあまりしていない。

 

大納言小豆自体の素朴な美味さを全面に打ち出しているのがすぐにわかった。

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塩けの強さ。それがあんこ好きにはたまらない。あんこが苦手な人にはつらい世界でもあるが。

 

あんこのボリュームも申し分ない。洗練などここでは意味がない。こういう野暮なあんこ、京都のツンと澄ました洗練と対極の世界だと思う。

 

だから、ときどき無性に食べたくなる。

 

所在地 東京・中野区中野5-58-6

最寄駅 JR中央線中野駅北口歩

 

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