こう寒いと、今川焼きが無性に食べたくなる。
メジャーなたい焼きではなく、ややマイナーな今川焼きが好み。
埼玉・そごう地下にある「御座候(ござそうろう)」はその一つ。
今川焼き界のスター、だと思う。にゃんこスターよりあんこスター。
本店は兵庫・姫路にあり、関西を中心に人気の高い今川焼き屋さんだが、関東にも進出していて、東京にも5店舗ある。
1個85円(税込み)という安さだが、あんこの質・量ともに素晴らしい。
赤あんと白あんがあり、どちらも美味いので、両方買ってしまうことになる。
行列がいつも凄い。この日も15~6人並んでいた。
実演販売しているので、職人さんの鮮やかな手さばきを見ているだけでも飽きない。
あん子の幸せ、というのもありなのだ。
焼き立てを食べたかったので、近くの喫茶店でこっそり賞味する。
まず赤あん。モチっとした皮の美味さ。そのすぐ後に、たっぷり入ったつぶあんが風味豊かに口中を支配する。緩めでとろっとした食感がたまらない。
やや小ぶりだが、この美味さはこたえられない。小豆は北海道十勝産を使用、それに上白糖と水飴少々加えているようだ。
白あんの美味さも強調しすぎることはない、と思う。同じ十勝産の絹手亡豆(てぼうまめ)をていねいにじっくり炊いているのがわかる。白いんげんの一種だが、絹のような食感が特徴。
赤あんも白あんもほんのりと塩気が効いている。
個人的な番付では、東京・町屋「博多屋」が横綱だとしたら、関脇か大関くらいの存在感と美味さだと思う。
創業は昭和30年(1955年)。姫路で「回転焼き」として、1個10円からスタートしている。そのときのあんこ作りを忘れずに継承しているようだ。一個85円をぜひ続けてほしい。
最寄駅 JR大宮駅西口すぐ