週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

「宇治金時」の頂上か?

 

かき氷はあずきに限る。と書いてから「では宇治金時は?」という声がどこかから聞こえてきた。

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では、はっきり言おう。あんこ系かき氷好きとしては、抹茶の風味とあんこは微妙に合わないと思う。ちょっとエラソーだが。

 

あんこと抹茶は器を別にして食べた方が美味い。茶席を見れば、その意味がわかるはずだ。

 

と、先日までは思ってきた。

 

東京・十条銀座商店街の「甘味喫茶 だるまや」で、「宇治金時」(税込み 980円)に出会うまでは・・・。

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以前このブログで、この餅菓子屋(表店)の「あまおう草餅」の美味さを書いたが、奥の甘味喫茶は今や東京でも有数のかき氷の名店の一つになっている。

 

餅菓子屋としての創業は昭和22年(1947年)。

 

20分ほどの待ち時間で、ようやく「宇治金時」がやってきた。

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ひと目で富士山のようなお姿に引き込まれてしまった。高さは20センチ近くあるのではないか。その頂上から中腹にかけて、見事なつぶあんが夢のように覆っていた。

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その下に広がる抹茶は、注文を受けてから点(た)てる本格的な宇治抹茶で、それが羽衣のようなフワリとした削り氷を濃い緑色に染めている。時間がかかるのも無理はない。氷は三重産の純水だそう。

 

このつぶしあんが秀逸。皮まで柔らかくふっくらと炊かれていて、風味といい、ほどよい甘さといい、素材選びから作り方までこだわり方が半端ではない。

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素材探しに日本中を駆け回る、と店の三代目が胸を張る。

 

実際これだけのつぶあんはそうはない、と思う。宇治抹茶有機栽培のものを使い、シロップは加えていない。その雑味のなさ。

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すべてが有機的に絶妙に合っている。底にもつぶあん。

 

ただ三代目のこだわりには素直に脱帽するが、どうやら気が多いようで、「宇治金時」だけで、三つほどのランクがある。舌代も上がっていく。それだけはどうにもなじめない。

 

所在地 東京・北区十条仲原1-3-6

最寄駅 JR埼京線十条駅北口歩3~4分

 

 

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